『遺言』to盗賊ギリアム
ーVR・遺言場/酒場ー
はっ!?ここは?
俺は、死んだのか?戻らなくては!!
もはや勝ちの目はないが、せめてまだ若い嬢ちゃんらに退路を...!
「まぁ座れよギリアム」
え...?
「アニ...キ...?」
「よぉ、キョーダイ。こっちもしくじっちまってな、ご覧の有様だよw」
頭上に浮かんだ天使の輪を指差しアニキが呑みながら笑いかけて来ていた。
とりあえず逸る気持ちを抑え、テーブル席の対面に座りビールを思い切り流し込む。カァ〜ッ!キンキンに冷えてやがるww
「やってる場合じゃねぇやwwアニキ、ここは一体?俺らはどうなったんで??」
もう考えるより聞いた方が早そうだ。
理解が及ばん、酒がウマい。
ここが天国なら嬢ちゃんらと運悪く合流してしまっても存外悪くは無いのかもしれん。
「あぁ先にひとつ、お前はまだ死んでいない。私は最後の手札を切ってこのザマだがねぇ、最期に一席設けさせてもらったってーワケさ。飲み放題だぞガンガンいけ!」
「アニキ、俺がこの状況でバカ呑みすると思ってんスか?...あ、ねーちゃんビールおかわり!ピッチャーでwwwツマミも適当に持ってきてぇ〜」
お?ホホゥウェイトレスのお嬢さん、いいケツしてますねぇ!
...ッッ!?<グシャァ!!!>ピァゲバッ
「ハッハッハ!お前らしいな。なぁ、話す前にその顔どうにかならない?締まらないんだけど...」
ウェイトレスのキョーカちゃんにちょっと尻タッチしたらデスビンタもらって壁まで吹き飛んだ。
反射的にアニキ直伝のDOGEZAをしていなければ頭を踏み砕かれていたことだろう...
顔左半分感覚無いんだけどこれ大丈夫?
俺の顔まだついてる??
こんなとこが天国だってんなら神様ってのは相当なクソ野郎だと思う(テノヒラクルー
※自業自得
「顔見知り出すとややこしくなるから管理AIに出演を依頼したんだが...なんだあれ怖っ」
(友情出演:美女募集と聞いて来た幕辺 鏡花さん)
「サシで呑むのは久しぶりだなギリアム、こいつはイケるぜ?こっちにゃねぇけど味噌モツ炒めってんだ」
始めて食べる味だ、似たものが思い当たらない。本当にこの人ァ不思議や。知見が広すぎるっつーかまるで...
「アニキどこの出でしたっけ?あ、これも美味いっすね!」
「フッ、もし異世界...って言ったら信じるか?」
あぁ、そうか
「信じますよ。俺にゃアンタを疑う理由がねぇしそう言われりゃ全部納得がいきまさぁ」
「ほぅ...意外だな?だいたい二日酔いか過労の心配されちまうんだが、ハッハッハ」
「...マジなんすね?」
「あぁ。もう15年前かな?気づいたらトアル村の先史文明遺跡の最深部よ、大変だったんだぜ?」
「平和な世界...だったんでしょうね。アンタの倫理観や思考に感じる違和感、納得が行きやした」
優しさ通り越して甘いんだよなぁこの人。女子供によえぇわ弱者は見捨てらんねぇわで領主だろうが王だろうが竜だろうが向かっていっちまう、めちゃくちゃだ。
「あぁ...色々問題のある世界ではあったが、概ねな。文句ありゅ?」
「いや、そんなアンタに惚れ込んじまってんでね、特にはねぇすわ」
「でまぁ私はもう逝っちまうもんでね、心残りは多いがそのうちの一つがお前さんでな。ギリアム...いや熾天使長ギリエル」
嘘だろ、気づいて??じゃあなんで...
「アニキ、聞いてください。私は制約により個人に味方できません。ですが我々は種族特性で嘘がつけず約束が破れません、看破された事でじきに『審判』のフェイズに入ります!ですから...!!」
なんで...!!
気づいていたならなぜ、俺に『天界は人類を助ける』と言わせない?『天使は人類に敵対しない』でもいい。アンタの頭ならいくらでもやれたはずだ。
「...いいんだ、私は『審判』や熾天使の長の事はよくわからん。だがギリアムの事はよく知っているし信頼している。だから散り逝く者として、改めて頼む。義の弟よ、お前に...後を任せたい。」
マクベスが淡く光りながら薄れて消えゆく...(演出
「アニキ...そんなっ」
「ギリアム、頼む...もう時間が無いんだ...」
クソっ『審判』が始まる、人類の首脳部は腐っている...いずれ世界を巻き込み争い滅ぶだろう。救う価値など無いと言わざるを得ない!
私がこの人の為にやれる事...!迷ってる暇は無い!世界の根源たる愛よ私に力を...!!!
編集中




