あらすじのその後
あらすじの続きです。
ー魔王城、中庭ー
何度も振り返る勇者パーティーに笑顔で手を振っていたが、遂に魔王城の扉が閉められ皆の姿が見えなくなった。
ティア。君に最後まで伝えられなかったが...
十字聖杖がいつも上下逆だ。それ君らの教義の禁忌じゃないの?聖女なのに神敵アピールって...
さっき倒した枢機卿もドン引きしてたじゃないですか...
「別れは済んだか?商人風情に足止めを受けるなど一生の不覚だ。【騎士王】はここまでの制限を課すスキルではなかったはずだがな。」
魔王軍最強と謳われる騎将マキシマムもさすがに困惑しているようだ。
「私のスキルで少し干渉させて頂きました。さすがにパーティーで相手取るには分が悪いでしょう?」
【鑑定】スキルで確認した結果はこう。
【騎士王】
・正々堂々
対峙する敵の人数分、全ステータスが倍増
発動中は騎士道に反する行動に強い制限
勇者パーティー全滅確定である。
仕方なく戦力外である商人の私が足止めを買って出た、という訳ですね、ええ。
「【鑑定】スキルに謎の干渉系スキルか、厄介な事だ。それにその眼、捨て駒として全てを諦め、ただ死に逝く者の目ではない。」
そりゃそうだろうよ。必ず帰ると、そう約束したのだから...
「そろそろ始めましょうか?商人には商人の戦い方がある。たかが商人と侮った事、後悔させてあげましょう。」
商人は愛用のソロバンを構え不敵に笑う。
とくと見よ。マクベス流商闘術奥義『在庫処分市』
初手から全力であたるのは兵法の初歩ですな!