王国の悪役令嬢 日本観光! プロローグ
これはみね個様のコラボ小説です。
まぁプロローグなので次話にみね個様のキャラクターを出します!
成田空港 第二ターミナル
黒服を着た三人の男らを先頭に同じく数人の男達が空港ラウンジ【特別室】に向かっていた。空港ラウンジにはルドパンクレイズ王国のゲストがいる。
ルドパンクレイズ王国
東欧ヨーロッパにて共和制の国だがこの現代でも王族、騎士達が存在している王国。本当に小さな国であるが、激動する現代の世界を独立を貫いた。
冷戦時でも両大国にどちらにもつかずに国を安定させたほどの国家。
王国内の政権が何度も変わっても国が安定している。
日本とは既に50年前に国交を結ばれているが、知名度は低くてあまり話題にはならない。
「‥‥。」
「大輝?おい?大丈夫ぜよ。」
「‥‥しっかりしろ。大輝」
いつもなら一つ位ふざけて言う大輝はただ黙々と歩いている。それを心配しているのか、幼馴染みの心と最近知り合った繁は心配している。すると大輝は急に止まって二人に振り向いた。
「‥‥あぁっ。大丈夫や‥‥。」
「いやいや、おんし?ほんに大丈夫かが?汗が流れているぜよ。」
「‥‥。【コク】」
振り返った大輝、暑くもないのに、顔から一筋の汗が流れていて顔は普段よりも緊張しているようにみえる。
「そうか?‥‥すまんがちと‥化粧室に行ってくるわ。」
そういうと大輝は化粧室に向かって歩いて行った。
残された二人は普段とは違う大輝に困惑していた。どんな時でもほぼふざけている大輝だか今回はそうではない。本当に緊張しているのが完全に分かってしまう程に見える。
心と繁は黒服のスーツを身だしなみをチェックをして
「‥‥しかしあん男がそこまで緊張する客なのに、わしら付いてき大丈夫かのぅ?」
「‥‥。」
「珍しくわしらに“手伝ってくれ”と頭を下げてここまで来たのはええんやけども、いざここまで来ると恐ろしくなってきたのぅ。」
「‥‥。」
「しかしまぁ、ルドパンクレー‥‥なんやったけ?まぁいい、先日話していた。その王国の貴族令嬢の三泊四日の日本観光をするのにわしらを駆り出させるとは一体どういうことじゃ?」
「‥‥‥知らん。」
「どんな令嬢だか知らんが、まぁ多少適当にすれー」
「それはあかん!」
「おおっ!?急に後ろから大声を出すな!!」
心と繁が話語りをしていると心の後ろから不意に大輝は声を荒げて言った。
大輝は化粧室で顔を洗ってきて、胸ポケットの中にある香水をかけて戻ってきたようだ。
その直後に大輝は心と繁を廊下に脇に寄せるように連れて小声で
「今回はわざわざ東欧から日本に何も縁もない現王の側近中の側近アルフォンドシュタイン家の令嬢が来ることになるんや!‥‥それになもしこの観光が成功すれば繋がりが出来て俺の”家”がルドパンクレイズ王国の領内で更に商いが出来るかもしれへん。」
大輝は小声でそういうと
「じゃあ!なんでわしらを呼んだんや!おんしの家の付き人を呼べばええやろ!関係ないやろ!」
心は最もらしいことを言った。そんなことで駆り出された俺達のみになれ!せっかくの高校最期の夏休みをこんな事をしやがってと思っている。
「‥‥。」
繁はただ喋らない。喋らなくて表情も変わらない。
「しゃないやろ!俺の付き人になる人が別件で飛ばされて、しかも他のメンバーも親父の方に行っちまったんや!一応準備はしてくれたんやけどな!‥‥それに俺はお前らを誰よりも信頼しているんや。」
「「‥‥‥。」」
「そう。今回の俺の心の清涼剤にー」
「帰る。」
いい終わる前に帰る心。
「待て待て。ここまで来て逃げるのか!」
「やかましい!何が心の清涼剤じゃ!やってられん帰る!」
そういうと心は回れ右をしてそのまま帰ろとしようとしたが、大輝は左手で心の右手を掴んだ。
「俺達はどんな死線を乗り越えた仲やろ!云わば戦友みたいなもんやろ!」
「離せ!アホ!」
「じゃあこうしよう!今回の観光が成功すればお前と繁にも更に追加で欲しいものを上げるから!なぁなぁ!」
「うそこけ。」
「あっ!心!俺がお前に嘘をついたことがあるわけないやろ!」
「8:2で嘘の方が多いぜよ!ええから離せ!」
「‥‥はぁ。」
結局このやり取りが数分続いてなんとか納得させたが、約束の時間が多少過ぎてしまった。