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『クレイドル』 ―少年コウの物語―  作者: みゃも
【第八話】『クレイドル スペシャル!』 《カナワン・ホースキンの夢と小さな命》
37/38

《カナワン・ホースキンの夢と小さな命》 ―10―


          それから10日後……。


「コウちゃん、酒や酒!!」

「はぁーい!」

「イカとエビくれっ! 大御所もやで!」

「はいはいはいはいはいはいはいはい!!」

「お前らなぁー。あんだけ『大事にしよう』、とか言うとったクセしてなんやぁ? コウちゃんは病み上がりなんやど。もうちょっと(いた)わりぃ~なぁ!

んでもって、コウちゃん。オレにも酒、追加ねっ♪ イカとエビもやど♪」


  ──ゴンンッツ!!☆☆


「お前がな!!」

「全くやぁー!」

 それでそのおっちゃん、メチャめちゃみんなからド突かれとる。

「ナハハハハ♪ 自分的には、注文多い方が儲けて助かるんやから。遠慮されると逆に困る♪

なにせ長いコトさぼってたからなぁ~。稼がんと、今は家計が大変なのや♪

だから、ジャンジャン! 遠慮なんかせんで、注文したってやぁ~」

「そぅかあ? ほんなら、ワシも酒な♪」

「オレには、イカくれ! コウちゃん特製のお好み焼きもひとつ頼むわ♪」

「はいはぁーい!」

 

 あのあと、実はおばさんからこんな話をされた。

「コウ。この機会やし、うちに来ん? そしたら、もぅ無理して働かんでもええんよ」

「コウ、そうし!」

「ほんなら、自分も、そうさせて頂きまぁ──す!」

「勘。お前はちゃんと働いて、自立するんや!! わかったかぁあー!」

「なんで自分だけッ?!

これは差別や! 人権無視やぁー!!!」

「知るか、ボケ!」

「アハハ♪ おばはん。気持ちは嬉しいのやけど。でもね、やっぱりもぅちょっと今までみたいに頑張って生きていたのや」

「なんで? コウはいつも、どうして……そう働くことにこだわりますの?

もう十分、これまで頑張って生きて来たやないですかぁ?」

「ぅん……。でもね、うちのお父はんとお母はんが帰って来た時。もし自分が、おばはん家でダラぁ~って生活しとったら、怒られるか呆れられると思うんよ。でも、今までみたいに頑張っていたら。きっと、お父はんもお母はんも褒めてくれると思う。

そやからな、おばはん。自分、このままの感じで頑張って生きててたいのや♪」

「コウ……あなた……」

 なんやおばさん。そこで涙なんか流してる。

 なんでやの?


  ──ガンンッツ!☆


「今の聞いたか?! 勘! お前も少しは、コウを見習わんかいっ。バカタレ!」

他人(ひと)は、他人(ひと)。自分は、自分や!」


  ──ゴンンッツ!!☆☆


「自分に都合の良い解釈でモノを言うな、このバカタレが!」

「ナハハハハ♪」

 そんな感じで話はまとまり、今までの生活を許してくれた。

 そうはいうても、結局、お金もなく。病院代も払えないから。全部、おじさんとおばさんが肩代わりしてくれた。その後の生活費もあるだろうから、と仕入れの代金とか色々と考えて、10万円も貸してくれた。

「こんなのいらへんわぁー! 困るわぁあ~、自分!」

「心配はない。無期限の貸付だわい! 返済の期日もないから、安心せぇえーい!」

「そういう心配やないよ!」

「大丈夫や! 返したら、即、満額貸付の返済期日無しやから。返すだけムダや!

だから、返そうなんてムダなことすなよ! ワシ、その度に、疲れるだけや」

 それはホンマに、ムダそうな話やなぁ~……。


 それからホーキンのおっちゃんは、おっちゃんで。

「もし、よかったら。また、施設の方に戻って来る? ワタシはいつでも待ってるからね♪」

 そう言ってくれた。

 でも、その気はないからムダやで。ホーキンのおっちゃん。

 そやけど……ありがとうなぁー♪ その気持ちに、今は本当に感謝やぁ~♪♪


       みんなみんな、これまで本当に、ありがとうなぁー!

        そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします♪


 それでなぁ……自分、つくづくこう思うたのや。やっぱりここが、自分にとって一番の『クレイドル』なんやなぁー、てな♪ だからこれからもここで自分、頑張って生きてゆこうて思うてる──♪


     よーし! 頑張って、ドンドン幸せに自分、なったるどぉー!!



 そう思い見上げる星空は、それはとても澄み切っていて、そんなコウの心を明るく照らし満たしてくれていたのである――。






 ここまで読んで頂きまして、みなさま大変ありがとうございました! 感謝致します。この作品に対する、感想・指摘・評価などを頂けると大変に嬉しいです。

 今後の作品製作に生かしたいと思います。


 このあと、更に今回の『クレイドル スペシャル!』用に用意しました付録がありますので、引き続きどうぞお楽しみくださいませ!



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