《カナワン・ホースキンの夢と小さな命》 ―10―
それから10日後……。
「コウちゃん、酒や酒!!」
「はぁーい!」
「イカとエビくれっ! 大御所もやで!」
「はいはいはいはいはいはいはいはい!!」
「お前らなぁー。あんだけ『大事にしよう』、とか言うとったクセしてなんやぁ? コウちゃんは病み上がりなんやど。もうちょっと労わりぃ~なぁ!
んでもって、コウちゃん。オレにも酒、追加ねっ♪ イカとエビもやど♪」
──ゴンンッツ!!☆☆
「お前がな!!」
「全くやぁー!」
それでそのおっちゃん、メチャめちゃみんなからド突かれとる。
「ナハハハハ♪ 自分的には、注文多い方が儲けて助かるんやから。遠慮されると逆に困る♪
なにせ長いコトさぼってたからなぁ~。稼がんと、今は家計が大変なのや♪
だから、ジャンジャン! 遠慮なんかせんで、注文したってやぁ~」
「そぅかあ? ほんなら、ワシも酒な♪」
「オレには、イカくれ! コウちゃん特製のお好み焼きもひとつ頼むわ♪」
「はいはぁーい!」
あのあと、実はおばさんからこんな話をされた。
「コウ。この機会やし、うちに来ん? そしたら、もぅ無理して働かんでもええんよ」
「コウ、そうし!」
「ほんなら、自分も、そうさせて頂きまぁ──す!」
「勘。お前はちゃんと働いて、自立するんや!! わかったかぁあー!」
「なんで自分だけッ?!
これは差別や! 人権無視やぁー!!!」
「知るか、ボケ!」
「アハハ♪ おばはん。気持ちは嬉しいのやけど。でもね、やっぱりもぅちょっと今までみたいに頑張って生きていたのや」
「なんで? コウはいつも、どうして……そう働くことにこだわりますの?
もう十分、これまで頑張って生きて来たやないですかぁ?」
「ぅん……。でもね、うちのお父はんとお母はんが帰って来た時。もし自分が、おばはん家でダラぁ~って生活しとったら、怒られるか呆れられると思うんよ。でも、今までみたいに頑張っていたら。きっと、お父はんもお母はんも褒めてくれると思う。
そやからな、おばはん。自分、このままの感じで頑張って生きててたいのや♪」
「コウ……あなた……」
なんやおばさん。そこで涙なんか流してる。
なんでやの?
──ガンンッツ!☆
「今の聞いたか?! 勘! お前も少しは、コウを見習わんかいっ。バカタレ!」
「他人は、他人。自分は、自分や!」
──ゴンンッツ!!☆☆
「自分に都合の良い解釈でモノを言うな、このバカタレが!」
「ナハハハハ♪」
そんな感じで話はまとまり、今までの生活を許してくれた。
そうはいうても、結局、お金もなく。病院代も払えないから。全部、おじさんとおばさんが肩代わりしてくれた。その後の生活費もあるだろうから、と仕入れの代金とか色々と考えて、10万円も貸してくれた。
「こんなのいらへんわぁー! 困るわぁあ~、自分!」
「心配はない。無期限の貸付だわい! 返済の期日もないから、安心せぇえーい!」
「そういう心配やないよ!」
「大丈夫や! 返したら、即、満額貸付の返済期日無しやから。返すだけムダや!
だから、返そうなんてムダなことすなよ! ワシ、その度に、疲れるだけや」
それはホンマに、ムダそうな話やなぁ~……。
それからホーキンのおっちゃんは、おっちゃんで。
「もし、よかったら。また、施設の方に戻って来る? ワタシはいつでも待ってるからね♪」
そう言ってくれた。
でも、その気はないからムダやで。ホーキンのおっちゃん。
そやけど……ありがとうなぁー♪ その気持ちに、今は本当に感謝やぁ~♪♪
みんなみんな、これまで本当に、ありがとうなぁー!
そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします♪
それでなぁ……自分、つくづくこう思うたのや。やっぱりここが、自分にとって一番の『クレイドル』なんやなぁー、てな♪ だからこれからもここで自分、頑張って生きてゆこうて思うてる──♪
よーし! 頑張って、ドンドン幸せに自分、なったるどぉー!!
そう思い見上げる星空は、それはとても澄み切っていて、そんなコウの心を明るく照らし満たしてくれていたのである――。
ここまで読んで頂きまして、みなさま大変ありがとうございました! 感謝致します。この作品に対する、感想・指摘・評価などを頂けると大変に嬉しいです。
今後の作品製作に生かしたいと思います。
このあと、更に今回の『クレイドル スペシャル!』用に用意しました付録がありますので、引き続きどうぞお楽しみくださいませ!




