表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『クレイドル』 ―少年コウの物語―  作者: みゃも
【第八話】『クレイドル スペシャル!』 《カナワン・ホースキンの夢と小さな命》
32/38

《カナワン・ホースキンの夢と小さな命》 ―5―


「コウちゃん、お好み焼きくれっ! あと、酒もなぁー!!」

「はい、はい!」

「コウちゃん、酒や! それも大御所やど!! 今日はあるんやろう??」

「ほいっ! おまっとさん♪」

「……ホンマにあったんか。じゃあ、あの噂は本当なんかな……」

「噂て、なんや?」

「……なんでもないわ。とにかく今日は、ワシが酒というたら、大御所をくれ! 今日はそんな気分なんや」

 なんやねん、一体?? まあ儲けて自分、助かるからええけどなぁ♪

「そんならコウちゃん。オレにも大御所や! あと、イカもな」

「あいよっ♪」

 なんや今日はえらい大繁盛やでぇー! 助かるわぁあ~。

 あ、でも……。

「おっちゃん……。さっきから高カロリーなモンばっか食べとるから、野菜たっぷりの《コウ特製お好み焼き》でも食べたがええよ。

心配せんでも、コレ。自分のおごりや! サービスにしといたるからなぁ♪」

「わはは♪ じゃあー遠慮なく、それも頂くよ」

「アホ!! 毎回そんなんやから、儲けが少ないんやろッ?!」

「──!?」

 な、なんやねん急に……隣のおっちゃんが怒りよる。

「なにを怒りよるのや? おっちゃん」

「なんでもないわ……。今日は気分が悪いから、やっぱりこれで帰ることにするわ。

ま……雰囲気を害して悪かったな、コウちゃん。許したってくれ。

コレ、今日の分のお代な。あと、明日も来るから。ちゃんと大御所も仕入れとき!」

「う、ぅん……」

 なんや自分、おっちゃんの気分を損ねる様なコトしてしもうたんやろうかぁ……アレ?

「ちょっと、おっちゃん! お釣り!! これ、メッチャ多いでぇえー!」

「そんな小銭なんぞ、いらん! 邪魔なだけや、とっとき!!」

「小銭、て……」

 5千円は、いくらなんでも大過ぎやろぅ。小銭ていうレベルかぁあ? まあ、『明日も来る』って言うから。その時にその分、サービスしたら良いか♪

 機嫌よぅして貰わんとなぁ~。

「……それはそうと、コウちゃん?」

「ん? なんや??」

「ソレ……ちょっと、コゲてない? 端っこの方、真っ黒の炭になってるで」

「あ……」

 また、やってしもうたわ!!

「だ、だいじょうぶ!! か――かんぺきや!!!」

「え? なにがや??」

「し、知らんの? 今はちょっとコゲてる位のが流行ってるんやでぇ♪」

 大嘘や、最低や、デタラメや!! おっちゃん、ごめん……。

 取りあえずなんとか誤魔化したって、サービスもようして。機嫌よぅ、帰ってもらった。結局のところ今日もちーとばかし赤字になってもうた。

 他のお客さんも帰ったし。なんや自分、疲れてるみたいやし。今日はもう鉄板閉めようかなぁ……。

 と、そんなことを独り思うてたら。

「よっと」

「ん? なんや、ホーキンのおっちゃん。お久しぶりぃ~♪」

「ああ、ハハ♪ 久しぶりだねぇ~」

 2週間振りくらいやろうかぁ?

「最近、あんまり来てへんかったけど。急がしかったんかぁ?」

「うん、色々とね。コウくんの方は、最近どうだったの?」

 最近……は、別として。

「〝今〟は、ええ感じやぁ♪」

「今は?? ということは何? その前はちょっとよくなかったの?」

「……ぅ」

 おばさんといい、ホーキンのおっちゃんといい。どんだけ勘が良いのやら。

「いや、今のは間違いや。手違い、って奴や! 勘違いや!! ずっとええ感じやでぇ~、ホンマに♪ ナハハ!」

「ふぅん……。それならいいんだけど」

 なんやホーキンのおっちゃんも、疑り深い目で見よるなぁー……。とにかくここは、テキトーに誤魔化しとこ。

「取り敢えず、お好み焼き食べるか? 久しぶりやからコレ、特別サービスにしとくわ♪」

「だからそれは、ダメなんだ。ちゃんと払います。あとそれと、イカもください」

「はいなぁー♪ お酒は? 今日は、大御所もあるよ♪」

「いや、このあとまた仕事でね……。コウくんは《銀河惑星連合》の首都星ってどこか、知ってる?」

「え? エト……どこでしたっけぇ?」

 恥や……恥さらしや、自分!

「ハハ♪ 惑星ファシスだよ。ちょっとそこへ1週間くらい行かなくちゃならなくなってさ。

それで今、忙しいし」

「はぁー……。出張ってやつぅ?」

「そうそう♪ 自分はどうも、《オーバードライブ》酔いをしちゃう体質みたいだから。今日の内から体調を整えとかないとね」

 オーバードライブかぁ……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ