表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『クレイドル』 ―少年コウの物語―  作者: みゃも
【第八話】『クレイドル スペシャル!』 《カナワン・ホースキンの夢と小さな命》
29/38

《カナワン・ホースキンの夢と小さな命》 ―2― 


「……それよりも、コウちゃん。そのお好み焼き、ちょっとコゲてない?」

「え? うわ、うわあああああぁぁあああぁッツ!!!

だ、大丈夫やあーッ!! ギリギリ、セーフや! 完璧や!♪ 見事な出来やぁー♪!」

「だ、だいじょうぶて……コレ」

「今、メチャメチャ。一瞬、慌ててなかったかぁ?」

「気のせいや!!」

「そうかぁ?

それにしても、コレ……ちょっと、ホンマにコゲてるよなぁ?」

「さっきの『見事』いうのも、意味わからへんかったど」

 す……するどいツッコミや!

「おっちゃんら、まさか知らんのかぁ!?

今は、ちょっとコゲくらいのが流行ってるのやでぇえー!」

 今のはうそや、デタラメや! テキトーや!! おっちゃんら、ごめん……許したってぇ~。

「え? そうなんか。流行ならちょっとコレ、試してみますわぁー」

「言われて食べてみると、アレやな……。ちょっとコゲてる味も、イケてる気がしてくるモンやなぁ?」

「そう言われてみると、そんな気がしてくるのやから。不思議なモンやなぁ~」

「ナハハハハハハハ!」

 なんややはり物凄く、気の毒に思えてきたわ……。

「頼まれてもない勝手なコトして悪い気がするから。おっちゃんらにもう一枚ずつ、焼いたる。ちょっと待っとってやぁー♪」

 赤字やけど、しゃあ~ないわ。自業自得やモンなぁ~。

「ああ、コウちゃん。そんなにどうせ食べ切れないから、もうええよ。気にすなや」

「うんうん。そのくらいのコト気にせんでええからな、コウちゃん♪」

「そぅかぁ……。あ、それなら代わりにそのお酒、おごりにしといたるわ♪」

「おお。いいの?」

「ええんや!!」

「そりゃ助かるわぁー」

「今日はなんや、結果的にコウちゃんのおかげで儲けた気分やなぁあ~。わっはっは♪」

 自分は大損したけどな。今度からもうちょっと注意して、焼こ……。

「明日から大変やけど。なんやコウちゃんの元気を分けてもらえ気分や、なんか急に頑張れる気がしてきたわ!」

「うん。頑張ったってやぁあ~♪」

「がんばれよぅー♪」

 まぁ、こないなコトくらいで、おっちゃんが頑張れる、言うのやから安いモンやと思うとくわ。

 ホンマは他にもおごってやりたいけどな。自分も今は、生活が苦しいから。これ位までが限界やしなぁー……。お金がないと、気持ちがあっても、何にもでけへんモンやなぁ~。て、つくづく思うわ。

「コウちゃん。景気づけに、大御所くれや♪ これは自分が払うから!」

「え? 悪いのやけど……大御所は今、売り切れてないのや」

「そぅかぁ? それなら、中納言でええわ♪」

「……中納言も今は…そのぅ………売り切れててな。あはは♪」

 というか、買えんのや。恥やなぁ……。

「なんや? そういえばこの前も、なかったやないか」

「そうやなぁ~。最近はそんなにええモンばかり飲んでる景気のいい奴が来てるの?」

「う、ぅん……。まあ……色々とあるのや! ナハハハハハ♪」

 それやと、まだええのやけど。実際は、逆や。景気が悪くてどうにもならんから、仕入れが満足に出来へんのよ。出費も最近は多いしなぁ。

 そうは思うても流石によぅ言えへんわぁ。情けない話やモンなぁ、ホンマに。

「……コウちゃん。実は逆に、仕入れが満足に出来てない、なんてコトじゃないの?」


  ──げえっ!! メチャメチャ鋭い!

 

「あ、まさか……それか?!」

「いや! そんなコト、全然ないよ!! ホンマやでぇー!♪ 楽勝やぁ~♪」

「……うそやな」

「うん……今の、全然の当たりや」

「……」

 なんでそないなコトが分かるのや!? このおっちゃんら……。

「コウちゃんとは、こう見えても長い付き合いやからな。誤魔化しても、ムダやど!」

「そうやな。というか、コウちゃん。

なんでそうならそうと、素直に早く言わなかったんやぁ? 水臭いやないか!」

「い、いや!! そないなコトは全然ないんよ! 気のせいよ! アハハ♪」


  ──ダン!!☆


「コウちゃん!!」

「うわああッツ!?」

 酒が入っとるからやろうかぁ? なんや迫力があって、びっくりしたわ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ