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『クレイドル』 ―少年コウの物語―  作者: みゃも
【第七話】 シンゴ兄ちゃんと封筒
27/38

シンゴ兄ちゃんと封筒 ―3―


「たっだいまぁ~♪」

「おう! 今日はちゃんとメシ喰っといたど、エライやろ♪ 遠慮せんと褒めたって!」

 な、なにが一体、偉いのや? そこで褒める意味もわからんわ。

 見回すと、シンゴ兄ちゃんはもうおらんやった。

「勘兄。シンゴ兄ちゃん、もう帰ったんかぁ?」

「ああ、なんや明日は朝も早よから仕事があるとかでな。20時過ぎたくらいで帰ってったわ」

「ほぅかー」

 最近、帰って来た時にもなんか食べ食べ勘兄と話しとるシンゴ兄ちゃんを見慣れとったからやろうかぁ。今日に限っておらんと知ると、なんや寂しい気がしてしまうわ。

 不思議なモンやなぁあ~。

「それはそうと、コウ。なんかシンゴの奴がお前にって、この封筒をくれたのや。

アイツから中、絶対に開けて『見るなよ』言われてたから、メッチャ無性に気になってたまらんのや。

早よ! 開けて見せぇー♪」

 見せぇーて……つくづく、一体どういう神経しとるのや。ホンマにもぅ。

 それはそうと、シンゴ兄ちゃんから自分にて……なんやろうかぁ?

 封筒を開けて中身を取り出してみると、1万円が入っとった!?

「うわっ!! うわあああああ────っ!?

コウ、待て。それは、ワシんじゃ!! なんかの間違いじゃ!! 手違いやぁあー!」

「うわああああああああ───!!!?」


 ───ゴンンッツ☆!!


 勘兄のアホ、いきなりそう言うて自分に向かい襲って来よったから、思わずドついたった。取りあえずはそれで、場は落ち着いた。

 よく見ると、一緒に手紙も入っとった。

 それにはこう書かれてあった。


〝コウの大将。お疲れさま♪ いつもいつもお世話になりっぱなしで、すまないね。

コレを普通に渡しても良かったんだけど。なんだか照れ臭くってさ。

正直いって、コレじゃ足らないのかも知れないけど。生活の足しにしてください。シンゴより〟


「……。シンゴ兄ちゃん、ええお人やぁあ~~♪」

 なんや自分、感動してしもうたわ、ホンマに。

「くっそぉー! くっそぉおおお───!! シンゴの奴、なんでワシにはくれんのじゃ。これは、えこひいきや、あんまりや! 差別や!! いつも自分がおごっとるのに、なんでや、あのアホっ!!」

「………」

 人間、こうはなりたくないモンやなぁー……。て自分、つくづくそう思うたわ。



 それから数日後……。

「あ、アカン……。どう考えても、どの道、赤字や」

 そう思う自分の後ろの居間で、シンゴ兄ちゃんは食べ食べ、勘兄はガハガハ♪と笑い。

「おごりや、おごり。全部ワシのおごりやから、今度はワシにもなんかくれっ! くれぇ~~っ♪」

と言いよる。


「はぁ~……。どないかならんのやろうかなぁ、アレ……」

 つくづく不幸な人生や……。思わずそう思うてしもうたわ、ホンマに。





          『―コウの歌―』~愛さえあれば~


     愛さえ、あ・れ・ば♪ 生きて、ゆけ・るっ・さっ♪

     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~♪

     心が、いっまっは(今は)、【HOP】な きっぶっんっ(気分)! 

     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪


          不安なことも時にはあっるー

          泣きたいことも時にはあっるー

          そんな時は笑って遊んでぇ~

          そんな思い、弾き飛ばそうよ!


     愛さえ、あ・れ・ば♪ 生きて、ゆけ・るっ・さっ♪

     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~♪

     心が、いっまっは(今は)、【HOP】な きっぶっんっ(気分)! 

     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪


     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪



   

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