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『クレイドル』 ―少年コウの物語―  作者: みゃも
【第七話】 シンゴ兄ちゃんと封筒
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シンゴ兄ちゃんと封筒 ―2―


「おばはん、こんにちは~♪」

「あら、コウ。いらっしゃい♪ 今日もいつもので良いの?」

「ん、ぅん……」

 お好み焼きの材料に、イカとエビの入った箱を、おばさんがタマの荷台に載せてくれた。

「お酒の方は、どないしはる? まだ、足りてますの?」

 最近、ここのところ注文して来ないから、おばさん気にしてくれたみたいや。

「あはは♪ 3……いや、5千円のアレを一本ください♪」

「はい♪」

 し、しもた……つい、見栄を張ってしもうたわ! 3千円の安いのにしようと決めていたのに、アホや自分。

「えーと……全部で……1万と3千4百……その下の細かいのは、端折(はしょ)って無しにしときましょう~♪」

 

 ───えええええっ!? た……足らんわ。ないっ!!


 もう心臓バクバクで今にも止まりそうや。どないしよ、どうしよ? ツケかぁ? そしたら家計苦しいの、おばさんにバレる。それ困る!

「んー。でも、コウには更に特別で千円オマケして。1万と2千円にまけときますわぁ~♪」

「──!!」


 ──た……助かった!!


「コウ一人、いつも頑張ってるから。おばさんも少しくらいは協力したいんよ。そのくらいなら、ええよね?」

「うん、うん!!! いつもいつもありがとな、おばはん! このご恩、一生、忘れへんから!!」

「え?……なんやの、コウ。そんな、ご恩て……何もそこまで、オーバーに思わんでもええんよ」

「うん……ぅん!」

「なんやの、コウ……。どうしたの今日は? なんやあるのやったら遠慮せんで言うんよ」

「うん、うん♪ ありがとな、でも大丈夫よ!」

 おばさんの優しさに、思わずもう泣きそうやった。


「ほいじゃ、また明日ぁあ~♪」

 そう言うて、いつもみたくスピード違反でいった。




「コウちゃん、酒くれ! 酒や!」

「あいよっ!」

「コウちゃ~~ん、イカとエビや♪ 早よし!」

「はいはいはいはい!」

「コウちゃん、酒な♪ 今日はあの高いヤツをくれっ♪」

「大御所上がり……は、今、売り切れてないのや。悪いけど、この中納言で我慢しとってやぁ~」

「……ほぅか。昨日、クジでお金入ったから折角やと思ったんやけどなぁ。それならそれでええわ」

「はいなぁー♪」

 お客さんの中には、自分に気使ってくれる人もおる。それを感じて、嬉しいて感じる時もある。こんな気持ち……うちの勘兄には、きっと、理解できんのやろうなぁー……?





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