シンゴ兄ちゃんと封筒 ―2―
「おばはん、こんにちは~♪」
「あら、コウ。いらっしゃい♪ 今日もいつもので良いの?」
「ん、ぅん……」
お好み焼きの材料に、イカとエビの入った箱を、おばさんがタマの荷台に載せてくれた。
「お酒の方は、どないしはる? まだ、足りてますの?」
最近、ここのところ注文して来ないから、おばさん気にしてくれたみたいや。
「あはは♪ 3……いや、5千円のアレを一本ください♪」
「はい♪」
し、しもた……つい、見栄を張ってしもうたわ! 3千円の安いのにしようと決めていたのに、アホや自分。
「えーと……全部で……1万と3千4百……その下の細かいのは、端折って無しにしときましょう~♪」
───えええええっ!? た……足らんわ。ないっ!!
もう心臓バクバクで今にも止まりそうや。どないしよ、どうしよ? ツケかぁ? そしたら家計苦しいの、おばさんにバレる。それ困る!
「んー。でも、コウには更に特別で千円オマケして。1万と2千円にまけときますわぁ~♪」
「──!!」
──た……助かった!!
「コウ一人、いつも頑張ってるから。おばさんも少しくらいは協力したいんよ。そのくらいなら、ええよね?」
「うん、うん!!! いつもいつもありがとな、おばはん! このご恩、一生、忘れへんから!!」
「え?……なんやの、コウ。そんな、ご恩て……何もそこまで、オーバーに思わんでもええんよ」
「うん……ぅん!」
「なんやの、コウ……。どうしたの今日は? なんやあるのやったら遠慮せんで言うんよ」
「うん、うん♪ ありがとな、でも大丈夫よ!」
おばさんの優しさに、思わずもう泣きそうやった。
「ほいじゃ、また明日ぁあ~♪」
そう言うて、いつもみたくスピード違反でいった。
「コウちゃん、酒くれ! 酒や!」
「あいよっ!」
「コウちゃ~~ん、イカとエビや♪ 早よし!」
「はいはいはいはい!」
「コウちゃん、酒な♪ 今日はあの高いヤツをくれっ♪」
「大御所上がり……は、今、売り切れてないのや。悪いけど、この中納言で我慢しとってやぁ~」
「……ほぅか。昨日、クジでお金入ったから折角やと思ったんやけどなぁ。それならそれでええわ」
「はいなぁー♪」
お客さんの中には、自分に気使ってくれる人もおる。それを感じて、嬉しいて感じる時もある。こんな気持ち……うちの勘兄には、きっと、理解できんのやろうなぁー……?




