ゲショ鯛とシンゴ兄ちゃん ―5―
「まあ、昨日のイヤなことは喰って喰い散らかして忘れてまえ!
運悪く、今日に限って冷蔵庫の中。スッカスカで、申し訳ない始末な話やけどなぁ~」
ちょっ!! ちょい待ち! アホ言うなや。昨日、一週間分や思うて沢山買い込んで積め込んどったばかりやど!
「もう、こんなつまらんモンしかないけどな」
つ……つまらん、てなぁ……。それ、自分の非常食なんやど。
「ワシのおごりや! 遠慮せんで喰え。喰えっ♪ 遠慮すなっ♪」
ちょい待ち……今、『誰のおごり』やと言うた?
「やあー。何だか悪いなぁー。それじゃありがたく、頂くよ」
はぁ……そうは思うても、よう言えへんわぁ。
まあ、ええ。事情が事情やしなぁ~、今回はそういうことにしといたるか……。
「シンゴ兄ちゃん……」
「ん?」
「それ、おいしいかぁ?」
「うん。美味しいよ♪」
「そぅかぁ……。よう、味わって食べてなぁ?」
「わはは♪ わかってる、分かってるよ」
今日の鉄板での儲け、コレで綺麗さっぱりと消えたかもしれへんな?
そう考えたら、実は、シンゴ兄ちゃんの時給250円の方がまだマシかもしれへんけど。その笑顔に免じて、今日は無しにしといたるわ。
お金なんてもんは、また稼げばいいだけやしな。
しっかし……こんなんでもシンゴ兄ちゃん、自分やのうて、勘兄側に立つお人やなんてつくづく。割りに合わん話しやわ。もう、慣れたけどな。
そして……その次の日の晩──。
「やあやあー♪ また来たよ」
「……あハハ!」
神様はなんてイジワルなことを平気でするのやろう……て、思うたわ。
ホンマに……ドラえもん、助けてやぁー!
自分のこれからの将来、一体どうなるんやろうかぁ……? 誰か教えたってぇー!
その後も連日、シンゴ兄ちゃんは給料の出るその日まで毎晩、うちに来るのだった。
自分……連日、大赤字やど……段々、時給が出るだけ羨ましく思えてきたわ。
その間、勘兄は連日、こう言いよるし。
「ワシのおごりや、おごり。気にすなっ♪」
──流石に、気にもなって来るわぁああーい。ボケっ!!
シンゴ兄ちゃんの手前、よう言えへんかったけど。ホンマにもう、そう思うたわ。
『―コウの歌―』~愛さえあれば~
愛さえ、あ・れ・ば♪ 生きて、ゆけ・るっ・さっ♪
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~♪
心が、いっまっは(今は)、【HOP】な きっぶっんっ(気分)!
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪
不安なことも時にはあっるー
泣きたいことも時にはあっるー
そんな時は笑って遊んでぇ~
そんな思い、弾き飛ばそうよ!
愛さえ、あ・れ・ば♪ 生きて、ゆけ・るっ・さっ♪
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~♪
心が、いっまっは(今は)、【HOP】な きっぶっんっ(気分)!
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪




