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『クレイドル』 ―少年コウの物語―  作者: みゃも
【第六話】 ゲショ鯛とシンゴ兄ちゃん
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ゲショ鯛とシンゴ兄ちゃん ―5―


「まあ、昨日のイヤなことは喰って喰い散らかして忘れてまえ!

運悪く、今日に限って冷蔵庫の中。スッカスカで、申し訳ない始末な話やけどなぁ~」

 ちょっ!! ちょい待ち! アホ言うなや。昨日、一週間分や思うて沢山買い込んで積め込んどったばかりやど!

「もう、こんなつまらんモンしかないけどな」

 つ……つまらん、てなぁ……。それ、自分の非常食なんやど。

「ワシのおごりや! 遠慮せんで喰え。喰えっ♪ 遠慮すなっ♪」

 ちょい待ち……今、『誰のおごり』やと言うた?

「やあー。何だか悪いなぁー。それじゃありがたく、頂くよ」

 はぁ……そうは思うても、よう言えへんわぁ。

 まあ、ええ。事情が事情やしなぁ~、今回はそういうことにしといたるか……。

「シンゴ兄ちゃん……」

「ん?」

「それ、おいしいかぁ?」

「うん。美味しいよ♪」

「そぅかぁ……。よう、味わって食べてなぁ?」

「わはは♪ わかってる、分かってるよ」


 今日の鉄板での儲け、コレで綺麗さっぱりと消えたかもしれへんな?

 そう考えたら、実は、シンゴ兄ちゃんの時給250円の方がまだマシかもしれへんけど。その笑顔に免じて、今日は無しにしといたるわ。

 お金なんてもんは、また稼げばいいだけやしな。

 しっかし……こんなんでもシンゴ兄ちゃん、自分やのうて、勘兄側に立つお人やなんてつくづく。割りに合わん話しやわ。もう、慣れたけどな。




 そして……その次の日の晩──。


「やあやあー♪ また来たよ」

「……あハハ!」

 神様はなんてイジワルなことを平気でするのやろう……て、思うたわ。

 ホンマに……ドラえもん、助けてやぁー!

 自分のこれからの将来、一体どうなるんやろうかぁ……? 誰か教えたってぇー!


 その後も連日、シンゴ兄ちゃんは給料の出るその日まで毎晩、うちに来るのだった。

 自分……連日、大赤字やど……段々、時給が出るだけ羨ましく思えてきたわ。

 その間、勘兄は連日、こう言いよるし。

「ワシのおごりや、おごり。気にすなっ♪」


 ──流石に、気にもなって来るわぁああーい。ボケっ!!


 シンゴ兄ちゃんの手前、よう言えへんかったけど。ホンマにもう、そう思うたわ。







          『―コウの歌―』~愛さえあれば~


     愛さえ、あ・れ・ば♪ 生きて、ゆけ・るっ・さっ♪

     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~♪

     心が、いっまっは(今は)、【HOP】な きっぶっんっ(気分)! 

     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪


          不安なことも時にはあっるー

          泣きたいことも時にはあっるー

          そんな時は笑って遊んでぇ~

          そんな思い、弾き飛ばそうよ!


     愛さえ、あ・れ・ば♪ 生きて、ゆけ・るっ・さっ♪

     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~♪

     心が、いっまっは(今は)、【HOPホップ】な きっぶっんっ(気分)! 

     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪


     ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪




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