クレイドル ―7―
それから三日後……その〝日〟は早くもやって来た。
「こっちお好み焼き一つな! それと酒も」
「はあーい!」
「イカ一つとブタ玉くれ!」
「あいよっ!」
「コウ君、酒や酒! 遅いど。早よし!」
「はいはいはいはいはいはい!!」
「こぼしとるやないかい!! もったいないのぉー!」
「うわああああぁあぁああーん!」
目まぐるしい1日が終わり、家に帰ると勘兄がテレビを見てゲハゲハばかみたく笑っとる。
「おう、コウ。今帰ったんか? ワシ腹減って死にそうや……。早よ、なんか作ってくれ!」
「勘兄。もう二十二時やで。なんでまだ食べとらんのや?」
「あほ。可愛い弟が仕事してまだ食べとらんのに、ワシ一人で喰える訳がないやろ」
……なんやデジャヴな気がする言葉やなぁ。
「勘兄。自分の代わりに、働いてくれるんやなかったんかぁ?」
「あほ。お前が働くのに、なんでワシ働かなあかんねん。ボクちゃん、意味分からん♪」
「でもこの前は働いて……」
「それはお前っ。ワシが働いてるトコ見せとかんと、あんのホーキンとかいうのにお前連れて行かれそうやったからな。それで仕方なく」
し……仕方なく……て。
「やって見せといたんよ。
そうしたらあんのドあほ、また見事に騙されよってからに♪ ナハハハ! あほやあほ♪ ガッハッハッハ♪
自分、天才♪ 策士やぁあ~~♪」
じ、自分……騙されてたんかぁ? もう泣きそうや。
「タマ……悪いけど。鉄板焼き出したってくれるか」
『もう構わんで、ほっとけば? あんなアホ。構うだけ、疲れるだけやど』
「ええから出し……辛子、沢山入れといたるわ」
『ええな、それ♪』
その夜、一人悲鳴を上げとったのが誰やったのかなんて……言うまでもないわな♪
『―コウの歌―』~愛さえあれば~
愛さえ、あ・れ・ば♪ 生きて、ゆけ・るっ・さっ♪
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~♪
心が、いっまっは(今は)、【HOP】な きっぶっんっ(気分)!
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪
不安なことも時にはあっるー
泣きたいことも時にはあっるー
そんな時は笑って遊んでぇ~
そんな思い、弾き飛ばそうよ!
愛さえ、あ・れ・ば♪ 生きて、ゆけ・るっ・さっ♪
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~♪
心が、いっまっは(今は)、【HOP】な きっぶっんっ(気分)!
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪
ほぅ~ら、ボクを~見ぃ~てぇ~ごーーらん~~~~~♪
■本来は、この第五話『クレイドル』で最終回となっておりました。その後、評価などが入ったので追加話を用意し、現在では全八話構成となっております。