やべw地球侵略オワタw
「あれが地球か。噂通りの青い球体ではないか」
宇宙人のボスは不適な笑みを浮かべ、UFOのコクピットから地球を眺めた。
「ボス、五分後に地球に到着する予定です」
「ふむ、分かった。みんなに着陸の準備を整えておけと伝えてくれ」
「はっ、分かりました」
部下の宇宙人――シャルデは席から立ち上がると、恭しくボスに一礼し、コクピットから出ていく。
ボスは地球人共が降伏する姿を思い浮かべ、実に愉快な気分になった。
地球人がどれほどの戦闘力を秘めているのかは知らないが、我らの敵ではない。
「ふはは。待っていろ、地球人共。地球は我らの物になる!」
ボスは高らかに宣言した。
☆☆
UFOは大気圏に突入し、たちまち炎に包まれた。
「おい、何で燃えているんだ?」
「さあ、分かりません」
シャルデは眉間に皺を寄せて首を捻った。UFOは頑丈な素材で出来ているため、燃えたところで耐久性に問題はなかった。ただ燃えている理由が分からず、ボスは少し不安になった。
UFOは炎に包まれながらも、猛スピードで落下し、海に着陸する。海水がUFOの表面にかかり、炎は鎮火した。
UFOのハッチが開き、ボスはシャルデたちとともに海へと入水する。
「美しいところじゃないか。ますます我らの物にしたくなった。さあ、これより侵攻を開始する!」
『はっ!』
ボスの侵攻開始宣言にシャルデたちは返事とともに武器を構える。
ボスは海を泳いで陸地に向かおうとした。
「うわっ!」
部下の悲鳴にボスは反射的に振り向く。部下の一名が海に引きずり込まれるところだった。部下が消えた水面に緑色の血が浮かび上がる。
「気を付けろ! 海に何かいるぞ!」
ボスはレーザー銃を海に向け、引き金に指をかけて身構えた。部下たちも武器を構える。
海面に影が見えてボスは即座に引き金をひき、レーザーを放つ。勢いよく放たれたレーザーは海の中に消えるが、当たりはしなかった。
「くそ、外した!」
ボスはレーザーを連続で放った。しかし、相手は素早く、まったく当たらない。その間にも部下たちは次々に海に引きずり込まれて姿を消していた。
得体の知れない相手にボスは背筋がゾッとした。
「いったい、何者なんだ?」
ボスがポツリと呟いた瞬間、海面から灰色がかった背中に真っ白なお腹で、三角状に尖った背びれが特徴的な鋭い歯の生き物が姿を現した。
「なんだ、あれは?」
反応する間もなく、部下が上半身を食われて海に沈んでいった。得体の知れない生き物は海面に潜り、たちまち見えなくなった。
「もしかしたら、あれが噂に聞くサメという生き物なのかもしれません。噂で聞いた外見的特徴は一致しています」
シャルデは表情を強張らせながら、ボスに囁く。
「サメか。聞いたことはあるが、これほどまでにやっかいとは。このままでは全滅する。撤退するぞ!」
ボスは僅かに生き残った部下とともに、UFOに乗り込んだ。 UFOはゆっくりと海面から浮上する。
再び海面から背びれが特徴的な生き物――サメが現れてUFOに体当たりしてきた。
UFOはサメの攻撃でバランスを崩し、海へと落下する。
「やばい! このままではUFOが沈む!」
「ボス、大変です! ハッチが開きません。サメの攻撃で壊れてしまったようです!」
「何だって!」
ボスはシャルデの言葉に思わず頭を抱える。UFOはみるみるうちに沈んでいき、サメは何度も体当たりしてきた。
「やべw地球侵略オワタw」
それがボスの最期の言葉だった。
感想頂けると幸いです。




