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黄昏の秋桜  作者: 蒼野 壮太


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6.中学生活の始まり

 中学に進学し、沢田とまた同じクラスになった。へんげは相変わらず別のクラスだった。ブカブカの学ランに重い学生鞄を抱えた僕の中学生活が始まった。

 中学校は低い山の上にあって結構歩く。ゼロ距離だった小学校が懐かしい。へんげの家の裏手あたりから坂がはじまりそこを登っていくと、中学に到着する。その坂は途中で北側からの坂道と合流しており、僕らの南小学校と、北側の坂道を利用して登校する北小学校の元生徒が、一つの中学校に集められるのだ。

 待ち合わせているわけではなかったが、沢田と一緒に登校することも多かった。結局、中学になっても沢田とつるむのだから、このまま一生つるんでいくんだろう。地元で生活する限り、そうなるのが自然だ。

「河合。お前、まだ、ボクシングやってんの?」

「やってるっていうか、父さんに教えてもらっているだけだよ」

「残念だったな。うちの中学にはボクシング部がなくて」

「ジムに所属してたらジュニアの試合に出られたりするんだけどね。でもさ、筋肉がついちゃうとちょっとね」

「ちょっとなによ?かっこいいじゃん?」

「そのうちギター買ってもらってバンドやりたいんだよね。筋肉質だと少しイメージがさ・・・」

「なんだ、それ?」

「バンドやってるやつって細身のイメージあるじゃん?」

「河合ってさ。やっぱ面白いよ。そんな野望を抱いていたなんてな」

「沢田にはボーカルやらせてやるよ。歌、うまいでしょ?」

「いやいや、もしそのバンドがうまく行ってさ。売れっ子になったとするじゃん?う〜ん。うまくいかなかったとしてもだ。俺とお前って、仕事でも一緒ってことになるぜ?」

「ダメなの?」

「ダメじゃないんだろうけどさ。さすがにお互いの顔を長年しかも四六時中見てるのって飽きが来るんじゃね?」

「そうだね。それなら君をバンドメンバーにはしないでおこう。時々会って、心に響くセリフを残していくような、そんな役回りにしてあげるよ」

「かっこいいな。それ」

 夢のような将来の話か、目の前を飛んだ生き物が蝶かコウモリか・・・そんなことを激しく言い争い、朝からぐったり疲れてしまう。それがブカブカの学ランに重い学生鞄を抱えた僕の中学生活の始まりだった。


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