episode4 -怪盗団ライブラ-
初めまして「あるき」と申します。
初投稿になります。
小説書くのは初めてですが、夢に見た物語が面白そうだったので書いてみました。
誤字脱字どころか日本語がおかしいところあると思いますが、ご容赦ください。
三人を追いかけて着いた場所は夜の図書室。
灯りは点いているけど、窓の外はすっかり闇に染まっている。
そこには、昼間とは明らかに空気が違う“異空間”のような静けさがあった。
「えーっと、改めて……ようこそ、ライブラへ!」
先に声をかけてきたのは、眼鏡の少女 -霧島 優里先輩だった。
にこっと笑って、ぺこりとお辞儀をする。
「言霊使いの-霧島 優里! あなたの先輩で、サポートと封印担当。明るく楽しくがモットーだよ。よろしくね!」
……明るく振舞っているけれど、どこかぎこちないようにも感じる。
「朱鷺原 茜。格闘担当。……話は必要なときだけ。以上。」
少し間を置いて、冷たい口調で茜が言った。そっぽを向いたまま視線も合わせてこない。
「まあまあ、自己紹介はそんな感じでいいか。」
槇村先生が椅子に腰を下ろし、資料らしきファイルを机の上に置く。
「さっきも見たと思うがあの影たちは妖異や悪魔と呼ばれる者だ。」
「あいつらが落とした、ペン、ノートとかいわくつきのモノ……つまり“呪物”の大半は、妖異や悪魔がこの世界へと侵入する“扉”になっている」
「もしくは妖異の“核”担っていたりして、周囲に被害を撒き散らすんだよね〜」
霧島 優里先輩が、先生の言葉を軽やかに引き継ぐ。
健一は黙って聞いていた。どこか──耳に覚えのある話だった。
「私たちの役目は、それら呪物を“盗み”回収そして封印すること。だから、怪盗ってわけ」
「でも……怪盗って、わざわざ名乗る必要あります?」健一が尋ねる。
「ふつうに回収すればいいじゃないですか」
「ふつうに回収できるなら、誰も苦労しないさ」
先生が苦笑する。
「呪物が異世界の“扉”になってる場合、周囲に結界を張っていたり、複数の妖異が守っていたりする。正面突破では、被害が広がる可能性が高いの」
「だから少数精鋭で潜入、回収、撤退──“盗み”のスタイルが一番合理的なんだよ」
優里が言いながら、指で自分の仮面を軽く持ち上げる。
「あと……うちの装備開発部の人間がノリでコスチュームまで仕立てたら、こうなったの」
先生が溜め息まじりに肩をすくめる。
(やっぱ変人の集まりじゃねえか……)
健一は心の中でだけツッコミを入れた。
先生が指を鳴らすと、本棚がスライドして、隠し通路が現れる。
「この学校は“ライブラ”の支部のひとつ。俺たちは“フィールドチーム”として現場に出る役目を担っている」
そして、先生は静かに言葉を続けた。
「加賀──お前の“目”は、普通じゃない。妖異を見て、動きを追い、対処できる。それは“向こう側”の人間の才能だ」
健一は、ふと視線を落とした。
思い出すのは──母の死。
誰にも説明できなかった。
あの夜、確かに“何か”が見えていた。
黒くて、おぞましくて、形容できない“何か”が──母に取り憑いていた。
「……もし、俺があの時……見ただけじゃなく、どうにかできていたら」
ぽつりと呟いた健一に、先生は優しく言った。
「答えは、これから探せばいい。ライブラの一員として、な」
健一は黙って隠し通路を見つめた。
その先には、まだ見ぬ真実がある──そう思った。
「……説明はわかりました。じゃあ、聞かせてください。次は、俺に何ができるのか」
その声に、霧島 優里と朱鷺原 茜がわずかに目を見開いた。
「ふふっ、いい返事」
優里がいたずらっぽく笑い、
「……足手まといだけは、やめて」
茜が、いつものようにそっけなく呟いた。
隠し通路へ向かって歩きだす。
こうして、加賀健一は──
怪盗団“ライブラ”の一員となった。
ご覧いただきありがとうございました!
せ、説明回!伝わってくれ()と願うばかりです。