episode2 -静寂、崩れる-
初めまして「あるき」と申します。
初投稿になります。
小説書くのは初めてですが、夢に見た物語が面白そうだったので書いてみました。
誤字脱字どころか日本語がおかしいところあると思いますが、ご容赦ください。
「……後ろ、下がって。足手まといだから」
少女──朱鷺原 茜はそう言い残すと、立ち上がり、血のにじむ手でグローブを締め直す。
その動作に一切の無駄はない。まるで呼吸するように、自然に「戦い」をこなしている。
目の前にいるのは、異形の存在。
人の形を模した黒い影。 数は三体。
健一の右目が脈打つように痛む。
レンズを通すまでもなく、あれらが“この世のものじゃない”ことは明白だった。
──ドンッ!
影の一体が突進する。
茜が冷静に一歩前に出て、拳を構える。
「はっ!」
そして、拳が影を断つ。
その拳は淡い光を帯びていて、
“清めの一撃”が、影を一体吹き飛ばした。
だが、残りの二体が健一の方へと狙いを変える。
(……やばい、俺が狙われてる!)
心臓の鼓動が高鳴る中、健一は近くに落ちていた校庭用のホースリールに目をつける。
「うおおお!!!」
勢いに任せホースリールを拾って影の足元へ滑り込み、ホースを足へ巻きつけたまま引き倒す。
ドンッ!
一体が転倒し、茜の拳が即座に打ち込まれ、浄化の光が弾ける。
二体うち一体はすでに茜が倒してくれていたことに遅れて気づく。
「……偶然じゃないでしょ。あんた、見えてるの?」
ようやく茜が正面から健一を見た、その時だった。
「遅れてごめんー!!でも二人とも無事みたいでよかった〜!」
軽やかな声とともに、風に乗って札が舞う。
そこに現れたのは、狐のお面をつけた少女だった。
言霊と札を操る彼女は、軽口を叩きながらも、妖異の影を封じていく。
「“閉じよ、声なきもの”。《封札・黙印》!」
札が光を帯びて影を飲み込み、もがきながらその姿を消した。
影だったモノからはノートとペン、消しゴムがポロリと落ちた。
ご覧いただきありがとうございました!!