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無能とメイド  作者: 乾物
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僕の物語が始まった。

「はぁ、無能だった。」

13歳の成人の年にスキルを授かる事が出来る。

でも、僕はスキルを習得できなかった。

貴族の我が家での僕の扱いが酷くなったのも仕方がない。

家族のご飯もなくなり、家族も無視をし使用人も僕の存在を無いものとして接している。


食事もまともなものが出されず、今日も味気のない栄養もない食べ物を出されため息がでる。

「美味しくない。」

塩っけもなく、何か余り物をごちゃまぜにした何とも言えない食べ物を...。

ため息しか出ない。


この世はスキル有無でその価値が変わる。

父は、剣士のスキルを授かり戦場で活躍し騎士なり男爵の爵位を授かった。スキルも昇華し剣聖を授かった人だ。

兄も、剣士のスキルを受け継ぎ期待されてる。

弟も、もう時期スキル判定の儀式をする。

もし、弟がいいスキルを授かった場合、僕はこの家から追い出されるかもしれない。

これから僕はどうなるのだろう...。

そうならない為にもチャンスにかけないと行けない。


「よし、行くか。」

今日も、一途の望みにかけて敷地の裏の林の中に進んで行く。レベルという物が存在する。レベルが上がるとごく稀にスキルを習得出来るからだ。

成人の儀式後、父は剣を教えてくれなくなった。

諦められない僕は、レベルアップを目指し剣士のスキルを得られる事を目標に、今まで教えてくれた剣術の練習に裏の林に来て鍛錬をするのが僕の日課だった。


「はぁ、はぁ。」

剣術の型を一通り練習し終えた。

「剣士のスキル覚えたいなぁ。」

「レベルアップには魔物倒さないと行けないし...。」

弱い部類の魔物でも死ぬ危険性がある。

有名所ではゴブリンだろうか、ゴブリンは子供サイズの魔物が木の棒や剣を持った存在らしい。

一体一なら大人なら勝てる見たいだ。複数でこられた場合、戦闘系のスキルを持たない場合死ぬこともあるらしい。


ガサガサ。音が聞こえた。

そう、振り返った僕はゴブリンに出会ってしまった。目があった。三体のゴブリンさんに。


「うわぁあああー」

思考が追いつく前に足が動き出した。

やばい、やばい、やばい、やばい。

僕は持てる限りの力を使い走った。

やばい、やばい、やばい、やばい。

仕事回路はやばいで埋め尽くされている。

何故か屋敷の方角からゴブリンが来てしまっている。その反対にしか逃げる事しか出来ず...。

とにかく、やばい状況である。


「やばい、やばい、やばい。」

息も切れ切れに僕は走った。

何分、何十分走っただろうか...。

まだ、追ってくる。

やばい、やばい、やばい、やばい。

死にたくない。死にたくない。

僕は走った、走れる限り。

草むらを抜けた先は谷だった。

僕は転がり落ちた...。


「いったっ。」

足首を挫いてしまった。あちらこちら身体も痛い。

痛い。でも逃げないと、アイツらがやって来てしまう。痛い足を引きずり、必死で逃げる。

まだ、追ってくる。

そろそろ体力の限界だ...。

死ぬ、僕は、こんな所で死んでしまうのか。

嫌だ、嫌だ、嫌だ。

父に認めて貰いたかった。母に愛されたかった。

スキル判定の儀式まで優しかった両親に...。

死にたくない、死にたくない、まだ僕はやれる、ぜったいスキルをさずかって、両親や兄に認めて貰いたい。


「あっっ。」

何かに、躓いてしまった。

やばい。やばい。やばい。

早く起き上がらないと。

「ギィィ。」

ゴブリンが僕の側まで来てしまった。

「助けてー。死にたくない。」

「誰か誰か助けてー。」

倒れて起き上がる事も出来ずにいる僕の周りにゴブリンが囲いこんで、ニヤニヤしてる。

死にたくない、死にたくない。

「誰か助けてーーーー。」

ボサボサ、ガサガサ。

僕が躓いた土が盛り上がった。

何が起き上がる。

その影は、振り返ったゴブリンを吹き飛ばした。


「大丈夫でございますか?」

とても綺麗で美しい女性のメイと僕の初めて出会いだった。


「大丈夫でございますか?」

綺麗な人だった。とても美しくこんな美人見た事無かった。トキーン。心臓が高鳴る。

初めての感情がおしおせてくる。ドキドキする。

「はっはい。」

「大丈夫です。」

ドキドキする事で痛みも忘れ僕は見とれていた。


「怪我をなさっておりますね。」

「ヒール。」

暖かい魔力が僕を包み込んだ。

痛みが消えていく。

「あっありがとうございます。」

「貴方は?」

「私は、オリジナル特化型万能メイドのM1です。」

「初めまして、僕は、ソンナコトアルカイナ男爵家次男のソンナコトアルカイナ・ノウナシーです。助けていた抱いてありがとうございます。」

「この御恩消して忘れません。」

「当たり前の事を私はしただけです。どうぞお気になさらずに。」

「いえ、この御恩消して忘れません。」

「M1さんは何故こんな所に?」

「地面から出てきた見たいですが?」

「私は、1万2044年前にエネルギーがつきかけスリープモードでこの地にいました。」

「ようやく人に出会えて、私は起動いたしました。」

何言ってるのか、僕わからないんですけどーーーー。土から出てきたのにめちゃくちゃキレーなんですがー。

「あっそうなんですか...。」

「あの1万2000年ってどう言う事ですか?」

「はい。私は、1万2044年前の文明のアンドロイドでございます。」

何言ってるのか、さっぱりわかんないんですけどー。

「アンドロイド?初めて聞く言葉なんですが?」

「今の文明世界では存在しないみたいでございますね。」

「人間に似せて作られた、特別製の人形です。」

「人では無いのですか?」

「はい。オリジナル特化型万能メイドです。」

「では、M1さんはこれからどうするんですか?」

「M1は名前ではありません。型番です。マスターが決まる前に、以前の文明が無くなってしまいましたので。」

「無くなったのですか?」

「はい。以前の文明は戦争により滅んでしまったと思われます。」

戦争?滅んだ?何それ?


「名前無いのですか?」

「はい。」

「名前も無いと不便だと思うので。お礼にもならないですが、M1でメイドの格好だから、メイさんと読んでいいですか?」

人形だと言ってたし、名前が無いと不便だと思うし。絶対人ポイし。

「ありがとうございます。マスター登録が完了しました。これから、マスターをお世話させて頂きます。」

「えっどういう事ですが?」

「名前を頂いた事により、私のマスターになりました。末永くよろしくお願いします。」

なんか、マスターにされました。

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