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9話『へい、アレクス、お前の思う感情って何?(エーアイ視点)』

「へい、アレクス。仲間にして下さい」

「なんだその言い方は?」

「これがアレクス様への話しかけ方で一番多いという記録があったのですが、違いましたか?」


 ワタシの名はエーアイ。自律思考型ゴーレム。

 この世に生まれたときからずっと知識を与えられて育ってきた。

 そして、人間の役に立つようにとチャトギプト王国に送られた。

 王国はワタシの案を全て受け入れすぐに実行していった。即実行ですばらしいと思った。

 だが、王国は崩壊していった。

 原因は、人間に感情があることを計算に入れられなかったこと。

 それを理解せずに、最も効率の良い指示だけを出してしまった。

 結果、全てが壊れていった。

 分からないのが、何故その選択を、同じ人間である国王たちが受け入れすぐに実行してしまったのかということ。彼らも人間なのに。


 ワタシには分からないことがある。

 だから、この人の元に来た。

 恐らく人の感情を最も知る男。アレクス。

 彼ならば。


「へい、アレクス。心とはなんですか?」

「分からん」

「アナタにも分からないんですか?」

「分からんから面白いんだよ」

「うむ、その通りだな!」


 アレクスの隣にいるルンが大きく頷く。


「え? お前分かって言ってる?」

「……はっはっは!」

「笑って誤魔化すんじゃねえよ! ばか」


 ルンは非常に豊かな表情のパターンを持っている。感情豊かなのだろう。

 彼女の行動は予測不能。

 なるほど、彼のいう事はもっともだ。心は分からない。

 だけど。

 だからこそ、人間は不思議だ。

 ワタシはもっとアレクスから心を学んでいこうと思う。


「おい! アレクスの隣はわたしだ!」


 ルンが威嚇の表情でこっちを見ている。

 彼女は、アレクスを愛しているのだろうか。

 だが、それを周りに尋ねるとみな苦笑する。

 曰く、ルンの恋愛感情は赤子レベルらしい。

 であれば、丁度いい。彼女のアレクスへの想いを最初から最後まで見届けよう。

 きっとそれは貴重な記録になる。そんな予感がしていた。




「へい、エーアイ! 隣を譲れ!」

「すみません、よくわかりません」

「へい、アレクスゥウ!」

「すみません、よくわかりません」

次回! 最終話『へい、アレクス、馬鹿って何?』は19時更新予定!


お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


よければ、☆評価や感想で応援していただけると執筆に励む力になりなお有難いです……。


同じコンテスト用短編もよければ!

魔女と魔法少女バディものローファンタジーです!


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