8話『へい、アレクス、村って何?』
「へい、アレクス! 兵だ! また王国の兵が雇って欲しいと来たぞ!」
「またかよ!」
俺は頭を抱える。
あれから一ヶ月。
王国は崩壊の一途を辿っている。
国王とムゥワ、そして、その周りの人間はエーアイの責任を取らされている。
そりゃそうだ。エーアイはゴーレムだ。
失敗しました、ゴーレムがやったことなので許してくださいで通じるはずがない。
しかも、エーアイは感情が無い。つまり、エーアイを責めたところで意味は無いのだ。
しかし、それで納得できるわけもない。
結局、誰か責任を取ることになる。エーアイを上手く扱えなかった馬鹿の責任だ。
今、貴族や民の怒りを一身に浴び続けている。
まあ、当然の報いだな。
俺としては、もうどうでもいい。
ただ、一つだけ。
王国の人間がすっごいこっちに流れてくるだけど!
特に、ルンや第三騎士団の影響か、筋肉共もとい元王国兵が凄い来る。
いや、どんだけ感情のない統率とってたんだよ、ムゥワは!
それで、王国兵が流れてくれば、危険をいち早く察知した奴らや商機を見出した奴らも流れてくる。
今や俺の村は大賑わいだ。
俺の村も、今や立派な村になっている。
村だ。これは村なんだ。
例え、王城より大きな城が立っていたとしても、王都より立派な城壁が出来ていたとしても、どうみても王都より大きな都だとしても。
村は村だ! それ以上でもそれ以下でもないんだ!
「いやー! 村もずいぶん大きくなったなあ!」
うん、馬鹿が言ってるから大丈夫。村だ、村。
どんなに人が増えても村なんだ。
そして、どんなにここが変わっても多分コイツは俺の隣にいる。
「よし、今度はあの森の奥にいるという竜王に挑みに行こう! そいつを倒せば、なんかいいものをくれるらしい!」
なんかいいものってなんだよ。
まあいいけどさ。
「無茶はするなよ」
「分かっている!」
ルンはどんどん進んでいく。
「本当にわかってんのか? ばか」
そう呟きながら、俺は隣に並ぼうと追いかける。
この先に何があるか分からないけど、まあ、俺たちなら楽しめる。
この『村』ライフを。
「へい、エーアイ。これからどうする……? ……ワタシは」
次回! 9話『へい、アレクス、お前の思う感情って何?(エーアイ視点)』は18時更新予定!
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