6話『へい、アレクス、戦いって何?』
「へい、アレクスさん! 聞きましたか~?」
そう言いながら、帝国御用達の商人コガヌがやって来た。
「どうしたんだ?」
「いえね、なんでもここを王国が狙ってるらしいですよ~!」
「はあ!?」
「いやあ、私も驚きましたよ! だって、ここは大陸の端っこ! 攻めようと思っても難しい場所ですしね!」
俺は頭を抱える。
意味が分からない。いや、分かる。分かるのが嫌だ。
多分、ムゥワだ。ムゥワが考えなしにやってくるのだ。
今、王国はかなり大変らしい。
その責任を俺と第三騎士団におしつけようとしているのだろう。
馬鹿か!
頭が痛い。だけど、やることは簡単だ。
「へい、アレクス。迎え撃つんだろう?」
隣にいるルンが笑う。
「当たり前だ。お前なら余裕だろ?」
「ああ! 余裕だ!」
「本物の馬鹿の相手は疲れるけどそれだけだ。軽く蹴散らしてくれ、頼むぞ。お前ら!」
「「「「へい! アレクスの兄貴!」」」」
こうして、ムゥワ達との戦いが始まった。
そして、終わった。
いや、ほんと一瞬だった。
そもそも、ルンは最強。そこに、第三騎士団が加わったらもう無敵だった。
その上、相当な距離を遠征していたので、疲労困ぱい。
周りの村々も最近の王国のひどさを知っているので、奴らに非協力的。
つまり、あっという間にムゥワ軍は壊滅した。
まあ、正直、ほぼアイツが潰した。
「へい! アレクス! 終わったぞ」
そう言ってルンが笑っている。
本当に頼れる相棒だ。
ただ、コイツだけに働かせるわけにもいかない。
俺は、敗走したムゥワを追って、ルンと一部隊を率いて、王都へと向かった。
「へい! エーアイ! どういうことだ!?」
「敗北ということです」
「そんなの分かってる」
「分かってるなら聞かないでください」
「うるさい! どうすればいい!?」
「……提案します。それは……」
「……悪くない。くくく」
次回! 7話『へい、アレクス、お前の考えるざまぁって何?(ムゥワ視点)』は16時更新予定!
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