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短編とかその他

ありふれた言葉が特別になる理由は

作者: 仲仁へび
掲載日:2021/12/30



 たった一言が、忘れられなくなる事がある。

 

 世界には、ありふれた言葉なのに妙に心に残る言葉が存在している。


 それは、どうしてなのだろう。


 彼から聞いた言葉が頭から離れない。

 そんな言葉、耳にする事はあっても、自分に向けて言われる事なんてないと思っていたのに。





 私は、普通の人間。

 目立つ容姿でもないし、愛嬌もない、特別な才能もない。


 町を見回せば、私と同じようなスペックの人間がわんさかいるだろう。

 私より、できる人の方が多いかもしれない。


 それでも、そんな私を「特別な人だ」と言って愛してくれる人がいる。


 彼の目には一体どんな風に私は映っているのだろう。


 私が知らない私の姿が、彼には見えているのだろうか。


「君は特別な人なんだ」


 彼にとってだけの特別。


 他の誰かに言われても、そんなに気にはならないのに。


 彼が放つとまるで魔法のように言葉の見方が変わってしまう。


 きらきらと光を放って、ただの路傍の石ころだったのが宝石みたいに変貌してしまう。


「特別」って言葉。

 それは、意味に反してとてもありふれた言葉だ。


 身近にわんさか存在しているから、言葉通りの意味ではなかなか届かない。


 特別な商品、特別な価格、特別なプレゼント。

 世の中を見渡せば「特別」なはずの言葉がよくあふれている。


 たまに思う。


 そんな風に「特別」って使い回していい言葉だっけ。


 もっと「特別」な時に使うべき言葉じゃなかったっけ、


 なんてそんな事を。


「一生に一度」とか「金輪際」とか「空前絶後」とか。


 言葉の意味に反して、安売りされている事が多いように感じていた。


 だから、なのか。


 私は、「特別」なんて大した言葉じゃないと思っていた。


 でも彼に「特別」だと言われてから、言葉の価値が、見方が変わった。


 元に戻ったと言った方がいいのかもしれない。


「特別」


 その言葉を、まるで宝石のように大切にしたいと思えるようになった。


 胸の中にある思い出の小箱にそっとしまって、ほんのひと時に過去を思い出した瞬間とりだし、そっと愛でて暖かみに触れる。


 そんな宝物のような「言葉」になった。


「特別」という言葉は何も変わっていないのに。


「特別」は私にとって本当に「特別」な言葉になってしまったのだ。


 その理由は、一体どうしてなのだろう。



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