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「炎」第三十一話

城から出てすぐ右の死角を見るまで、僕の心臓は悲鳴を上げ続けていた。

時間にして一分と少し掛かった、予想より早く戻ってこれたが、それでも不安は一切拭えなかった。


「ブレイバさん…」


呼吸を意識しながら、ゆっくりと肺に酸素を取り込む――落ち着け――ちゃんと目の前にいる、無事だ。

だが、僕の背中に乗っているホープは、全く別の方向を向いていた。


「マジかよ……あそこにぶっ飛んでるのって…いや、そんなまさか」


背中からでも震えが伝わってきた、かなり心配だったが、今はこの場から離れることを優先した。


「起きてください、ブレイバさん、ブレイバさん!」

「……ん、ん?」


目を丸くして起き上がったブレイバさん、僕の顔を見るなり怖い顔になって、次の瞬間悲しい顔になって、最終的には。


「お前はそのままホープちゃんを背負って走れ、私は自分で走れる!」


ゆっくりと立ち上がり、ブレイバさんは城の外へと続く門へと走って行った。


「……」


後で怒られるんだろうな、と。そう思いながらほくそ笑んで、僕はその背中を追った。


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