第二章☆未来博物館
翼が繁華街に出かけると、空から一枚のチラシが舞い落ちてきた。
なんとはなしにチラシの印刷に目をやると、そこには「未来博物館」の文字が踊っていた。
街にいくつかある主要ビルの一つで開催されているらしい。
行ってみようか?今日までらしいし。
翼の靴が方向を変えた。
電飾看板がいかにも、という感じで、まだ青色発光ダイオードさえもない時代なのに色とりどりの光がピカピカ光っていた。
翼はせっかくだから、どんなこどもだましでも楽しんで帰ろうと思った。
文化女中器。ハインラインのSFに出てくるロボットのお手伝いさん。ただし、ハリボテ。
「こーゆーのが、未来で活躍するわけね」
語尾が笑いに包まれる。実に微笑ましいじゃないか?
「お客さん、楽しんでますか?」
妙に専門職の人が着るようなピッタリの制服の青年が声をかけてきた。
「まあ。……おたく、どこでこの仕事みつけたの?」
「この仕事?」
「会場案内係」
「ああ!」
青年はちょっと考えていたが、うんうん、と頷いた。
「未来が見れる装置があるんですが、見てみます?」
「へえ!そりゃいい」
黒いカーテンをめくって、小スペースに翼をいざなった。
「ゴーグルをかけてください」
「これ?」
よくできてんなーと翼は感心しながらゴーグルをはめた。
「とりあえず、西暦2000年から」
「?!ノストラダムスの大予言はどうなったの?」
「ガセでしたー」
「うっそーん」
ほんのわずかに進化した町並み。時間はゆっくりと進むらしい。
翼が細切れの未来を見せられている間、さっきの青年と同じ制服姿の数人が別室で翼の様子を見ながら討論していた。
「この時代から時空パトロールの人員スカウトするのに、この人物は適当か?!」
どうなる?翼!