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私の彼氏はVTuber。ただし中の人はいない。【連載版】  作者: 陽乃優一
最終章「せっせとサイリウム振りなさいよ。せっかくのライブなんだから!」
35/36

#32

 ブンッ―――


『カスミ、そろそろ起きる時間だよ』

「……ヒューム・グランザイアは、永遠の存在……」

『また、そんなこと言って……。昨日みたいに、クセ毛のまま登校するつもりかい?』

「……それは、いや……」

『ほら、カスミ、今日はいい天気だよ』


 しゃっ


「んっ! ……まぶし、い――――――」



 ガシャンッ


『ふあああ……。おはよ、ハルト』

『ああ、おはよう、カスミ。ほら、早く銃を降ろして(・・・・・・)

『んもう、ハルトって、小さい頃のお母さんみたい……って、あれ?』


 キュイーーーン


『あれ? あれれ? 私、なにを……って、うわあああああっ!? なんで、なんで私、みこちんに銃を向けてるのよおーーーーーー!?』


 ガシャッ

 ドスッ


『うわあああああああんっ! みこちん、死んじゃやだーーーーーー!』

『霞っ、霞! 元に戻ったのね!』

『元に……? あっ』


 あっ……

 あっ

 ああああああああああああっ!?


『うあああああ! 私に、私に、なんてことさせるのっ!? みこちんを、みこちんを、この手で……!?』

『霞、私は大丈夫だよ!? 大丈夫だから! ほら!!』


 パカッ


「霞ー!」

『みこちん……みこちーん!』


 カパッ


 がばっ


「みこちん、みこちん、みこちーん!」

「ちょ、ちょっと、なんでまたぐりぐりなのー!?」

「ぐりぐりー」


 わいわい


『はあ……。なんとか、なったね』

『っていうかさあ、あいつ、なんか幼くなってね?』

「あー、もしかすると、婆ちゃんの思考パターンを完全に排除した反動かもしれん」

「中学に上がる直前……って言ってたわよね」

『小学生かあ……いや、小学生に失礼だな、こりゃ。っていうか、御子神って朝練で早起きなの、いつもハルトにあんな風に起こしてもらって……ぷっ』

「成瀬くん、今からフェザーズに乗ったまま腹筋したい?」

『もう元通りかよ!』


 もちろんだよ! みこちんに銃を向けたトラウマは残りまくっているけど、それ以外は大丈夫!


 リーン、ゴーン、カーン、ゴーン


『やべっ、また思念波ってやつが来るぞ!』

「霞!?」

「んふふふふ……もう、平気だよ! ね、『ハルト』!」

『ああ、そうだね。ヒュームさんは……』

「ヒュームさんは、もう亡くなっている。そして、『ヒューム・グランザイアの継承者』は……この私、御子神 霞よ!」


 キュイーーーン

 カシャッ

 カシャカシャッ


 ゴウッ―――


「飛行モード、準備完了! 『垂直飛翔(フライ)』!」


 ブオッ――――――!


「時計塔の『結晶体』を、まるごともぎ取って!!」


 グィーーーン


 ドゴオッ!


 ……パラパラッ


「はーい、私たち、特にGNNの中継カメラ(・・・・・・・・・)の前に、持ってきてー」


 ボボボッ、ボッ、ボッ

 ドスンッ


 ゴトリッ


「えーっとお……あっ、あったあった♪」


 ぶちっ

 コトッ……


「武藤さん、これ、なにかわかります?」

「……よく、知ってるっす。これは……GNNで開発した、自律型通信機っす。僻地などに設置して、遠隔で素材収集するためのものっす」

「それが、さっきのようなものすごい精神感応波を放つ『結晶体』に接続されていたということは?」

「……この通信機を通して、高い『同調者』の心を、操っていたっす」

「では、この通信機とやりとりできる人は?」

「……刻まれたシリアルナンバーから、GNN総本部長、現在の東京支局長を兼ねる……キース・フォルティス氏っす」


 ……うん、ちゃんと中継が続いているね。『ハルト』のシミュレーション『ヒュームによる全世界制圧・支配によって、誰が一番得をするか?』の結果は、やはりハルト経由でAHC上層部に送っておいたけど……ちゃんと逮捕のための要員を送り出してくれたかな?

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