#25
うーん。
うーん、うーん。
うーん、うーん、うーん。
「……わかりました。『ハルトの中の人』が誰なのか、教えますよ」
「本当か!?」
「え、いいの、御子神さん!? 話を聞く限り、『特務プラン』遂行にも影響があるみたいなんだけど」
「まあ、そうなんですけど……。あ、武藤さんとスタッフのみなさん、カメラと通信機器の電源をオフにしてもらえます?」
「えっ、インタビューとして撮影できないっすか?」
「それこそ、事が済んだ後にいくらでもしますよ。はい、お願いします」
「むー」
カチャッ
カチッ、ポチッ
「あとは……そうですね、空母内の通信回線も全部遮断してもらえますか?」
「え? 『ハルト』の正体のことなのに、通信回線が使えなくていいの?」
「使えない方が説明しやすいんですよ」
「はあ……。まあ、わかったわ。聞いてたわよね? 遮断をお願い」
「了解しました、少佐!」
あ、技術士官って人の声、ひさしぶりに聞いたような。学校で初めて森坂さんに会った時以来だよね? 空母でもずっと一緒にいたんだけどなあ。
「遮断作業、終わりました!」
「ありがとう。……さてと、御子神さん、何を見せてくれるの?」
「やだなあ、私が見せるのは『ハルト』のことだけですよ!」
すうっ
「フェザーズ全機、受諾準備!」
ブンッ――――――
キュイーーーン
「え!? な、なに!?」
「格納庫から……フェザーズの起動音!?」
「しかも……全部の機体が、反応してるだと!?」
これだけで驚いてちゃダメだよー!
「続けて全機、直立起動!」
グオンッ
ガシャン、ズンッ
「なぜだ!? なぜ、誰も乗っていないのに、動くんだ!?」
「これって、『ハルト』が回線経由で……って、遮断してるのよね!?」
ですよー。だから『説明しやすい』って言ったじゃないですか!
「はーい、フェザーズ全機、せいれーつ」
ドスン、ドスン
ガチャッ、ズンッ
「えええ……」
「なに、これ……」
「いや、壮観といえば壮観だけど……」
よしよし、私たちに向けて綺麗に横並びにできたね!
「それじゃあ、早速1曲目、『バランス・トランス』!」
ぽちっ
~♪ ~♪♪
ドスンッ、ドスッ
ズンズンッ、ガシャッ、ガシャガシャッ
「「「「「「………………………………………………」」」」」」
きゃーっ、やっぱりこの曲いいわー! 『ハルト』の代表曲だもんね! あ、私も一緒に踊っちゃおっと。あ、それ。