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私の彼氏はVTuber。ただし中の人はいない。【連載版】  作者: 陽乃優一
第五章「わかりました。『中の人』が誰なのか、教えますよ」
25/36

#22

ここから第五章です。本日中に全5話を1時間単位で投稿します。なお、この章もロボットは……あれ、出てくるか。ヒドい登場の仕方だけど(謎)。

 ざざーっ


「ええええっ!? これから空母ごと『ヒューム』支配圏に向かうんですか!?」

「正確には、支配圏に限りなく近いところね。具体的には……ここよ」


 森坂さんが地図上で示したのは、パナマ運河である。ここはヒューム支配圏に含まれていない……つまり、パナマ市を制圧したフェザーズ部隊は『ハルト』が無効化できた範囲なのである。


「ここで、みんなを降ろすわ。グランザイア博士(ミーア)とGNNクルーもね」

「そして残りはカリブ海で別の戦艦に乗り換えて……ヒューム本拠地に向かうわけか」

「……博士は御存知でしたね、そういえば」

「ああ。大西洋……といっても、フロリダ寄りの海上にある人工島、通称『アイランド』」


 人類統合組織『ヒューム』の前身となった研究組織のある島。実はミーアさんがヒュームさんと話をするため突き止めたのがきっかけだったのだが、どうやら島自体が極秘だったらしい。だからだろうか、固有名詞の類はなく、単に『(アイランド)』とだけ呼ばれていた。


「だが、我々がそこに向かうのはすぐにバレてしまうぞ? なにしろ、上陸まではGNNのクルーが乗り込んでいるんだからな」

「だからこそよ。おそらく、ヒューム側はフェザーズ部隊をカリブ海に向けて出動させる」

「ああ、そこを『アレ』で一網打尽にするのか」


 ミーアさんが『アレ』と呼んだその装置は、人型搭乗兵器フェザーズの制御の(かなめ)である『結晶体』を無効化するもの。私から『コマンド群』を根掘り葉掘り聞き出したミーアさんが設計し、空母にいる研究者たちの総力を上げて作り上げ、私たち4人が念入りにテストしたもの。正式名称は、単純に『無効化装置(キャンセラー)』である。


「『結晶体』の素性が未だよくわからないからアレだが……少なくとも、ほとんどの動きは抑えられるはずだ。コマンド群を基にしたケースバイケース対応だから、『ハルト』やカスミが知らないコマンドがあった場合はアウトだがな」


 『私』が知らないコマンドかあ。実は、その可能性もあるんだよねえ。たとえば……ヒューム側には『結晶体』がたくさんあるんだよね? 数や量が圧倒的に多い場合の効果、というのは、さすがの私もわからない。この辺を見誤ったら『特務プラン』は失敗するかもしれない。まあ、その時はその時でなんとかするしかないだろう。


「じゃあ、早くもこの空母とお別れかあ。ほっとするような、さびしいような」

「早くもって、2週間は経ってるよ? おいしい御飯が待ち遠しいんじゃないの?」

「おおっ、そうだった! スシ、テンプーラ」

「なんでエセ外国人のような反応なのよ……」

「そうだぞー。私もそんな喋り方はしないぞー」


 だよねえ。あの言い方って、どこから広まったんだろ?

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