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私の彼氏はVTuber。ただし中の人はいない。【連載版】  作者: 陽乃優一
第四章「地に足がついていないのが落ち着かないだけよ!」
24/36

#21

「……いろいろ言いたいこと、聞きたいことがあるけど……これを先に言うわね。御子神さん、もう勝手なことはしないで!」

「はーい」

「修正だー、歯、くいしばれー」

「えー、私たちって今でも民間人だしー、近くの物を使って正当防衛しただけだしー」

「過剰防衛じゃないかなあ。いやでも、相手は軍人か……」

「そうそう。井上くんもカッコ良かったよ!」

「あ、ありがとう」

「カッコいい正当防衛ってなんだよ」


 今回は、さすがに怒られてしまった。以前の時と比べて、素直に逃げることができたからねえ。ごめんなさい、森坂特務司令官殿。


「霞、本当にもうやめてね? おうちに帰れなくなっちゃうよ……」

「ごめんね、みこちん」

「田町には素直に謝るのかよ」


 うん、そうだよ。謝ったよ。謝っただけ(・・)だけど。


「それじゃ、次は私だ。なんだよ、あの『短槍(スピア)モード』ってのは!」

「えーと、事前に『ハルト』からそういうコマンドがあるって聞いてたっていうかー」

「え!? 霞、それ、どういう意味!?」

「ハルトがヒューム侵攻を妨害したってのは聞いたけど、御子神が『フェザーズ』の制御コマンド教えてもらってるって、どういうことだよ!」

「あー。えーと、森坂さん、みんなにも話しちゃっていいですか?」

「もともと、あなたが黙っていたいっていう話だったわよね?」

「あ、そうでしたね。それじゃあ……」


 かくかくしかじか

 ……っていうほどの説明は必要ないね。


「えっ、霞、『ハルト』本人と知り合いなの!? ファンってだけじゃなくて!?」

「うん、リアルでしょっちゅう会ってるし。一緒に踊ったりもしてたよ!」

「おいおいおいおい! AHCのお偉いさんでさえ正体不明で困ってるっていう、あのハルトの中の人とか!?」

「そうだよー」

「そんなあっさりと……。もちろん、それならいろいろと納得できるところがあるけどね……」

「だな。『感染源』は井上じゃなくてお前じゃねえか!」


 めんご。


「……で? それでも今の段階では『ハルト』が誰なのか教えたくないと」

「そうですね。理由は、まあ、わかりますよね?」

「ああ、まあ、そうだな。めぐりめぐって『ヒューム』側に知られたらたまったもんじゃないな。ハルトはやつらにとって最大の脅威だろうから」

「ヒュームの技術をも凌ぐ……というか、ヒュームの技術と類似しているのは、気になるんだけど」

「私はその理由も知ってるけど……ごめんね、やっぱり話せないや」


 話せないというか、話さないことが最大の武器となっているからねえ。


「……わかった。今は何も聞かない。だがな……」


 がしっ


「『ハルト』から聞いた制御コマンドを洗いざらい話せ。いいか? 全部だぞ!」

「はーい」


 まあ、そろそろ頃合いだよね。明日には『特務プラン』が本格発動するから―――

この回で第四章終了です。なお、この章に『設定まとめ』はありません。増えた設定って『短槍モード』だけだし……。ちなみに、おそらくあと二章分で完結する予定です。プロット的には。

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