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私の彼氏はVTuber。ただし中の人はいない。【連載版】  作者: 陽乃優一
第四章「地に足がついていないのが落ち着かないだけよ!」
23/36

#20

 大昔のスパイ映画の予告編で観たようなそれは、さほど高くない位置まで上がったミサイルのようなもの(・・・・・・)が割れた中から現れた。要するに、ミサイルの推進機構を使ってフェザーズ本体を空母の甲板に軟着陸できるよう射出したのである。Gが宇宙ロケット並にすごいことになるから可能性が低いと思ってたんだけどなあ。


 まあいいや、さっさとやってしまおう。


 カシャッ

 カシャカシャッ


 ゴウッ―――


「飛行モード、準備完了! 『垂直飛翔(フライ)』!」


 ブオッ――――――!!


 うわあああああっ、こっちもGがすごいー! そ、そりゃそうか、やってることは同じだもんね!


 ビュッ―――


「くっ……右ライフル、照準設定! 目標、敵ジェット推進機構(スラスター)!」


 ピッ……ピコン


「『銃弾発射(ファイア)』!」


 ドドドドドドドッ


 ぼすっ!


「よし! っと、私の方は軟着陸しないと。『浮遊落下(フォール)


 ぼぼぼぼっ、ぼっ、……ぼっ


 ズンッ


「うん、下を見ずに着陸できたよ! さてと……よし」


 甲板に軟着陸した私の機体の前には、横向きで落下したフェザーズ機体が横たわっていた。あっ、コックピットのハッチが開いたけど、エアクッションのせいでパイロットが外に出られないし。そのまま捕縛してしまおう。


『御子神さん、危ない!』

「えっ……」


 いつの間にか、別のフェザーズが間近に迫っていた。うわっ、潜水艦が空母に着艦してるよ! 直接乗り込んできたの!?


「くっ、回避!」


 ぐらっ

 だんっ!


 ダダダダダダダッ


 チュイン!

 キンッ!


 とっさに機体を背中側に傾けつつ、脚を使って後ろに踏みとどまる。その直後、敵フェザーズから放たれた銃弾が次々と横切る。二、三発ほど肩をかすった。危ない危ない!


『うおおおおおおおっ!』

「えっ、その声、井上くん!? っていうか、さっきのも?」


 銃を装着していないフェザーズ機体が、バールのようなもの……いやあれ、でっかいバールだよね? たぶん、フェザーズ整備に使っていたものだけど、その先っぽの角を、銃を撃ったフェザーズ機体の頭部に突っ込んだ。


 ボスッ!


 ……キュイーン、ウィーン……


 ああ、メインカメラが壊れて右往左往しているのか。


 ガチャッ


 って、ちょっとまてーい! 目が見えないのに銃を乱射しようとするなあ!


ジェット推進機構(スラスター)短槍(スピア)モード!」


 ガチャッ

 シュッ


 ガシッ


「はあああああああっ!!」


 シュバッ


 ボンッ!

 ガランッ、ドスンッ


 よっし、銃弾が出る前に両腕を切り落とせた!


「そんでもって、いつもの腹パン!」


 ごすっ


 ドゴッ……


「ふう、終わった終わった。あっ、潜水艦も捕縛されたねー」


 離脱しようとしていたらしい潜水艦だったが、空母に乗っていたAHC軍兵士の多くに乗り込まれていた。あ、TVクルーのひとりも捕まってるし。アレがスパイかあ。で、そのスパイのクルーを撮影しながらウキウキウォッチング(死語)でリポートしている武藤さん。なんだかな。


「あっ、そうだ、井上くん!」


 かちっ


「井上くーん、大丈夫?」

『だ、大丈夫……』

「助けてくれて、ありがとー! 見直したよー!」

『そ、それは、嬉しいなあ……』


 ………………


 あれ? なんか、反応なくなっちゃったよ? え、もしかして、気絶か何かした? 井上くーん!!

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