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私の彼氏はVTuber。ただし中の人はいない。【連載版】  作者: 陽乃優一
第四章「地に足がついていないのが落ち着かないだけよ!」
21/36

#18

 ウィーーーン

 グワンッ、ガシャン


「っと……動いた」

「わっ、わっ、わーっ!」

「みこちん、おちついてー!」

「そうだぞ田町ー、俺のマネして……うえっ」


 成瀬くんは薬飲んでしばらく寝てなさいよ。機外スピーカーで情けない声垂れ流すのもアレだし。


 とりあえず、井上くんとみこちん(田町美琴)もフェザーズを起動できた。もっとも、ハルト経由で供与された効率化アルゴリズムに基づく精神感応制御システムを用いた上でのことだけれども。デフォルトの状態だと、やはり訓練は必要らしい。時々の気分で同調レベル……つまり、入出力できる制御コマンドの範囲が変わるしね。


「しかし、受諾準備(アクセプト)直立起動(スタンダップ)か。俺たち(・・)が最初動かした時はハルトがやってくれたみたいだけど、割と簡単な『コマンド』で動くんだな」

「そうだねー。効率化アルゴリズムで更に単純になってるから、私たちだけでも簡単に起動できるし!」


 ということにしておいた。私なら最初の時点で、昔ハルトを動かした時のように自由自在に動かせていたけど、現時点では、まあ、手足と指を動かす程度に留めておこう。しかし、ケリとかだけじゃなくて跳ね回りたいなあ。っていうか、歌って踊りたい。


「おい、俺の脚にケリ入れんなよ! 軽くても振動が……うごへえっ」

「ごめーん、前の時の感覚を取り戻したくってー」


 もちろん嘘である。げしげし。


「うおおおおっ! まるで人が動いているかのようっすね!」

「イメージ的には、VTuberアバターのリアル版みたいなものですからねー」

「いやでも、VTuberのアバターって動きがぎこちなくないっすか? モーションキャプチャ経由で遅延もあって」

「そうでしたっけ? ハルトはなめらかだよねー!」


 まあ、今はAIとしてのハルトが直接アバターを動かしているしね! ……まあ、もともとの私の動きも『結晶体』でかーなーりー精密かつ遅延なく制御してたけど。


 っていうか!


「ミーアさん! ちょっと船上走ってきていいですか! そんでもってシュート決めたい!」

「昔の婆ちゃんみたいなこと言うな! カスミ、お前やっぱり婆ちゃんとスポーツ談義しただろ!」


 あー、やっぱり?



 ………………


「艦長、所定位置に到着しました」

「予定通りだな。ふん、軍事行動をマスメディアで垂れ流すなど、愚かな」

「こちらの衛星放送の受信でも確認しました。位置情報などの偽装もないようです」

「なめられているのか? まあいい。ガキ共4人と博士、それと『同志』を確保したら、あとは沈めてしまおう。全員、予定時刻まで待機!」

「了解!」


 ………………

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