5話:彼女の実家は医者1
あっという間に郡山に着いて郡山駅からタクシーで数分のビルも見て、
あのビルの2、3階に父の皮膚科と、母の眼科があるのと指さした。
10分ほどで大きなお屋敷の前にタクシーが止まり里美医院につけてと
、彼女が言うと、タクシーの運転手が、東京のお嬢様ですかと言い、
かしこまりましたと言った。
屋敷から中に入ると玉砂利が敷き詰められて灯籠がいくつかあり庭には
大きな家と鯉が見えた。数分して玄関の呼び鈴を彼女が押した。すると
お母さんと思しき人が元気でしたかと言いながら迎えに出て来た。そして
どうぞ、お上がりなさいと言われ、あがり、長い廊下を行くと、大きな応接間
に通されて、ちょっとお待ちください、どうぞと言われ、革張りのソファー
に座った。
少しして和服の2人の人が入ってきて彼女が、お母さん、お父さん、
ただいま帰りましたと挨拶した。そして彼女が、来年3月、日本大学経済学部
を卒業して就職したら来年の夏にも、ここの秩父太一さんと結婚しますと告げた。
すると彼女の父が、いつも由美子は自分で決めて、ごり押しするのだからと
困った様に言った。
その後、お父さんから学校はと聞かれ中卒ですと答えると、なんで高校に
入らなかったのか聞かれ、高校は金がかかる割に、たいしたことないと思った
からと言った。しかしコンビニで夜働くようになり友人の父から通信教育で勉強
して高校出てないと人様に馬鹿にされると言われ4年かけて卒業したと言った。
働きながらと聞かれ、えーそうですと答えると偉いねと言ってくれた。その後
、父は大きな製鉄会社で夜勤の仕事、母は昼間のスーパーでのパートで、僕が
中学の頃から、炊事、洗濯、料理を手伝い、どうしたら、少ない給料でも、
お金を貯められるか考えて、入る金が少ないなら、出る金を減らして、
入る金以下にすれば、金は貯まると考えた。
どうやって食料品を安く買うか考え半額セール品、賞味期限近いもの、
そのうち小さい子が頑張ってる姿を見て近くのパン屋のおばさんが、だまって
、ビニール袋にいっぱいに詰めたパンの耳、切れ端を無料で譲ってくれた。
すると八百屋の大将も売れ残り、傷物、形の悪い野菜、果物を無料で分けて
くれるようになり、彼らのお陰で家計が黒字になり、毎月、千円、2千円と
ため始めると、自然に金が貯まってきた。
そして中学を卒業し貯めた金で原付バイクの免許を取りバイクを買って動き
回るようになった。その後、18歳の時、友人の父から日本株投資をやって
財産を作れと言われN証券に口座を作り、そのおじさんの言うには株は難しい
から、いくつも売買するのではなく、これだという企業の株を売買しろと言われ
、ソニー株を奨められて、相場がはじまる前の8時半から40分に電話で
指示され、売買を始め700万円の利益をあげた。さすが、じゃじゃ馬娘、
由美子が惚れただけのことはあると言ってくれた。