45話:最終章、息子達の高校合格と希望の光
2018年9月6日3時7分ころに、北海道胆振地方中東部を震源とした、マグニチュード6.7の大地震が発生。最大震度は、震度階級で最も強い震度7の揺れが北海道では初めて観測された。強い揺れによって厚真町を中心に広い範囲で土砂崩れが発生、家屋の下敷きになるなど多くの犠牲者が出た。さらに道内全域が長時間に渡って大規模停電。管内のほぼ全域で電力が止まる「ブラックアウト」が史上初めて起こってしまいました。
トランプ米政権は知的財産権の侵害を理由に7月から9月にかけて、最大の貿易赤字相手国である中国からの年間輸入額のほぼ半分、計2500億ドル(約28兆円)相当の製品に追加関税を発動した。これに対し中国は1100億ドルの米国製品に報復関税を課した。世界1、2位の経済大国間の貿易摩擦激化で、世界経済への影響が懸念されている。
米政権はこのうち2000億ドル分に課す追加関税率を来年1月に10%から25%に上げる予定だったが、12月の米中首脳会談で決めた貿易交渉の間は税率引き上げを凍結する。交渉期限となる来年2月末までに中国が知財権や技術移転強要などの問題で改善策を示さなければ、米国は税率引き上げに踏み切り、対立が一段と深刻化する恐れがある。
やがて、年の瀬も近づいたが、来年は、長男の太郎と謙二が高校受験となる、平沼高校の合格確率80%で、翠嵐高校は75%と判定されて、着実に平沼高校を受験したいと考えていた。理数系は強いが、英語のできが今ひとつで、姉の百合が、一生懸命に、指導していたが、記憶力が、やや弱いことが欠点だったようだ。やがて、2018年が終わり、2019年を迎え、初詣での時、合格絵馬を2人が奉納してきた。
2019年、1月に兄弟そろって、平沼高校の受験願書を手に入れ、2月初旬のテストに臨んだ。両親が着いていき、緊張しないようにアドバイスした。受験後、試験場から出て来て、まー、なんとか合格できるのではないかと2人とも楽観的な話をしていたが、その後、合格発表で、受験番号が見つかり、神奈川県立平沼高校に合格したことが判明した。
その後、2019年3月27日、春休みの最中に、太一の家族全員で、千葉の鴨川にある太一の両親が入っている老人施設に出かけた。朝10時に横浜をエスティマに乗り出かけて、昼過ぎに両親の住む老人施設に到着。そして、長男の太郎と謙二が、平沼高校に合格したことを報告した。直ぐに、施設の人に了解をもらい、両親を乗せて、亀田総合病院の海の見えるレストランに行って昼食をとった。
その日は、春が来たかのような、強い日射しで、太陽の光が波間に差し込み、キラキラと輝いて、まるで、太一の子供達の将来を祝福しているように見えた。そして、太一の両親も血色が良く、元気にしていた。そして、食後、海をバックに、家族全員の写真をレストランの若いウエイターさんに、数枚の写真を取ってもらった。その写真には、うれしそうな、祖父母、秩父健吉と秩父良江の笑顔が映っていた。
それをじっと見ていた、秩父健吉には、幼い頃、食べ物にも苦労した貧乏生活、その後のヤフー株投資での成功で大金をつかんだ事などが脳裏を駆け巡り、太一は、父、秩父健吉と母、良江を抱きしめて、ありがとうと言い、涙を流した。それを見ていた、奥さんの百合子さんや子供達も涙を浮かべた。ちょうど、その時、今後の秩父家の人たちの人生を暗示しているかののように、強い日射しが、彼らの上に差し込んだ。(終了)




