表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

幸福部

 都立北高校はいったいどのへんが北なのかという世田谷区のど真ん中に立っている。そんな北高のまさに北に建っている北校舎はもっぱら部室棟として使われている。その部室というのはもっぱら物置として使われている。何しろ部室の一つ一つは都心のワンルームみたいな狭さだ。更衣室にしても使いづらいこれらを使っている部活動のほうが少なく、部室以外はカビ臭い資料室と陰気な空き教室があるだけで、北校舎というのは人気が少ない。

 だがそんな北校舎に幸福部はあった。部室の前には楠で造られた立派な看板にいかつい筆で「幸福部」と書かれている。部室の中には部員が仕事をするスペースとして中小企業みたいなレイアウトで机が3つ突合されている。そんな部室で双葉正二郎はラッセルの「幸福論」を読んでいた。幸福に関係しているのだから立派な「幸福部」の活動である。その正面では1年生の三宮御子がやたらでかい赤リボンを揺らしながらノートパソコンで何やら打ち込んでいる。人差し指でたどたどしくタイプしているのは

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ