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歩兵兵器(拳銃・機関短銃)

SW式拳銃(1.3㎏・10.8×33.1㎜弾)

陸軍創成期において騎兵用拳銃として導入されたのが、スミス&ウェッソン№3拳銃である。

スミス&ウェッソン№3拳銃は全金属薬莢を全面的に使用した中折れ式6連発拳銃(回転式)である。

堅牢な作りで強力な弾丸を発射可能なこの拳銃は、当時各国陸軍に採用されておりそれに倣った形である。

しかしながら火器の発達に伴い旧式化著しく、現代では主力火器でもないことから予備兵器からも外れている。

一部が民間に護身用として放出した他は、ごく少数が資料館に保有されているのみである。


WS式拳銃(1.1㎏・9×19.7㎜弾)

SW式拳銃は強力な弾丸を発射可能で頑丈で壊れにくい構造をしていたが、その分反動が大きく、またシングルアクション専用で片手での連射性に難があることから騎兵用の新型拳銃が望まれた。

当初、国内設計・国産化を目論み各国拳銃を対象に研究が行われたが、自国の工業水準の低さを思い知らされ、また、おりしも無煙火薬が開発されたことから、海外製拳銃の導入が決定された。

WS式拳銃はウェブリー&スコット社製の中折れ式6連発拳銃である。

全金属薬莢・無煙火薬・中折れ自動排莢機能付き・ダブル/シングルアクションと当時最先端の拳銃であった。

ただし、反動の強さを懸念し、使用弾薬は原形の11.5㎜弾(0.455ウェブリー弾)を9×19.7㎜弾に設計変更している。

騎兵用として導入されたものの、その後の軍制改正により拳銃が他兵科下士官兵にも支給されることとなり、自動拳銃甲・乙が開発・配備されるまで長く主力拳銃の座にあった。

現在は主力拳銃の座は退いたものの、予備兵器として保管され、主力拳銃の不足を補うために後方の治安維持・警備を担う部隊に配備される。

また、その取扱いの容易さ堅牢さ、弾薬の融通性(円形・半円形挿弾子を使えば9.0×17㎜弾も可能)からあえてこの銃を好む士官・下士官も多い。


軽便拳銃(0.4㎏・7.65×17㎜弾)

戦地においては後方部隊や支援部隊と言えども直接戦闘に巻き込まれる可能性は高く、それらの部隊要員の自衛手段の確保が必要とされた。

旧来、そのような部隊には白兵戦闘用に徒歩刀などが配備されていたがあまりにも頼りなく、そのため予備兵器や鹵獲兵器を自衛に用いることも検討されたが、予備・鹵獲兵器と言えども重要な火器であり、またそれらの運用にはある程度の専門知識が必要であることから、より簡易・簡便に取り扱える自衛火器として当銃が採用された。

従来のWS式拳銃を踏襲した中折れ式の5連発回転式拳銃で、弾薬は規格統一のため7.65×17㎜弾を用いている。

元来自動拳銃用の弾薬ではあるが半起縁であるため、回転式拳銃でも使用可能である。

回転式拳銃であるため生産性や整備性も高く、重量400gと軽いが弾薬も軽量小口径弾であるため低反動で撃ちやすい、その反面低威力で少装弾だが後方要員の自衛手段であるため問題ないとされた。

主に前線近くで活動する補助兵や軍属に貸与される。

また、軽量で整備も容易であることから好んで用いる士官・下士官も多い。


自動拳銃甲(0.6㎏・7.65×17㎜弾)

旧来、拳銃を主装備とする騎兵以外は拳銃に関して重要視しておらず、士官は護身用として国内外の民生・軍用拳銃を自費購入・装備していた。

しかし、多種多様な拳銃を用いるのは整備・弾薬の管理の観点から好ましくないため、海外銃を参考に新式拳銃が計画・開発された。

当銃はブローニングM1910自動拳銃を参考に作られた7.65×17㎜弾7+1発装填の自動拳銃である。

他国の主力軍用拳銃と比べると非力である感は拭えないが、妙な小細工をせず参考元に忠実に設計されたため小型・軽量で携帯性に優れ、信頼性や性能も比較的良好、何より安価であることから制式拳銃として採用された。

士官には購入が推奨され、航空兵・戦車兵・衛生兵などに支給されており、陸軍以外に海軍や航空軍にも広く使用されている。


自動拳銃乙(0.8㎏・9×17㎜弾)

自動拳銃甲が士官の護身用拳銃として開発されたのに対し、自動拳銃乙は下士官兵の戦闘用拳銃として開発された。

基本設計は自動拳銃甲と同じくブローニングM1910自動拳銃を参考に作られたが、銃身長とグリップを若干延長することにより、初速と装弾数を増やし8+1発と多くなっている。

軍曹以上の下士官の他、憲兵などに支給されている


機関短銃(4.0㎏・9×17㎜弾)

全自動小銃開発の予備研究『低反動弾を用いた自動連射銃』として計画・開発された。

低反動弾として弾薬供給の観点から自動拳銃乙と同じ9×17㎜弾が使われている。

発射速度が300〜400発/分と遅いものの、その分反動制御が容易で射撃精度は高い。

射撃は連射のみであるが、指切りの具合により疑似的な単射・点射が可能である。

しかし、精度維持のため切削加工が多く、また木製銃床など小銃の名残が各所に見受けられ、生産性の足かせとなっている。

取り回しは容易で近接火力に優れ、射撃精度も高いが、短射程で弾薬消費も多く、生産性にも難があることから、歩兵部隊への大々的な配備はされておらず、陣地や市街地での戦闘が考えられる工兵や憲兵、騎兵銃の代わりとして偵察部隊や機甲部隊などで限定的に使われている。


機関拳銃(1.2㎏+0.6㎏・7.65×17㎜弾)

『近接火力に優れた副兵装』として自動連射機能を有する拳銃である

演習や戦訓の結果、歩兵部隊において近接火力不足が指摘された

近接火器として機関短銃の採用も検討されたが、機関短銃は射程が短く野外射撃戦では主兵器足り得ず、歩兵の主兵装として小銃は欠かせないとして、副兵装たる拳銃を近接火器として用いるべく開発された

銃弾は7.65×17㎜弾で20or30発弾倉が採用された

比較的低反動弾とはいえ拳銃サイズからの自動連射は反動が大きく、ストックを用いたとしても射撃精度は低い、また弾頭自体の威力も低く運用試験時の問題点として挙がっていた

しかし当銃は敵兵の殺傷よりも、近接戦闘時に弾幕を張り敵の攻勢意思を鈍らせ、態勢を味方優位に移行させることを目的としているため、低集弾率・低威力は問題はある程度やむを得ないとされた

歩兵小隊の分隊長を中心に配備されているが、ストック部分を含めて1.8㎏と重く嵩張り、さらに分解整備の手間が掛かると不評で、また拳銃と比較して高価であることから配備は遅々として進んでいない

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