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軍用車両(戦闘車両)

1号軽騎兵戦車

騎兵の機械化を推進するべく開発された戦車

欧州大戦の戦訓から衰退・縮小が目された騎兵であったが、乾坤一擲として戦車に命運を掛けた

それまでの戦車と言えば戦線突破・直協支援を行うべく低速・高防御のものであったが、これを偵察・迂回・追撃と言った騎兵的運用を担わせるべく速力に主眼を置いて開発された

4.5tの車体に60hpのエンジンを搭載し、最高速度は48㎞/hと速い代わりに装甲は15㎜と小銃弾に耐え得る程度でしかなく、武装も7.7㎜機関銃1丁と実に心もとない

また、車体・装甲はリベット打ちで構成されており被弾時の二次被害が懸念され、エンジンもガソリンエンジンであるため被弾炎上の危険性が高かった

それでも4.5tと軽量の車体は高い速度性能・不整地走行性能はもとより、簡便な設備・装備で揚陸・渡河可能など、運用時の使い勝手が良く高評価を得ている

師団の偵察部隊の他、装甲牽引輸送車、各種作業用車両などの派生型がある

重量:4.5t

装甲:前面15㎜・側面10㎜・砲塔15㎜

兵装:7.7㎜機関銃1丁

主機:空冷ガソリン直列4気筒60hp(13.33hp/t)

乗員:2名(操縦手・車長兼射手)

速度:48㎞/h


2号軽騎兵戦車

1号軽騎兵戦車は機動性能こそ満足のいく出来であったが、火力不足・防御力不足・通信能力不足が指摘され、その改良型として2号軽騎兵戦車が開発された

車両設計には一部に溶接や避弾経始など先進技術が導入され、数値以上の防御力を有している

また、エンジンをディーゼルエンジンに変え、被弾時の難燃性と燃費性能を向上した

その結果、車体寸法増・重量増となり、機関出力も倍増したものの速度は若干低下した

火砲も20㎜機関砲もしくは37㎜砲が搭載可能となった他、専属に無線手が配属され通信能力も向上した

軍偵察部隊や機甲部隊(軽機甲部隊)に配属される他、砲兵観測車や120㎜迫撃砲を搭載した火力支援車などの派生型も多い

重量:9.5t

装甲:前面20㎜・側面15㎜・砲塔20㎜

兵装:20㎜機関砲or37㎜砲1門・7.7㎜機関銃1丁

主機:空冷ディーゼル直列6気筒120hp(12.63hp/t)

乗員:4名(操縦手・無線手・砲手・車長)

速度:40km/h


1号重騎兵戦車

2号軽騎兵戦車となって火力も増強されたが、侵攻時に迎撃してくるであろう敵機甲戦力や敵陣地火点に対抗できず更なる火力増強が求められた

しかし、高機動力を主眼とする騎兵戦車には従来の砲兵器では重量過多で搭載が困難であった

そこで目を付けられたのが最新兵器の噴進砲である

噴進砲は従来の砲兵器とは異なり、低反動・低腔圧で軽量化が容易である反面、射程と命中精度に劣っている

射程に関しては高速力による近接戦や伏撃で対応するとされ、命中精度は多連装化によって対応するとされた

具体的には15cm噴進砲が回転砲塔の左右に2門ずつ上下に配置されている

その火力は榴弾であっても中戦車、対戦車専用弾では重戦車をも行動不能に陥れることが可能であると目されている

ただし、大口径ゆえに砲弾重量が嵩み、砲塔内部からに再装填が可能とはいえ、1発装填に熟練者でも20〜30秒、全門装填では2分ほどもかかり、一撃離脱が基本とされている

車体設計にはより洗練された避弾経始や全溶接技術が採用されている

エンジンも重量に合わせて出力を増やしており、既存の騎兵戦車と変わらぬ速度性能を有するが、小型高出力化のため水冷式を採用したため整備性が悪くなった

主に機甲部隊(軽機甲部隊)の火力支援車として運用される

この戦車は従来の騎兵戦車とは異なる運用思想で開発されたため、新たに重騎兵戦車と区分され、今までの騎兵戦車は軽騎兵戦車と区分された

重量:14.5t

装甲:前面30㎜・側面20㎜・砲塔45㎜

兵装:150㎜噴進砲4門・7.7㎜機関銃1丁

主機:水冷ディーゼルV型12気筒200hp(13.79hp/t)

乗員:4名(操縦手・無線手・砲手・車長)

速度:46km/h


2号重騎兵戦車

1号重騎兵戦車の150㎜噴進砲の火力は絶大なものであったが、命中率の悪さと発射速度の遅さ、また防御面においても速度重視の弊害たる低装甲による撃たれ弱さが問題視され、2号重騎兵戦車が開発された

開発に当たっては騎兵としての原点回帰と言うべきか、はたまた懐古主義というべきか、敵陣蹂躙と一騎討ちを夢見るかの如く、火力重視・防御重視・速度重視と非常に欲張ったものであった

コレに加えて重量制限を設けられた設計陣は、苦悩の末に新設計思想による戦車を産み出したのである

機関自体は従来と同じ、水冷ディーゼルエンジンであるが、配置をRF(後方機関・前方駆動)からRR(後方機関・後方駆動)に改め、変速補助のために油圧機構を取り入れている

装甲は前面重視で前面装甲こそは55㎜(傾斜付き)であるが重量の問題から側面は25㎜しか無い

火力は75㎜野砲を改良した75㎜戦車砲を搭載しており、十全とは言えずとも及第点である

そして最大の特徴は、搭載燃料と車内搭載弾薬の外装化である

行軍や継戦能力を考えれば、燃料弾薬は多いに越した事は無いが、それらは被弾時の被害を拡大させる要因でもあり、同時に車内容積を増やし重量増となる

そのため、車内搭載燃料弾薬を必要最小限とし、残りを外装化することによりそれらの問題を解決した

外装化と言っても、車体に燃料槽や弾薬箱を縛り付ける訳ではなく、専用の被牽引車に搭載されている(燃料槽については、車体取り付け型も存在する)

戦車と被牽引車は燃料菅で繋がれており、停車する事なく燃料補給が可能である

結果として、前方の敵には滅法強い(前面装甲と人員の前方配置)が、横後を突かれると頗る弱い(側面装甲の薄さと被牽引車の脆弱性)という正しく胸甲騎兵の如き戦車となったのである

重量:21.5t +4.5t

装甲:前面55㎜・側面25㎜・後方15㎜・砲塔75㎜(前面)・砲塔35㎜(側後面)

兵装:75mm戦車砲・7.7㎜機関銃2丁

主機:水冷ディーゼルV型12気筒320hp(14.88hp/t)

乗員:5名(操縦手・通信手・砲手・装填手・車長)

速度:44km/h


1号歩兵戦車

騎兵戦車と異なり、従来の戦車同様に戦線突破・直協支援を目的とした戦車が歩兵戦車である

1号歩兵戦車は小型軽量・重装甲の歩兵戦車として開発された

リベット打ちとはいえ前面装甲50㎜は敵の対戦車兵器に対し十分な防御力を有しており、速度は16km/hと非常に低速であるが歩兵との協同作戦を考えれば問題無いとされた

エンジンも燃費と炎上対策としてディーゼルエンジンが採用されている

一方で火力が7.7㎜機関銃1丁と貧弱である点と車体設計の余裕が無く発展性に乏しい点が開発当初からの懸念事項であり、開発完了直後に2号歩兵戦車の開発が決定し、2号歩兵戦車の生産開始とともに練習用戦車として運用される事となった

重量:10.5t 

装甲:前面50㎜・側面40㎜・砲塔60㎜

兵装:7.7㎜機関銃1丁

主機:空冷ディーゼル直列6気筒80hp(7.62hp/t)

乗員:2名(操縦手・車長兼射手)

速度:16km/h


2号歩兵戦車

1号歩兵戦車に代わり、機甲部隊(重機甲部隊)の主力を担う歩兵戦車である

1号歩兵戦車の拡大版で装甲も厚さこそはそのままであるが、避弾経始や溶接を取り入れ防御力を向上させ、火力も20㎜機関砲もしくは37㎜砲に増強されている

エンジン出力増に伴い速度もやや向上し、また、低速ギア比を大きくし不整地踏破能力に優れている

機甲部隊(重機甲部隊)の主力として配備されている他、火炎放射器搭載型や105㎜自走榴弾砲、57㎜対戦車自走砲などの派生型も多い

重量:14.8t

装甲:前面50㎜・側面40㎜・砲塔60㎜

兵装:20㎜機関砲or37㎜砲1門・7.7㎜機関銃1丁

主機:空冷ディーゼル直列6気筒140hp(9.46hp/t)

乗員:4名(操縦手・無線手・射手・車長)

速度:22km/h


3号歩兵戦車

2号歩兵戦車は歩兵戦車としてのひとまずの成功を見たが、戦線突破にはより重装甲・高火力の戦車が必要であるとして開発された歩兵戦車である

既存の戦車(歩兵戦車・騎兵戦車)は輸送コストを考えて重量15tに抑えられていたが、15tという重量制限では十分な性能を持たせることは困難であることから、その制限が緩和された

装甲は鋳造砲塔・装甲板溶接・避弾経始を取り入れ、火力は75㎜野砲を改良した75㎜戦車砲または105㎜榴弾砲を装備し、対陣地はもとより対戦車火力としても十分である

機動性も歩兵戦車としては十分な速度を有し、ギア比の調整で超壕・超堤・登坂などの不整地踏破能力も高い

しかし、30t近い重量と各種装備は生産時の足かせとなり数が揃わず、また運用面でも揚陸や渡河などに専門の装備・設備が必要で取り回しに難がある

主に機甲部隊(重機甲部隊)の切り札として配備される

重量:29.5t

装甲:前面80㎜・側面60㎜・砲塔90㎜

兵装:75mm戦車砲or105㎜榴弾砲1門・7.7㎜機関銃2丁

主機:空冷ディーゼルV型12気筒320hp(10.85hp/t)

乗員:5名(操縦手・無線手・砲手・装填手・車長)

速度:22km/h


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