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「段木美姫。貴方を水の女王としたい。宜しいだろうか?」

いきなりの切り替え。女王となる素質と気品を匂わせる。

「喜んでお受けさせていただきます。」

「よろしく頼むぞ」


黙って下がる。


決まった。決まった。私が女王?


他の王、女王が決まっていく。

頭は自分の事でいっぱい。ちゃんとやれる?

出来る?


「今日は解散」

「はいっ。」

気がついたら終わっていた。

解散したあと。隅っこで電話する。

相手は勿論ゆきだ。


プルルルルル・。プルルルルル・。

「おねぇちゃん。どうしたの?」

「私ね・・・・・・・。」

今日話した事を伝えながら自分が水の女王になったことを伝える。

「だから雪は王女様だね!」


「おねぇちゃん。私、

        ワールドには行きたくない。」


えっ?


「嘘って言って。ねぇ。」

「ごめん、話帰ってきてからで。。。。。」


プチン。


切れた。


あのあと、私はどうやって帰ってきたんだろう?

記憶が無い。


気づいたときには、雪と向き合っていた。


「雪?」

「私、ワールドには行きたくない」


「なんで、、、」


「私ね、運動も、勉強もどれも苦手だった・。

でも、その分努力して、やっと今をつかんだ。

将来が見えてきたって時にワールドの話が来て、。」



雪が泣き出す。


「最初はワールドに行っても良いかなって、思ってたの。

でも、友達に勉強を教えたときに、

『雪ちゃん凄いね、将来は何になるの?お医者さん?それとも・・・・・』

って言う感じのことを言われてね、、、、、、、。

急に考え出したの。私、ワールドに行ってもいいのって。

行くって事は自分をこの世界から消してしまって良いって事でしょ。

私消して良いのって。

自分の功績、頑張ってきた努力の結晶。希望を。

消し去ってしまって良いのって。


私気づいたの。

あぁ。私は、自分をこの世界から消し去りたくないんだなって。


だから、私は行かない。この世界で生きていく。」


しゃべりきったところで。雪はもっと泣き出した。

私は抱きしめて背中をさする。


いつの間にか私の頬も涙で濡れていた。


心が、揺れ動いた。




私は、ワールドに行って良いの?




 かなり重い、重すぎる!

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