表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

復讐

「…たかし今度の土曜日お嬢様のお誕生日だけどお前さんも行くかい?」

「……。」

たかしは、ただの普通の男の子…ただ人を愛する心を小さい時に失っている…町では相伴はあまりよくなかった、昔はよく告る者もいたが人を愛するという事を知らないたかしは黙ったままありがとうの一言も言わなかった…そのまま告る者は呆れて帰ってしまうのだ…別に何とも思ってなかった心だけではなく感情までもがないのかと町の人々はそう思った…彼は一人だった母も父も幼い時迎えにくると言い首飾りを受け取ってから会っていない…それから通り掛かったおばさんに拾われ今に至るのである。

「分かったよ…今度も行かないんだね」

「……行く」

そして土曜日。

「イノ姫様のお祝いをこめて祝福を!!!!」

「姫様…今日も美しいわ…イノ姫様!!!!」

「今日は皆さん私の為にお集り下さってありがとうございます。」

「イノ姫様…」

「私も今日で十四になりました。今日は楽しい時をお過ごしください!」

「大人になったな…」

「お父様…私も今日は楽しむわ、ね」

「…ほどほどにな」

「分かってるわ…」

「来たのはいいけど…やっぱ来ないほうがよかったかもな…中は居心地よくないしいずらいし…ん?」

「…貴方…ここで何しているの?」

「あんたもここで何やってんだよ?今日の主役が」

「私は…ただ…あ!そうだ貴方の名前は?」

「…たかし…」「私はイノだけど…そんな事知ってる…よね?」

「あぁ…今日始めて知った…ところで戻んなくていいのか?」

「少し羽を延ばして自由になりたかっただけ…ねぇここにいてもいい?」

「…いいけど」

「…私ね…私本当はずっと逃げたかったのかも知れない…町の人々は好きよ…でもずっと逃げたくて…」

「…俺も」

「え…?」

「俺も逃げたかった…まぁ今もだけどな…」

「なら私と逃げ…る?」

「あんたと?」「ご、ごめんなさい…ちょっと言ってみただけ…」

「…まぁいいけど俺は…別に…」

「じゃ…い…行こう…少しだけなら大騒ぎにならずにすむわ…」

「あ?」

「嫌…?」

「まぁいいけど…」

一先ず二人は森を歩く事にしたのだった。

「私…男の人とこうやって歩くの初めて…」

「…そう」

「ね!たかし君は?」

「…初めて」

「初めてなの?モテそうなのに…」

「……。」「ね?その首飾りって何?この町では珍しいわね…女性はしてるの見るけど男性はしてるの見ないわ!」

「…親から…」

「親から貰ったの?」

「あぁ…」

「大切にしてるのね!」

「大切になんてしてねぇ!俺何回も捨てようとした…けど捨てられなかっただけだ…」

「…ごめんなさい私」

「……。」

「キャ!何かいる…」

「…ただの蛇だよ…」

「わ…私蛇だけは苦手なの…!」

「じゃこうすればいいだろ?」たかしは手を差し延べた

「…ありがとう!たかし君って優しいのね!」

「……。」

「男の人の手って大きいね!私お父様以外触ったの初めて…」

「……。」

「たかし君は?」

「一々煩い女だな…あんたって」

「…だってたかしの事知りたいんだもの…」

「俺の事知って何になるってんだ?」

「それは…」

「俺の事知っても何にもならないだろ?そういうのって迷惑なんだけど…」

「ごめんなさい…」

「あ…おい!」「……。」

「…あいつ何で泣いてたんだ…っていうか何処行ったんだよ…?」

「……。」ガサ…

「…だ…れかいるの…?…た、たかし…君?」

「…ヒヒ」

「…貴方どなた…?」

「わし?わしはただのババァーさ!お前さん見たところ落ち込んでいるみたいだが何かあったのかい?」

「…あ…いえ…」

「女の子の一人は危ない…こんな森だけにな…誰かと一緒に来たのかい?」

「はい…」「まぁ何かあったんだろう…一先ずわしの家にお入り…」

「ありがとうございます…!」

「…何か飲むかい?」

「どうもすみません…」

「コーヒーでいいね…」

コト…

「お婆さんって優しいのね!でも何故こんな森の奥に住んでるの?皆さんと一緒に暮らさないの?町の人達は皆優し…いわ…よ…」

「ヒヒ…さぁ眠ってしまい…」

「……。」

「…全然いねぇ…イノの奴…何処行きやがったってんだ…」

「ヒヒ…」「誰だ!!!」

「わしかい?わしはただのこの森に住んでる…ヒヒ悪魔だ!人の血が好きななぁ!!!!」

「…悪魔…?」

「この森に入った以上…お前ら二人…わしの餌食になるのだ!!!!!!」

「二人!?あ…あいつがいるのか!?うわぁ!!危ねぇ!!!」

「死ね!!!!」

「わぁ!!!」ドスン!

「さぁ観念しな!!!」

「うあぁあぁー!」

「…ヒヒ」「…ハァ…このままじゃ…このまま…じゃ殺される!!!!何か手は…」

「まだ息があったのかい…?」

(くそ…なんで俺がこんな目に…何か手は…殺されるのを待つしか出来ないのか…俺にもっと力があれば…こんな奴…え…?なんだ!?首飾り…が!??)

「…首飾り…が…光っ…て…る!?何が…おきたん…だ…いったい…?」

「な…なんじゃこれは…!?」(…何だ…!いったい…首飾りの中から…意味分かんねぇ女が…)

「貴方がたかし君?」

「…誰…だ…?」

「私の名前はマリエ…貴方に会えて光栄だわ」

「マリエ?」

「そうよ」

「小僧がびくらせやがって…」

「こいつ…おまえが見えねぇのか!」

「私の姿は心のきれいな人にだけ見えるのよ…」

「おまえはいったい…」

「ただのこの首飾りを守っている神って言ったら信じてくれる?」

「…神…?」「何一人で言いよるんじゃ死ね!!…な、何!?」

「マ・リ・エ!!!」

「え…?」

「う…うぎゃあああぁ!!!!!!」

「…さぁ行きましょうか?」

「行くって…何処に?」

「あの子の所へ…」

「…おい!!!イノ…起きろ!!!!」

「…あら?…私…寝てしまってたの…?」

「…あぁ…」

「た…たかし!?あ、あれ?お婆ちゃんは!?」

「…何言って!!!!」「…今までの出来事は後で話すわ…今は早くここから逃げましょう。」

「お…おい!外も駄目だぞ!全部…囲まれてる!俺達を逃がさねぇつもりだ…あいつ仲間がいたのか!」

「そうくると思っていたわ…」

(…あの人は…?…何が起こっているの…?)

「たかし君首飾りを!」

「何するんだ?」

「サマースフリーツ!」

「…え?何…」

「…お、おいどうなってやがるってんだ…」「この首飾りに隠された本当の力…今から貴方達を別空間へと連れて行くわ」

「べ…別空間…!?」

「じゃ…私達の国へ帰れるの?」

「…いいえ…それは分からないわ…」

「え!?」

「ごめんなさい…私でさえも行き先は知らないの…それがこの力の厄介なところよ…」

「場所が分かんねぇってそれじゃ俺達いったい何処行くんだよ!!」「あの場を救うにはこうするしかなかった…あの場でもし何もしないでただずんでるだけだったら貴方達二人殺されてたわ…」

「じゃ…おまえのあれで殺っつければ!!」

「やっても無駄よ…あの人達全員…人間ではないもの…。」

「人間…じゃないって」

「…さぁ着いたわ」

「ここは…」

「…小さな町…ね!人はいるのかしら…?」

「おまえって冷静だよな…今頃城では大騒ぎだぜ」「…分かっているわ…お父様も皆にも迷惑かけてる…でも今はどうする事も出来ないもの…それに私ずっと別の国を見て見たかったから…。」

「誰か来る…」

「お、おまえら誰だ!!!何処から来た!?」

「私達は別に怪しい者では…」

「じゃ観光客か?」

「…あぁそうなるな」

「貴方の名前は?私はイノって言うの、でこっちはたかしよ!」

「俺は達哉ってんだ!よろしくな!ここじゃなんだ俺の家に連れて行くぜ!」「ありがとうございます!!」

「この国は小せいがいい所なんだぜ…俺の他に後二人いんだけどな!そいつらもいい奴らでよ…俺達三人親早くに亡くしてっから助け合って生きてきたんだ…まだ親が生きてた頃な世界中をまわってやっと辿り着いたのがこの地図にものってないここだったんだ…そして皆は力つきて死んでいった…でもって生き残ったのが俺ら三人ってわけ!」

「なんか凄いですね!」「んな凄くないよ!その頃もういい年こいてたから自分一人でも生きていけるしな…」

「二人に会わせてください!」

「あぁいいぜ!!ついてきな!」

「……」

「まずははじめって奴の家から…おーい朝いるかー?」

「…何?達ちゃんこんな時間に…フファー」

「また寝てたのか?」

「あら…お客さん?」

「おう!」

「初めまして…」

「入っていいわよ!」

「こちらが朝って言う奴でちょっと変わりもんだ」「な…何よ!私の何処が変わりもんだって言うのよ!達ちゃんだって変わってるじゃない!!!」

「何処がだよ!!」

「まぁまぁ二人ともそのぐらいに…あ!達哉さんもう一人の所に行きましょう!!」

「あ!そうだな…わりぃ…!」

「順ちゃん所行くの?」

「あぁ!そんじゃぁな」

「順さんと言うんですか?」「あいつがあぁ言ってるだけだよ!次に会う奴は順平って名前だぜ!あぁそれと俺の事さんってつけなくていいぜ!なんかてれる…呼び捨てでいいよ…お!着いた!おーい順平!!」

「…へいよ!達哉なんだ?お!お客さんじゃないか…!?まぁ入ってくれ!」

「お邪魔します!」

「と…これで三人だ!」

「ぼ…僕はびっくりしてるところだよ…だってさ!こんな小さい国に客なんて…!」

「…少しそれには理由があるんです!」「理由って?」

「信じてくれるかは分からないけど…たかしのこの首飾りでこの国に…」

「え!?何だって首飾りで??そんな不思議な事が…?」

「俺達も信じられんねぇ…へんな女が突然現れて」

「まぁ!!失礼しちゃうわ!」

「わぁ!だ…誰!?」

「マリエ出て来る時は言ってくれ…」

「…お、おいたかし誰なんだよ?」

「私はこの首飾りを守る事を約束された神よ…」

「…は?神!?」「そうよ…私のように死んだ人は必ず物やいろいろな物を守らなくてはいけないの…」

「いろんな…物?」

「そうね…例えば木の神や雲の神…貴方達がいつも当たり前に使っている物にもいるわ…」

「…なんの為に…?」

「それは分からないわ」

「…マリエって言ってたよな…?」

「えぇ…」

「このたかしの首飾りでこの国に来たんだよな?」

「達哉…もしかして?」

「あぁ!そうだ…この国には名残惜しいが…な!」「ちょっと待ってよ!」

「…朝か!へへ調度よかったぜ!朝も行こうぜ!」

「…分かんないじゃない…へんな所に行くかも知れないし…私行かないから!!…え!?…」

「…ついて来い…」

「…達ちゃん…」

「マリエいいよな?」

「貴方達がそれでいいなら…でももうこの国には帰れないかも知れない事を覚悟なさい…」

「あぁ!順平もいいよな?」

「…いいよ!僕もこの小さな国にも呆てた所だったし…」「…じゃ行きましょうか別空間へ!」

(サマースフリーツ)

「…わぁ光の中…に?」

「た…達ちゃん…!」

「ん?何だ?」

「…手痛いんだけど!!!もう離してくれない?」

「あ…わりぃ!俺…か…勘違いすんなよ!!!ただ俺はおまえが逃げないようにしただけだ!!」

「…ば…馬鹿じゃないの!!!!!」

「…ついたわ!」

「ここは何処だろう?」

「…不気味な国だな…」「ふ…ふんだ!!達ちゃんのせいだよ!!!!私怖いの嫌いなのに…!!」

「なんだと…!!!!」

「ここにいても何も始まらねぇ…とにかく進もう」

「お…おう!そうだな!行くぞ皆!!朝もな…」

「まぁ…仕方ないから行ってあげるわ!」

(ふ…断りもなくオイラのすみかに…馬鹿が…)

「…あれ?誰かいるよ!!ここの住人かな…?」

「貴様らオイラのすみかに入ったな!!!!!」

「…ここは何処なんですか?貴方は…?」

「ふん…ここか?聞きたいか?」

「…イノちゃん度胸あるなぁ…」

「ここはな…お化けの国さ…夜中いろんなんが…」

「お化けの国だと…ふざけっ…」

「キャー!!!もう言わないで…お化けの国だなんて!!!だから嫌だったのよ!!!」

「あ!!!朝何処に行くんだ!?戻ってこい!!」

「フ…馬鹿がまずはこいつからだぜ!!!!!」

「な…何…!?離して…い…嫌!!!!!」「朝さん!!!!」

「は…朝…なん…で何で何で!!!!!何で…起きろよ…冗談やめろ…よ…起きろ朝!!!!」

「ふ…馬鹿な人間だな!!!!!」

「んだと!!!!許さねぇ…おまえは絶ってい許さねぇ!!!!!」

「何度でも言えばいいさ…次はおめぇだ!!」

「や…やめろ…やめてくれ!!!!もう…」

「金髪…!!!!」

「え…!?」

「は…じゅ…順平!!!逃げろ!!!!!」

「フ…遅いんだよ!!」「うわぁぁあぁー!!」

「…じ…順平!!!順平…は…じめ…?なんで…こんな事って…こんな事って!!!!!!」

「フ…ここまでにしとくか…ハハ!!!じゃな馬鹿ども!!!!」

「ま…待て!!朝と順平を何処に連れて行くってんだ!!!!」

「…もういない…行ってしまったわ…」

「おい達哉!泣いてる場合じゃないぜ」

「……。」

「達哉さん…」「…俺のせい…だ…俺のせいで朝…も順平も…俺…朝の事好きだったのに…でも会ったら喧嘩ばかりで今度は言おうとしても素直にな…れなくてずっとおいてた…そんで最後は言えずにこんなんかよ…ハハ笑っちまうぜ…」

「悔やむ気持ちも分かりますが今は二人を助けに行かなければいけません…」

「…おまえ確か神だった…よな?あの時なんで助けなかったんだよ!!!!神だったら…神様だったら!!!!!あんな奴なんか…あんな奴なんか!!!!」

「…すみません…ですけど…あの人は…」

「人間じゃなかったんだ…マリエも何度も助けようとしてたけど…」

「…人間…じゃない?」

「とにかく今は助けに行きましょう…」

「…でも何処に…」

「進みましょう…」

「……。」

「…ここは?何処だ…」

「う…ん…」

「は…朝!大丈夫!?」「あれ…じ…ゅんちゃん…?もしかして順ちゃんも奴に!?」

「…うん…」

「フ…お目覚めかな?」

「だ…誰だ!!!!」

「フフ…モキあれを!」

「へい…」

「なんだ…これ…煙…?ゲホ…」

「悪いがおまえらはこの俺様の操り人形となるんだ!!」

「そ…んなんに…ゲホ…なっ…てたまる…か…」

「じゅ…んちゃ…ん」

「は…じめ…」

「フハハハ!奴らを殺せ…操り人形よ!!」

「はい…かしこまりました魔王様…」どんどん進んでゆくたかし達…まさかこんな事になっていようとは…。

「な!見ろよ不気味な城があんぞ…」

「あそこに朝さんと順平さんがいるのかしら…」

「キキー」

「ん?何か聞こえなかったか!」

「いいや…」

「気のせいか…」

「入ってみましょう…」

「そうだな…」ギィ…

「キキーよ…うこそ…」

「またおまえかよ!」

「は…朝と順平をかえせー!!!!」「キキ…それではいと渡すか…馬鹿が…フッそんなにかえしてほしけりゃこいつらと戦うんだな!出てこい操り人形ども」

「はい…」

「え…は…じめ?順平まで…!!!」

「フ…」

「朝?…順平?」

「何をいう小癪な死ね!!!!!」

「なんだよ!うわっ」

「フ…よくかわしたな!だがあまいんだよー!」

「は…朝やめろ…」

「次は俺だ!!!」

「順平…」

「あ、危ねぇ…イノボケッとしてんじゃねぇ!!」「ご、ごめんなさい…」

「フ…弱い者は先に死ぬんだよ!!!」

「キャ…」

「…大丈夫か?」

「うん…ちょっと擦りむいただけよ」

「もっとくらえそして死ねー!!!」

「やめろ…順平!!」

「死ねーぇ!!!!」

「順平さん…」

「うるせいー死ねー!」

「イノ!!危ねぇ!」

「キャー!!!」

「…う…嘘だろ…イノ…おい!しっかりしろ!!」

「イノちゃん大丈夫か!?」「息はしてる…けど目あけない…やめろ…もう…」

「フ…人の事心配するより自分の心配しろってんだよ!!」

「順…平…朝やめろ!」

「キキーいいぞ…二人ともさぁ…殺れほかの奴を」

「はい…」

「たかし君!」

「マリエ…そうかおまえ何も出来ないんだな…」

「私何も出来ないけど!!貴方達の手助けはできるわ貴方達に剣をあげるわ!!この剣を受け取って…あいつを…」

「おう!サンキュー!」「キキーそれは無理だ…おまえらの力ではオイラは倒せん!!」

「そんなんやってみなきゃぁ分かんねぇ…」

「たかし俺も戦うぞ!」

「…殺っつけてやる…」

「フ…殺ってしまえおまえ達!!!!」

「かしこまりました…」

「え?いつの間に…」

「行くわよー!」

「イノ目を覚ませ…くそ!なんで…」

「悔やんでる場合じゃないぜ…悔やみたいのは俺だって一緒なんだ!!」

「何ごちゃごちゃ言っている!」

「や…めろ…」

「やれ三人ともー」

「覚悟しなー!!!」

「うわぁー朝やめてくれ!!!!!」

「達哉…大丈夫か!」

「だ、大丈夫だ!ちょっとかすっただけだ…」

「よそ見してますと怪我しますよ!」

「…やめろ…思い出せ…思い出さなかったらこうしてやる!!!」

たかしはイノに口づけをする…そしたらイノの目が優しくなったのだ。

「…た…かし…ごめんね私たかしを傷つけてしまったわ…」「まったくちょろちょろと勝手に動いて…勝手におまえは…でも俺こそごめんちゃんとかばってやれなかった…」

それを見ていた達哉…

「朝…朝も思い出せ!!!俺達会うたび喧嘩してたよな…でも本当は喧嘩なんかしたくなかったんだ…俺!素直になれなかったんだ…お、俺本当はおまえの事大好きなんだ!本当だ…嘘なんかじゃねぇよ…だからもとにもどってくれ朝!」

「……。」「朝…もとにもどらなかったらたかしみたいにキスすんぞ!!」

「…今日は特別だよ…達ちゃん…」

「朝…」

朝はそっと口づけをした

「ごめんね…達ちゃん」

「は…じめー!!!!」

「キキーそ、そんな…でもあと一人いる事を忘れんなよー!!!」

「…順平!!」

「あぁああぁああぁ!!!死…ねー!!!!!!」

「泣いてる…」

「操られていても意識あるの…私もそうだった…」

「ごちゃごちゃうる…せん…だ…よ…」

「わぁーくる!!!」

「し…ね…おまえ…ら」

「ど、どうしたんだ!」

「あー頭が…頭が割れそうだー!!!」

「順平さん…?」

「や…やめろ…ぼ…くは…こ…ろした…くない…は…じめ…」

「え…」

「ぼ…僕だっ…て…ずっと…好…き…だった…んだ…今…も…」

「順ちゃん!!!」

「あー!ご…め…ん…ね…フッでもな俺はやらなきゃいけねぇんだー死ねー」

「順ちゃん…」「キキ…ちょっとびびったぜ!」

「順平!!!」

「キャー!!!!」

「朝…」

「順平おまえ朝の事好きなんだろうが!!」

「く…ご…めん…体…が…言う…事…」

「分かってるよ…順ちゃん…」

「だ、黙れ…黙れーうわぁー!!!!」

「朝どけ!!!」

「達ちゃん!!!」

「う…うわあぁぁあ!」

「達…ちゃん…嘘でしょう…ねぇ…達ちゃん…」

「人なんかかばうからだー!!」

「い…いやー!!!!達ちゃんの馬鹿…私なんてかばって!!!!!!!」

「キキーこれで最初にもどったな…キキー!!」

「達哉!」

「うざってい!ごちゃごちゃと…殺してやる!!!!!!!!!」

「…イノちゃんとたかし君だっけ…」

「そうですけど…」

「恋には…魔法があるんだよ…」

「ま…ほう?」

「何が魔法だよ!!あぁあぁああー!!!!」「魔法にかかった人は優しくなってしまうの…だから…私がもっと素直にならなくちゃ…取り戻せない…わ…私も…達ちゃんが好きだから…ずっとまえから大好きだった…もの…」

「は…じめ…」

「お願い…達ちゃん目を…覚まして!!!!!」

「……。」

「ごめんね順ちゃん…」

「魔法…が…あるん…でしょう?…それなら…僕…だっ…て…」

「もちろん…だけど私…達ちゃんが大切…でももちろん順ちゃんも大切な友達よ」「…それじゃ…僕…は…何の…為に…生き…て…朝の…事…好…き…だから…今…まで…生…きてきた…のに…で…も…朝…は…た…つや…しか…見てなく…て…僕…がいたら…邪…魔だ…ね…」

「そ…そんな事ない!」

「ぼ…くなんて…死…ねば…いい…んだ…生きて…る意味…も…ないん…だから…」

「や…やめて…順ちゃん!!!!そんな事!!」

「僕…なん…て…うわーぁ!!!!!」「順…ちゃん…な…んで…私…わ…たし…」

「これで…いいん…だ…バイ…バイ…は…じめ…」

「や…嫌…やだよ!!!!なんで順ち…ゃん…わた…しの…せい…で…私が私が!!私が…」

「順平さん…!!!」

「順平!!」

「キキ…馬鹿が自分で命をたつとは…殺っちまえ!!残りの操り人形よー!」

「はい…殺す…」

「おい!朝!!!」

「私…が私が順ちゃ…んを…達ちゃんを…」

「朝何してる!!!馬鹿やろう!!!」バン!!

カラン…

「あ…」

「おい!!朝…馬鹿なまねはやめろ…おまえが今死んだら達哉も失う事になるぞ!!それでもいいのか」

「達…ちゃん…まで…」

「朝さんこの戦いは気持ちが大切です…」

「……うん…」

「…いくぞ!!」

「フッ馬鹿が…」「達ちゃん…大好きだよ…失いたくない…思い出してよ…達ちゃん私あの頃は素直じゃなかったから…胸が苦しくて…切なくて…会うたびその思いが大きくなってしまって…私…達ちゃんの事大切だから…だから失いたくない…お願い思い出して私の事皆の事を…」

「う…るさい…」

「達哉…」

「おね…がい…達ちゃん…目を…」

「く…ごめん…な…は…じめ…た…かし…イノ…」

「達哉君…!!」

「目を覚ませ!!」「達哉さん…目を覚ましてください!!」

「達ちゃん…」

「だ、黙れ…だ…まれ…だま…う…うわぁああぁあ!!!!!」

「達ちゃん…」

「…皆…すまねぇ…」

「よかった…」

「そして…順平…ごめんな俺おまえが朝の事好きだったの知ってたんだ…」

「キ…目を覚ましやがった…や、やばい!!魔王様!!!!!!」

「え…魔…王…?」

「おい!追い掛けるぞ」

「あぁ!」

「じゅ…順ちゃんはどうするの…」「朝…力あるだろ!順平かついでってやれ!」

「うん!分かったわ!」

「待て!このやろうー」

「ハハハやはり駄目だったようだな!でも一人は死んだか…さぁ俺様の所にこい!!!」

「おい!誰かいるぞ…」

「あれが魔王なの…」

「多分な…」

「フ…ここまでよくきたな…褒めてやろう…」

「や、やっぱりこいつが魔王だ…気をつけろ…皆」

「フ…フフ感じるぞ…幻の気配が…」

「あん?」

「おまえだな…」「だからなんだよ!」

「首飾りをしているだろう…寄越せ…」

「あ?何言って…」

「さっさと寄越せ!!」

「もうやめて!!!!」

「邪魔をするな!!!!さぁ首飾りをこっちに…」

「やっぱり…渡せねぇ」

「何…フ…それでは奪うまでだ!!!!!!」

「たかし…」

「……」

「よし俺らも戦うぞ!」

「来るな!これは俺の問題だ…!」

「かっこつけてんじゃねぇよ!!たかし俺達友達じゃねぇか!?一人でやろうとするな…俺達もついてるんだ!!」

「……。」

「駄目だって言われても俺は殺るぞ!!!まだやれんだろ朝、イノ…」

「うん…」

「女はさがってろまた操られてしまうぞ…順平を見とけ!!!!達哉こいつらは女だぞ…力だって弱いんだ!!また繰り返すつもりか!同じ事を…ここは俺達二人でなんとかするんだ!!!!!!」

「そうだな…俺が間違ってた朝、イノ休んどけ!」

「でも…私まだ戦えるわよ!!」「駄目だ…休め!!」

「分かった…気をつけて…達ちゃんたかし君…」

「おう!」

「フ…馬鹿だ二人だけで俺様を倒すなど…」

「何言ってるんだよ!言ってる暇があったらかかってこい!!」

「俺様の目的は悪魔で首飾り…くらえー!!!」

「たかし気をつけろ!」

「へ、こんなんあたんなきゃいいんだよ!」

「よくかわしたな…だが…何処までもつかな…」「…魔王だか何んだか知ったこっちゃねぇが男はな…逃げてはいけない時があんだ!!!!!」

「たかし…」

「俺はこの首飾りが何なのか知ったこっちゃねぇ!!でもなおめぇには絶っていあげねぇ!!」

「フ…口では何でも言える…」

「達哉!!呆然としてるんじゃねぇー!!!!」

「すまん…俺も男だ…俺だってやる時はやってやる!!朝!見とけよ!」

「達ちゃん…うん分かった…」

「殺ってやるぜ!!」「ちょっと待ってー!!!貴方私が見えるはずなのに気付かないってどういう事よ!」

「え…マリエ?」

「マ…マリエ!!?」

「あきら…」

「え?知り合い??」

「えぇ私はこの人の妻なの…」

「つ…妻!?じゃ止めてくれれば…」

「止めようとやめてって呼び止めたわよ!!だけど邪魔をするなって言われて…私の事忘れたのかとショックで…」

「マリエ…忘れてなんて…むしろこの戦いはおまえを助けたいが為に…為に…え?ちょっと待てなんでここにマリエがいるんだ…」

「それは…私あの世に行って選んだのよ…どの神様になるか…」

「か…み!?」

「そうよ…死んだ人は神になり物やいろんな物を守るべく運命つけられた使いみたいなもの…なの…」

「…馬鹿な事を…ならばさっき死んだそこの男も神か?死んだ奴皆こんな事しているのか?…俺はおまえが死んで凄く悲しんだぞ…そこで図書館に行って調べた…生き返す方法を…そして一つの本にこの首飾りがのっていたんだ…幻の首飾りて書いてあった俺は死ぬほどの思いでその首飾りを探してたんだこれで…おまえを生きかえそうと思って…」

「あきら…」

「ねぇ…マリエさん…じゅ…んち…ゃんは…神様になっ…ている…の?」「…本来自殺して死んだら神になる事を許されないわ…私達神には見えても普通の人間には決して見えなくなる…」

「じ…じゃ順平…は…」

「…もう順ちゃんに…会え…ない…の…見えなくなっ…ちゃ…うの…?」

「…まだ魂がここにいる…わ…」

「え…!?じ…じゃ助けてください!!!!順ちゃんを…たす…けて…マリエさん…」

「…分かったわ…」

(この者の魂を…身体に呼び戻せ…神の力を湧かせ…この者の魂と…引き換えに…ならわしを燈せ!!)

ピカー!!!!

「順平…!!!!!」

「よかった順ちゃん…」

「……。」

「順ちゃん…」

「だ…れだ…?」

「え?私…私よ!!朝よ…順ちゃん?」

「…知らな…い…」

ドサ…

「キャ!順ちゃんしっかりして!達ちゃん順ちゃんが!!!!!」

「…気絶してるだけよ」

「どういう事だ…!?マリエ!!!」「…魂が抜け出た身体にまた魂をいれる事によって生きる人生を与える変わりに記憶を…これからの人生と今までの記憶と取り替える事を約束される…わ…その重さにより30分ぐらい深い眠りに入る…」

「な…!?それじゃ順平は俺らのこ…と…」

「一回抜け出た魂をまたもとに戻すという事はそれなりの覚悟がいるもの…」

「…え…!?」

「…なん…で…じゃもっと早く言ってもらえば…こんな事には!!!!」「言って何かできたの…?あのまま何もしなかったら確実にあの世に行って二度と姿が見えなくなっていたわよ…」

「…私…が私が順ちゃんをこんな目に…私がもっと順ちゃんを見てれば…順ちゃんが順ちゃんが…」

「朝…そんなに自分を責めるな…朝のせいだけじゃねぇ…よ…」

「達ちゃん…う…うわぁあぁぁ…私…私…」

「…もう泣くな…順平は死んだわけじゃない…記憶を…失っただけだ…」

「…俺…が悪いんだ…」

「貴方…」

「…本当にすまん…俺が馬鹿だった…後ろばっか見てた俺が悪いんだよな…」

「……。」

「おまえ…確かたかしって言ってたよな?」

「あぁ…」

「この首飾りは大切にしとけよ…俺は間違っていたようだマリエを生きかえそうと思って探してたけど…確実に亡くなっている人間を生きかえせるわけないんだよな…」

「…でもすけぇ偶然だよな!!まさかマリエの夫に会うなんてな…」「…俺達は昔あまり仲良くはなかったんだぜ…結婚するなんて夢にも思ってなかったしな…マリエとあったのは偶然だし…最初の頃はマリエは俺を無視してたし…俺も同じように無視してたけどな…」

「仲悪かったんですか?」

「いいや…俺はマリエが好きだった…俺さ…つまんねぇ所で意地張る所があってよ…マリエも無視するから俺も無視しててな!まわりからは仲が悪いと見えるだろうがそうじゃなかった…マリエも俺が好きだったっみたいでよ…まぁそういう事で両想いになったってわけさ…」

「…なんか意味分かんねぇな…恋ってなんでそうやって遠回りすんだ?馬鹿みてぇ…っていうか恋って分かんねぇ」

「たかし君…?」「たかし…それってどういう事…?」

「たかし!おめぇキスまでやってそれはねぇんじゃないのか?恋が分からねぇってじゃなんだったんだ!?あの行動は!!」

「分からないただ…本であったから…」

「どんな本?」

「眠る森の美女っていうやつ…」

「眠る森の美女だって…????」

「昔…母さんが俺に読んでくれたの思い出したんだ…へんか?」

「嫌別にへんじゃねぇんだけどよ…」

「若者よ誰かを愛した事は今までに…」

「全然ない…」

「そんじゃ…イノちゃんは…?」

「イノとは偶然あった…それだけだ。」

するとイノは泣き出した

「たかし女を泣かすなんて男として最低だぞ!!」

「ごめん…イノ…でも何だろうな…この気持ちは…なんだか…胸がそわそわする…」

「それが恋よ…たかし君みたいな人は気付かない人が多いわ…自分の気持ちに素直になれないでいるだけ…よ」

「…俺がイノに恋を?」「そうよ…自分の気持ちに素直に生きなさい」

「…あぁ」

「さぁ…帰りましょう…か?」

「え?もう?で、でもまた違う所に行くんじゃ…」

「私気付いたの…ここに来たのは偶然ではない…私はいつの間にかあきらに会いたいと思っていたわ!それで思ったとおり会えた…って事は私の力という事でしょう?」

「じゃ俺達帰れるのか…!?でも達哉達は…?」

「俺たかしの国に行きてぃな…」

「私達も行きたい!」「…俺実は友達いねぇからおまえらが来たら毎日楽しいんだろうな…」

「…私…帰るの少し怖い…わ…」

「あ…そういえばおまえお嬢様…だったな…」

「お嬢様!?イノちゃんが?どうりで可愛いと…」

「達ちゃんの女好き!」

「俺は女好きじゃねぇし!何嫉妬してんだよ朝…」

「し…嫉妬なんてしてないもん…」

「そう言ってるわりには顔真っ赤だぜ!」

「そ…それよりイノちゃんがお嬢様だなんて…凄いな…なんかいいね!」

「……。」

「話しをそらしたな!」

「そんなにいいもんじゃないわ…外で皆と遊んだりしてみたいのに汚れるから中で遊びなさいとか言うし…友達だってできないわ…だからたかしやみんなは初めての友達なのよ…結婚する人も親に決められて…」

「そ、それじゃたかし達は…」「…仕方ないよ…俺ら子供には親には逆らえない…何でも親に決められてしまうんだ…俺の親だって…」

「そうな事ありません!!貴方の親は迎えにくると言ったんですよ…」

「覚えてねぇ…んな事」

「たかし…俺はおめぇの考えてる事よく分かんねぇよ…なんでそんなに親の事悪く言うんだ?俺はどんな事があろうが子供を理由もなく捨てる親なんていないと思うぞ!!」

「理由…?」

「そうだ…なんか理由があんだよ!多分な…」「…俺」

「さぁ…帰りましょうか?あきら…ここでお別れね…元気で…」

「あぁ!マリエ…またこいよ!おまえら…」

ピカー!!

「…その傷治しておいたほうがいいわ…」

「そんな事が出来るのか…?」

「神には皆出来るわ…」

「き、傷が…」

「…ここ…は」

「順平!!!!気がついたんだな…」

「順平??…お、おまえらは誰…だ!?なんで僕はここに…?」

「…ごめん…な…」

「え…?」

「さぁ…着いたわよ…」「何処いくんだ…?」

「たかし達の国だ…」

「あん?」

「……。」

「お、お嬢様…が!?皆!イノ姫様が戻られたぞ」

「イノ!!おまえというやつは来い!!なんだ貴様らは…おまえはイノを連れ出した奴だな!!こっちに来いそしてなんだこいつら三人はよそ者は出てけ!」

「うわぁ!痛ってぇ大丈夫か朝、順平…」

「うんなんとか…」

「ここは…」

「おい!なんだおめぇらは!見掛けねぇ顔だな…そしてなんだその変わった服はよ!!ハハハ…」

「おやめ!!弱い者虐めは…」

「誰…?」

「私はたかしという子の親です。」

「た、たかしの親!?」

「おや?たかしを知ってるのかね?」

「はい…そうですけど」

「私の家に来て少し話しを聞かせてくれませんか…この国に帰ってもたかしがいないんでなんかあったのかと…まぁ続きは家で着いてきなさい。」キーパタン…

「そうか…たかしが貴方達の国へ行ったか…この首飾り…今も持っているとはあの子は優しい子だ…私はこんな親だというのに…」

「あの…なんでたかしをおいていったのですか?」

「…私の国の掟なのですよ…ん?なんか外で騒いでいるね」

「聞いたかよ!姫を連れて行った男死刑だってよ!!明日にでもだってさ!」

「え…たか…し…たかしが死刑だって!??」

「たかし…ってあの子何をしたの!?知ってるんでしょう!?貴方達!!」

パタン…

「イノーどういう事だよ!何があったんだ!教えろイノ!!!」

「もう…何も考えられない…だがじぃーお父様やめてたかしは何も悪くない!!!悪いのは私なんだからそれにたかしは付き合っただけなのよ!!お父様の分からず屋!!!」「私からもお願いします!この子は私の子供です…たかしが何をなさったのか分かりませんが何かをなさったのなら私がたかしの変わりに謝ります!どうかこの子を助けてください…お願いします!!まだこの子は子供なのですよ!!」

「そんなに世界はあまくないのだ…子供だからなんだ!!!」

「母さん!?…か…母さん俺の事はもういいよ…俺…最後に母さんに会えてよかった父さんは元気か?」

「たかし…お父さんは…死んで…」「そうか…もう一生会えないままになるかもしれないんだな…父さんとは…」

「たかし諦めるな!!!!おまえはまだ生きてんだ!!!」

「そうよ!!たかし君…まだ望みはあるわ!!」

「ありがとうな…」

「何を言っているのだ…明日死刑だというのに暢気な奴だな!」

「貴方も人の子なら子供を失う気持ちがお分かりのはず…貴方は自分のお子さんは大切にしているのに他の子供にはこんな酷い事をしてよいのでしょうか?」

「……」

「お父様…」

「…イノが決めろ…この者を死刑にするかしないか…を…」

「お父様…もちろん答は決まっているわ!」

「…分かった今回だけは許してやろう…」

「よ…よかった…私…」

「さぁ…私の家に来なさいその服も汚れているわ」

「イノ!来るか!?」

「たかし!!!また国王様の怒りをかうわよ…今日はもう早く帰りましょう」

「あ、あぁ…そうだな…じゃなイノ!」

「あ…うんまたね皆」キィ…

「お?姫を連れて行った男が城から出て来ただと…明日の死刑はないんか!」

「…あ!国王様…」

「イノが決めたのだこの者を生かすとな…」

「姫様が…お決めに…」

「家に入りましょうたかし達…」

パタン…

「あの姫と何があったんだい?…いったい…」

「イノと俺は森に入ったんだそこで…」

たかしは母さんに今までの出来事を全部話した。

「神!?そんなのがいるのかい?…今までそんな出来事があったなんて…それは大変だったんだね」

「…まぁな!でもイノや皆がいたからなんでも出来たんだ…」

「なんかてれるな〜」

「…あれ?…順ちゃんがいない!!」

「まさか順平!!!俺達が気付かない間にどっかに行きやがったのか!!」

バタン!!

「順ちゃん…何処!!」

「あ!順平があんな所に!!!」

「…おい!順平何処に行くんだ!!何故逃げる?」「僕はあんたらの事は知らない…なんで知らない人といる必要がある?」

「…順平…」

「私達の事分からないなら分からなくてもいい…だけど…だけど!一緒にいて…一緒にいてほしいの…順ちゃん…」

「…なんで?」

「それ…は…それは貴方の事が…大切だか…ら…だから!!!何処へも行かないでほしいの…!」

「…朝」

「…僕の事が大切…?」

「そうよ…」

「君…名前は?」

「朝よ!」

「朝…?」

「うん…」

「俺は達哉だ…よろしくな…こっちのほうはたかしだ…ぜ!」

「…よろしくな!」

「あぁ…」

「たかしこの人は…」

「…順平はさっきいた国で…生きる変わりに記憶を…失った…んだよ母さん」

「さっき言ってた神様が出てきてって言うやつね」

「あぁ…そうだ」

「まさか神がこの世にいるとは不思議だよ…この首飾りの中にいるなんて…」

「そんじゃ見せてやるよ!この中にいる神様をマリエ出てきていいぞ!」

「…ヒック…」

「…何泣いてんだマリエ!?」

「すみません…泣かないでいようと思っているのに…涙が…」

「あきらか?」

「…」コク…

「あきらとはたかしが言ってた魔王の事かね?」

「マリエの夫なんだ…」

「夫?」

「…さっきあきらとマリエは俺達がいた国で別れたんだ…」

「そうかい…かわいそうに…私もその気持ちよく分かります…マリエさん」

「おば様…」「私の夫は死にました…だから貴方のように何処かで神になってるかも知れない…私もマリエさんみたいに夫に会いたい例えどんな姿でも…貴方は運がいい人です…だからもう泣くのはやめなさい…」

「あきらとはまた会いに行こうぜ…な!皆…」

「うん!」

「ありがとう…皆さん…私もう泣かないわ…」

「でも驚いたね…この年で夫がいるなんて…」

「国の決まりなのです…私は十六で結婚しましたそして二十二で私は…」「そうかい…それは辛い…まだ若いのに…」

「私は誰かに…殺されたのを覚えています…」

「え…!?なんだって殺された??」

「…私が買い物にいく時に後ろからいきなり殴られて…私は…」

「そんな…事が…」

「……。」

ざわざわ

「外がまた騒がしい…」

「なんだいったい?」

「うわ!あ、貴方達も逃げたほうがいい…」

「え…?」

「俺達は山賊だ!!オラ!金だせ!この国の金全部だ!!!!」

「さ、山賊…!?」

「あ…あの人見覚えが」

「え…そ、それは本当ですか!?マリエさん!!」

「えぇ…あの人は私の…人生を奪った…人…」

「え…誰だ!?」

「…あの人です…」

「あいつか間違いねぇんだな!!」

「えぇ…そうだけど何処に行くの…たかし君!!?まさかそんな馬鹿な事はやめなさい!!たかし君!」

「おい…」

「あ?なんだ小僧…俺と殺るつもりか?俺達は山賊なんだぜ馬鹿なまねは…」

「おまえ昔人を殺っただろう…」

「へへ…何を言うかと思えばんな事かたかが人を殺しただけだろ?そんなん毎日の事さ!」

「たかがだと…人間の命をなんだと思ってるんだ!!おまえは…人はな!毎日必死に生きてんだ!おめぇには残された人間がどれだけ悲しいか分かるか!?」

「…分からないね」

「たかしー!!」

「イノ!?なんでこんなとこに…?」

「広場にたかし達がいなかったから心配になって」

「ようお嬢ちゃん…」

「イノ!達哉達のとこにいっとけ!!」

「へへ…やはり男だな!!女が心配か!!小僧!それならばおまえ達!」

「へい!」

「え…何…キャ!」

「イ、イノ!」

「女は預かっておく…」

「ごめん…たかし私また邪魔を…」

「こら!イノを離せ!!!!!!」

「へへ…この小僧は俺が殺っつけてやるよ…」

「たかし君!!」

「マリエ」

「な、なんだ!!女?…ん?あの顔どっかで…」

「マ・リ・エ!!!!」

ドン!!

「うわ!なんだあの女手からなんか出しやがった」

「マリエさん!…」

「マリエやめろ!これじゃこいつらと一緒になるだけだ…」

「それじゃ…どうするんですか!」

「あいつはおまえが見えた…話せば分かるはずだ!!それに同じ人間だ…」

「同じ…人間…?」

「へへ俺達がてめぇらと同じだと笑わせるな!!小僧が…」

「おめぇだって人の子だろうが!」

「忘れたね…んな事…」

「たかし…もうやめなさい!!!」

「母さん…ごめん俺は最後までやるって決めたんだ!!!」

「た…かし」

「さっきから聞いてりゃ…最後だって小僧…へへ最後というのはおめぇの最後か!!」

「分からねぇその逆かも知れねぇぜ…」

「口だけは出来てるようだ…」

「たかし…」

カン!

「小僧も険を持っていたか…」

カラン…

「何?険を捨てただと…!?」

「……」

「なんのつもりだ…?」

「さっき言ったよな…話せば分かると…」

「へ!まだそんな事言ってやがるのか!!」

「たかし君何を…」

「たかし?」

「おめぇはなんだか悲しい目をしてる…」

「何を言うかと思えばんな事か…」

「たかし…何を…言ってるの」

「イノ!きっと助けてやるからな!待っとけ!」

「…う…ん」

「…昔の俺は人間なんか嫌いだった…」

「たかし…」

「でも!!イノや達哉や朝や順平…皆に出会えたから俺は…変われたんだ!」

「それがどうしたというんだ!!」

「だからおめぇもこんなつまんない事やめて人生を楽しめってんだよ!」

「ハハ…人生を楽しめだって?楽しんでるよ!へへ人間を殺すのをな!!それと金でな!!」

「人を…殺す…だと…どうやらこいつは頭がいかれてるようだ人を殺して楽しいわけねぇだろうが!おめぇは人をなんだと思ってるんだ!!!!」「へ、分かりきった事を言うんじゃねぇよボウズ…虫けらだよ!ヒヒ…」

「おめぇには分からないみないだな…殺された人間の痛みが!!人間は、ただ生きてるだけじゃねぇんだよ!!!」

「それじゃなんの為に生きているというんだ!!」

「人は…愛の為に生きてるんだよ!!俺には昔愛なんて知んなかったがな…俺は今一人の女を愛した…」

「…たかし…」

「愛の為にだと笑わせんな…へ!馬鹿じゃねぇの?人間は争うだけの存在だ…そして強い者だけが生き弱い者は死ぬのだ!」

「おめぇの言う通りかも知れねぇ…だけどこの先の人間は分からねぇぞ!」

「この先の人間だと…」

「そうだ!歴史はずっと俺らがいなくなってもずっと歴史は流れてるんだ!!!争いだっておめぇらみたいな山賊なんていないかも知れねぇぜ!」

「それはどうだろうね!!俺達みたいのは、なくなったってよ…人間は争いをやめない…へへ愛の為に人は生きてるとしてもだ争いはおこるんだぜ…小僧」

「そうかもな!でも…おめぇもしかして…」

「もしかしてなんだ!!!俺はそんなの信じちゃいねぇよ!!」

「だったらどうしてそんな悲しい目をしているんだ!!!」

「小僧…俺をなめてんのか!!!!!」

「素直になれ!!言ったらスッキリするかも知れねぇぞ!!!」

「…ッ…」

「名前まだ聞いてねぇな…なんて言うんだ…?」

「……有休…」

「…有休…何があったかは俺の家で話してくれるか…?そしてイノを離してくれ…」

「…くそ…こいつはまるで俺の心が分かっちまうらしい…まいったよ…こんな小僧は今まであった事がない…おめぇらその子を離してやれ…」

「へい!」

「…たかしありがとう!私皆さんに話してきます」

「あぁ!」

「たかしおめぇって凄い奴だな!見直したぞ…あの山賊を…」「まぁな!達哉…あいつの目なんか思いつめてるような目だったからさ…もしやっと思って…ハハ」

「たかし!!!!!」

パシ!!!

「か…母さん」

「貴方は何も考えずにすぐ行動するからこんな事になってしまうのよ!!今日はこれですんだけど…たかしが死んだらと思うと…」

「ごめん…母さん」

「もうこんな事はやめなさいよ!!」

「分かった…まずは有休の話しを家で…」

「お邪魔します…」「…話しをするよ!笑ったりしたら命はないと思え!!!」

「うん…分かった」

「…昔の俺は貧乏だった…家も古いそして俺が五つの時親は死んだ…俺は一人ぼっちになったんだ…そんな時一人の女に出会ったんだ!凄く優しい笑顔で俺に笑ってくれた…そんで俺は一目ぼれをしてしまったんだ…俺は天使かと思った…何日かたった頃その人は俺を家までよんでくれた…女の人はおばさんに俺を紹介してくれたんだ…でもおばさんは俺の全体を見まわりてこう言ったんだこんな汚い子が私の子供と友達なんて…出ておゆき!私の家が汚れてしまうわ!そう言いやがったんだ…そして女の子は泣きながら…はい分かりましたお母さん…俺は…俺は!!言ってくれると思ったのにあの人なら…こっちから出てってやったよ!!初めてした恋なのに…こんな嫌な思いするぐらいなら恋なんか一生やってやるか!って思った…俺はその時点から人間なんて皆俺の事なんか分かっちゃくれない分かってくれない…人間なんか皆消えりゃいいんだ!消えてなくなっちまえ!って思った…そして人間を殺し続けてきた…でも…間違ってたんだな…」

「痛いほど分かるよおまえの気持ち…だが一人は分かってもらってるじゃねぇか…」

「…へ」

「その女の子そん時泣いてたんだろ?」

「それは…なぜ泣いて言ってたのか分からない…」

「本当はその子有休を追い出したくなかったんだと思うぞ!」「私もそう思う…きっとその子親に逆らう事が出来なかったんだと思うわ…」「そんでその子の名前ってなんだ?」

「…麻下…友子…」

「そっか…」

「アサシモトモコ…?」

「ん?どうしたマリエ」

「聞いた事…あるわ…」

「え…本当かマリエ!」

「麻下なんて珍しい名前だから記憶残ってるの…」

「何処であったんだ!」

「…偶然か必然か不思議な事もあるものね…有休さんには悲しいお知らせになります…」

「あぁ言いから早く教えろ…」

「…天国で会いました」

「え?天国…!!」

「はいそうです…」

「俺その子だけは殺してないぞ!!」

「はい…確かに貴方は殺してはいません…ですけどあの片は…肺炎の為この世をさったのです。」

「肺…炎」

「マリエその子はなんの神になってるんだ!」

「神?…」

「そうだ!有休死んだら神になるんだよ…だからその子も神になっている有休が殺した人々も恐らく…」「会いたい…あの子に会いたいマリエ…あの子に会わせてくれ!!」

「でも…何処にいるのか…分かりません…すみません…」

「でも知ってるって…」

「どの神になっているかは知っています…だって同じ日に亡くなったのですから…」

「それじゃどんな神になっているんだ!!」

「木の神です。」

「…木?…」

「どのへんの木か分かるか!?」

「分かりません…ただ」

「ただ?」

「ただ小さい頃からずっと好きだった木とか言ってました…」

「小さい時か…小さい時住んでた所にあるかもな」

「あ!教えてもらった事あんぞ!確か…アカリタンとか言ってたような…」

「きっとそこだ!地図と…」バサー

「お、あったぞ!」

「ん〜ちょっと遠いな」

「たかし行く事は許さないからね!」

「いいじゃねぇか…別に危険な目に会うわけでもないんだからさー」

「それもそうだけど…」「心配なんかしなくていいよ…母さん!」

「そうだぜ…おばさん心配なんていらないよ!!」

「分かったよ…だけど本当に本当に心配させないでね…分かったね!」

「うん!!」

「なーたかしイノはどうするんだ?」

「うーんどうかな…」

「俺…そっちの名前聞いてないぞ!」

「あぁそうだったな!俺は達哉ってんだ!…でこっちは朝と順平…」

「よろしくね!」

「ふーん皆だけ服がちょっと違うけど…なんで?」「あ、俺達は違う国から来たんだよ!」

「あ〜なんか懐かしい響きだわね…」

「そうなのか…」

「ねぇ朝…僕も朝と一緒の国にいたの?」

「うん…そうだよ!」

「俺もおまえといたんだぜ…あの時の俺達は…」

「ねぇ…朝は達哉の何だったの?」

「そ…それは……」

「!」

「おい…朝…順平…」

「僕は大切って言ってくれた…達哉って言う人には何も言えないんだ…じゃ決まりだね!」

「え…何が決まったの」

「僕は…」ガハッ!

達哉は順平の口をふさぐ

「ちょっと達ちゃん何してるの!?」

「何すん…」

「順ちゃんが」

「気にするな…ちょっと外に行ってくる!!」

「え…」

「……。」

「がはー何すんだてめぇ!!!人の邪魔を…」

「朝は渡さん…」

「…カンがいい奴だな!なんで分かった?」

「おまえの行動を見りゃぁ分かんだよ…」

「おまえにも渡さねぇ…それによく考えてみろ朝は僕の時は、はっきりと大切だと言ってくれたんだ!それに比べてあんたにははっきりと言わなかったじゃねぇか!」

「…おまえは恋心を分かってねぇ!」

「あん?」

「本当に好きな人に面と向かってはっきりと言える奴がいると思うか?」

「でも朝は言ったんだ!!あれはじゃなんだったってんだ!」

「…おまえが記憶を失う前朝は…おまえの事を友達だと言った事でおまえをこんなふうにしたのは自分だってずっと悔やんでた…自殺をはかるぐらいの勢いだったとたかしに聞いた…だから今度は後悔しないように何処へもいかないように…そう言ったんだ…」

「じゃ…じゃぁ僕はどうすればいいんだ…朝の事…好きになった気持ちは…どう…した…ら…」

「別に好きなら好きでいてもいいんじゃねぇの…?人を好きになるのは自由だし…な…さぁもう戻んねぇと皆が待ってるぜ…」

「…あぁ…」

「……。」

「あ!戻ってきた…順平達哉明日にでもマカリタンに行く事に決めたからよ!イノの城によってからな」

「うんそうだな」

そして次の日…

「う…んやっぱ起きるのはきついわね!」

「そうだな…こんなにゆっくりして寝た事今までになかったな…」

「ハハ朝頭ボッサボサだぜ!」「うるさいわね!達ちゃんだってボサボサ頭のくせにー!」

「おまえほどでは…」

「皆起きたか!?…おまえらそんな髪じゃ外歩けねぇぞ…よし!ちょっとそこで待ってろ串とってきてやっから!」

「うーんありがとうたかしくん…ファー」

「……。」

「よし皆…髪はまとまったな!それじゃマカリタンに向かおう!」

「おう!」

「有休!きっとその子に会わせてやるからな!!心配すんな!」

「たかしを信じるよ…」イノの城に向かう皆…

トントン…カチャ

「誰ですかね?」

「あ…イノに会いたいのですが…」

「…ん?なんか怒ってるぞ…」

「…姫様を呼び捨てにする事はこの私ひつじが許しません!!イノ姫様とお呼びくだされ!」

「あ、すみません…それじゃイノ姫様に会わせてくださいませんか?」

ひつじは静かに頷いた。

「失礼します。」

「イノ姫様お客様でございます」

「たかし…皆さんも…」

「イノ姫…に話しがあるんだけど…今いいかな?」

「…私もたかしにお話しなければならない事がある…の…」

「イノ姫からでいいよ」

「…それじゃ私の部屋に来てください…」

「うん…」

「たかしだけに話したい事があるの…ごめんなさい朝さん順平さん達哉さん…それと…」

「俺は有休って言う」

「二人にさせてくれませんか?」

「うんいいぜ!」

パタン…

「話しってなんだ?」「…あの…わた…し…結婚しなくちゃいけなくなりました…籍は入れず形だけだけれど…」

「けっ…こん…相手は…いったい…?」

「…イミンと言う国の王子で…名前は…とおき…」

イノが一粒の涙を零したのを見てたかしはイノを抱きしめた。

「大丈夫だ…俺が何とかしてやる…だからもう涙は流すな…」

「…うん…たかしを信じるわ!たかし知ってる?女性には生まれた時から王子様がいるのよ…たかしは私のたった一人の王子様…ね…大好きよ…たかし」「俺もイノだけが大好きだよ…」

「ありがとう…それでたかしの話しって何?」

「あ…俺達マカリタンへ向かおうと思ってイノも来れるか寄ったんだ」

「何故そこへ行くの?」

「有休の初恋を探しに」

「あ、有休さんってあの山賊の?」

「あぁ」

「せっかくだけどいけないわ…お父様がいいって言ったら行けるんだろうけど…」

「駄目だ!!イノ今おまえがそんな事してる暇はあるのか!!!」

「イノちゃんなんか忙しいのか?」

「あぁ…有休すまんがちょっと用事があんだマカリタンは俺抜きで行ってこいよ…一応」

ごそごそ…

「首飾りは貸しとくから…それと地図も…」

「たかしおばさんが心配する事だけはすんなよ!」

「分かってる…」

「じゃ俺達もう行くな」

「いざって言う時はマリエさんもいるものね…!」

「失礼しました。」

「たかしの用事ってなんだろう…それより…山は危ねぇから気をつけろよ!」「うん!」

その頃たかしはというと

「結婚式までここで隠れてりゃ見つからねぇ…」

たかしは城の何処かに隠れてた…そこはイノの部屋のベットの下…イノにはもう言っているらしい…。

パタン…

「たかし…」

「イノ…結婚式はいつにあんだ?」

「明後日よ…でも有休さん達と行かなくてよかったの…?」

「あぁ言っただろう…俺がなんてかしてやるって」

「うん…」

「イノ…俺を信じろ必ず自由にさせてやる」「私は幸せな女の子ね…大好きな人が傍にいるなんてそして助けてくれる…」

「俺だって幸せさ!俺のたった一人の女の子にしたい…だから今俺はここにいる…昔は知らなかったこんなに手にいれたいほどの人と巡り会うなんてさ…運命だったのかもな俺らは…今日はもう暗い寝ようぜ!」

「うんおやすみ…」

「……」グゥグゥ…

「たかしおはよう」

小さい声でたかしを呼びかける…。

「うーんもう朝か…」

ゴン!

「痛てぇ…」「クス…たかしったら大丈夫?」

「ベットの下って事すっかり忘れてたぜ…痛てて」

「姫なんですか!!今の音は!?」

「あ…少し本を落としただけよ!!」

「そうですか…姫朝食のお時間です!」

「今行くわ!」

パタン…

「イノ姫いよいよ明日ですね!僕達の結婚式」

「はい…そうですね」

「何そんなしずんだ顔してるんだ…とおき王子がせっかく来ているんだぞ!」

「はい…すみません」

「緊張してるのかな?可愛いな…ますます気に入ったよ!まぁ今は朝食をとろう!」

「はい…」

「イノ姫…庭にいきませんか?国王様よろしいですか?」

「いいだろう!とおき王子が一緒なら安心だ」

「あの私用事がありますので…すみませんけど…」

「うーんそうか分かった今日はやめとくよ!明日は僕達夫婦になるんだもんな!いつでも一緒にいられるんだもんな今日はいいや」

「ありがとう…ございます…」

「……。」バタバタ…

「たかし?」

「イノ…」

「パン持ってきたわ!」

「ありがとうよ!もう俺腹ペコペコ…」

「……」

「美味しいなこのパン」

「そうでしょう?ここの城で凄く美味しいパンなのよ…凄く好き!…それでね…たかし今日朝食の時とおき王子がいた…の」

「え!?」

「シーたかし声が大きいわよ」

「イノ姫様どなたかいらっしゃるのですか!?」

「隠れて…」

「誰かおられるので?」バン!!

「いいえ!誰もいないわ!!!」

「そうですか…」

パタン…

「ふぅ…たかし…もう大丈夫よ…」

「行ったか…」

「……」

「国王様…」

「なんだ?」

「イノ姫様のお部屋に誰かいると思われます。」

「何!?イノの部屋に」

「はい!イノ姫様の部屋を通り掛かった時微かに人の声が二つ聞こえました」

ツカツカ…国王様は城中の人達を呼びだした…もちろん姫もいる。

「皆聞いてくれ!イノの部屋にくせ者がいるのだ」

「え…?何故…」

「やはりいるのか…!!!おまえの部屋の中に!!答えろ!!!」

「……。」

「答えないつもりか…そしたらわしが部屋の中に入って確かめてやる!!」

「…やだ…」

「おまえ達〜!!部屋へ行け!!わしの命令だ!」

「ハ!」

「い…嫌…行っちゃ駄目ー!!!どいて!勝手に入らないで!!」

バン!!

「たかし早く逃げて!」

「たかしだと…?あのボウズまた…許さん!!!」

「な、なんだ!!イノどうしたんだ!?これはいったい!!」

「早くこっちに来て!」

「逃がしはしない…追え!あの男を!!!」

「ハ!」バタバタ…

「こんなことになるとは…」

たかしは首飾りを皆に貸してるだから何処にも逃げられない!!

「イノこっちだ!!」

「待てー!!!!」

さっとたかしは隠れた。

「何処行った!手分けして探し出せー!!!!」

「たかし…ごめん…」

「いい!そんな事今は逃げる事だけを考えるんだ!!分かったな!」

「逃げてばかりじゃ駄目だぞ小僧!!」

「……。」

「たかし?どうしたの?気分でも悪いの…?」

「ここで待っとけ!!」

「たかし…何処に行くの!ちょっと何をするつもりなの?まさか…駄目…お父様の所行ったらたかし殺されるわ!!!」

「そんな酷い親なんてこの世にいんのかよ!大丈夫だ俺を信じてろ!な!」イノは涙を流しながら頷いた。

「貴様はー!!」

「話しがあるんだ!!」

「話しだと…」

「俺は自分の結婚相手は自分で決めるもんだと思うぞ!!」

「フ…聞くまでもないイノはそこらの女とは違うのだ姫なんだぞ小僧!!!」

「そんなん分かってる…イノは俺達と世界が違う…だが心は一緒だ!」

「何をわけの分からぬ事を…おまえら!この口の悪いガキを地下に閉じ込めとけ!!!」

「は、離せ!!この…」

「たかし…たかし!!!!たかしを連れて行かないでお願いよ!お父様…たかしを離して!や…連れていかないで!!!!」

「イノ姫!!」

「とおき…王子」

「姫何があった…あの男は誰なんだ!?」

「たかしだけだったのよ…私が唯一愛した男の人は…たかし…だけだったのよ…なのにどうして…どうして私は姫なの…何故自分で決めては駄目なの…恋ぐらい…自分で決めたい…」

「姫?何を言ってる!!僕達は明日結婚式なんだぞ!!!」

「とおき王子すみません…私貴方と結婚出来ません…本当にすみません…」

「姫!もう、あの男の事は忘れろ!!」

「嫌…私はたかしが好き…忘れられない…すみません…」

「そうか…その男が消えりゃいいわけだな…」

「や、やめて!とおき王子…そんな事させない!」

「クックック男はねイノ姫一度口にしたら絶対なんだよなー」

とおき王子はそう言った後走り出したそれを見てイノは慌てて追い掛けた。

「ここにいろ!」

「わぁ!!」ドン!!

ガチャ…

「く…どうしたらいいんだ俺はイノを助けるって決めたってのに…こんな事になるなんて…情けねぇ!!…イノどうしてんだろうな……ん?なんだこの音…?足の音が二つする…?」

バ!!

「おまえか!!!たかしとか言う男は…」

「あぁそうだが…おまえ誰だ?」「ハァハァ…とおき王子やめて!!たかし気をつけて…」

「イノ…?もしかしてこいつが結婚相手の人…?」

「そうだ!イノは僕と結婚するんだ!!でもイノは結婚は嫌だと言うおまえの事忘れられないと言う!おまえは邪魔だ!だからこの険でおまえを殺す!」

「やめてとおき王子!」

「フ…何言ってるんだよ…恋するのは自由だろ?」

「何が…何が!!自由なものか!!」

「俺は昔人を愛する事はなかった…けど旅をして分かったんだ恋する事は自由だってな!」

「うるせぇ!!」

カン!!!

「おまえも険を持ってたか…でもそんなんじゃ全然勝てまい…」

「やめて…」

イノは険を手で掴む…

「イ、イノ血が…」

「こんなの…平気よ」

「馬鹿なまねはやめなさいイノ姫!」

「私の言う事聞かないと私ここで死ぬわ!本気よ」「…姫分かりましたよ…もうこのへんにしといてあげます…どうせ明日には」

そう言って王子はさって行った。

「イノ…俺が弱いからこんな怪我まで…」

「たかしは悪くないわ…私が勝手にした事よ!」

「ありがとうな…」

「ここから出してあげるからこの合鍵で…」

「え…」

ガチャ

「さぁここから出ましょう…」

「あぁ!」

二人は出てゆく…外で何が起こってんのも知らずに

「な、なんだこれは…」「イノ姫今まで何処におられたので!?…ハ…君は!…とにかく君も逃げたほうがいい…」

「な、何かあったの?」

「あれを見てください」

「あ…れは…」

「なんだあのへんな奴は!?…は!皆!!」

「クックック…」

「あれは!!俺の首飾り…返せー!!!」

「おまえのだと…クック…ほしけりゃぁここまでこい!まぁ無理だけどな…」

「あ、貴方は雲の神…」

「そうだよ…お嬢ちゃん…クックック」「神!?それは何ですか!姫様??」

「亡くなった人は神になるのです!」

「え…」

「とにかくあいつの所に行かねぇと皆があれに乗ってんだ…俺は行く」

「たかし…どうやって…どうやってあの人は空にいるのよ!」

「なんとかする昔人間だったんだ!人間だ同じ人間!!!」

「貴方ならやりそうね」

「俺はどんな困難が来ても負けねぇ!だから信じてろ俺を!!」

「うん…頑張って来て」

「あぁ!」「姫様はあの男の事が好きなのですか?」

イノは静かに頷いた…

「そうですか…実は私も昔人を好きになった事があるんです…と言っても昔の事ですけど、今はこうして城の家来としているんですけどね…」

「そうなの?何故その男性と別れたの?」

「…死んでしまったのです…だから先程姫が言ってました神様というのになられているのでしょう…会いたいです…その人にもう一度あの笑みを見たい…は、すみません姫様でしゃばって…」

「いいのよ…泣きたい時は泣いて…我慢しないで…会えるといいですね。」

「ありがとうございます…姫様」

「…たかしはどうなってるのかしら…」

「このやろー!聞けよ人の話しは!!!」

「ふん!聞くまでもないぜ…」

「何してるの…?」

「こいつも有休みたいにいかねぇかと思ったんだ…でも俺の話しを聞こうともしない!」

「ふん!誰が聞くもんか!その有休ってのが弱かっただけじゃねぇの?俺様はそんな心は弱くないんでね…俺様は人を好きんなった事もねぇし、人に愛された事もねぇしな!」

「おまえってかわいそうな奴なんだな…」

「んだと!俺様は一人が好きなんだよ!!ふん!おまえには分かるまい…」

「一人が好きなんて嘘だ!俺は一人だったらたまんねぇな!」

「あん?それはてめぃだろ!おまえと一緒にすんじゃねぇよ!!」

「口が悪い神だわ…」

「…似てる…」

「え?誰に!?」

「あの人に…口の悪さがよく似てる…」

「もしかしたらその人じゃない?」

「何をぬかす…俺はおまえの事など…ん?ちょい待ててめぇもしかして」

「…アンジさん…?」

「やっ…ぱり…俺様が死ぬ前に会った…ような…」

「やっぱりアンジさんなの…ね…」

「世界は不思議よね…いえ世界は狭いと言うべきかしら…?こうやって巡り会うまるで必然のように…会いたい人に必ずいつか会えるようになっている…」

「マリエ…」

「すみません…私がいながら…」

「…皆は…」

「ただ眠ってるだけです…よ!この方が助けてくださったのです」

「…え!?って事は!」

「アンジさんが?」

「えぇ…」

「…勘違いすんな…ただ仕方なくだ!!!」

「…そうとは知らなかった…ありがとうな!」

「だから勘違いすんな!!俺様はおめぇらなんか本当はどうでもよかったんだ!だけど神の執念かいつの間にか助けてしまっただけだ…俺様は人間なんか大嫌いだ!!!俺様は一人がいい!!一人で生きてきて一人で死んだ!!親もいない小さい時どっかに行きやがった…俺様は自分が嫌いだ!!大嫌いだ!何回も何回もリストカットやしてたそれでも死ねなくて…自殺では死ねなかったが病気にかかって死ねた…こんな世界にいたくなかったから死ねて嬉しかったんだ!!外では明るい人を演じたりしてたけどな!!」

「アンジくん…そんなふうに自分を責めないで…私はそんな貴方を見たくない…わ!!!」

ゴロゴロ…

「な、なんだ!?雷…」

「おめぇらには分からないだろうな俺がどんな思いで毎日いたのかが…親には捨てられ家には誰もいねぇ暗い闇の中で一人でいた食べ物もろくにありゃしねぇ…町の人々は俺様の事こう呼んでたよ…まるで幽霊だ…ってな!!!元気なのは元気だったさでもどうしても顔に出ちまう…だから女!俺様を好きにならないほうがいい…」

「い、嫌…私はアンジ君がそれでも好きなのです…!幼い頃からずっとアンジくんだけを見ていたの…もう忘れられない人になってしまったの…私…貴方がそのように言われていた事は知っています…けど私は信じてはいませんでした…信じられなかったのです!」

「俺様は分からねぇ…分かんねぇよ…」「おい!アンジ俺だって親に幼い時捨てられた…でも…でも!!!その親は戻って来たんだ!!おめぇの親だってきっと何処かにいるはずさ!!苦しんでんのはおめぇだけじゃねぇ!おめぇの上にのってる達哉、朝、順平、有休そいつらは親を早くに亡くしてんだ!!それでも一生懸命に死ぬなんて言わねぇで生きてきたんだぞ!それに比べておめぇは何だよ!死にたいだ!リストカットだのそれじゃなんの為に産まれてきたんだよ!おまえは!?死ぬなんて考える奴ほど愚かな奴はいねぇよ!!!」

「……。」

「なんか言え!!」

「……。」

アンジは黙ったままたかしのほうに降りてきた。

「アンジ君…」

「俺様の負けだ…こいつらは返してやるよ…」

ドン!!

「…痛てぇ〜!なんだ?あれ俺らは森をぬけた所なのになんで戻ってんだ?」

「大丈夫なのか?」

「ふへ?あれ私達何があったんだろう?ずっと夢を見てた気がするわ」

「おまえら…」

「あれ?たかし君…?」

「…あんたらが寝てたから俺様の上に乗せてやったんだ…」

「…く、雲!?」

「こいつは雲の神さ!」

「ねぇ変じゃない?雲の上って普通乗れないわよ」

「確かに変だよな…」

「俺様は神だぞ!だからそんな事余裕だ!」

「はぁ…なんで俺ら寝てたんかな…寝てしまう前は…あ、そうだ!きれいな花を見たような気がする」

「それしか覚えてないか!?他の事は?」

「ごめん…全然…」

「何の話しだ?」

「マカリタンに行く所だったんだよ…」

「はぁ…またあの森を歩かなくちゃ駄目なのね…で、そこの神はなぁに?たかし君?」

「あ、アンジって言うんだ…新しく出来た友達」

「だ、誰が友達だ!!俺様は一人がいいと言ったはずだろうが!!」

「またそんな事言って…本当は一人が嫌なくせして、私はずっと見ていたのだから分かるわ!アンジ君は怖いんでしょう?人に嫌われる事が…」

「だったら笑うのか」

「笑ったりしないわ!」

「おめぇ名は…?」

「ネオンよ!」

「ネオンか…俺の何処がそんなに好きなんだ?」

「…笑顔がとっても素敵なところよ…」

「そうか…ネオン…ごめんな俺そんな奴じゃねぇから…」

「や…私…好きなんです…それでも…それでも!!!アンジ君は私の事嫌いなのですか…?」

「そういうわけじゃねぇよ…ただ俺は愛される資格なんてねぇ男だから…」

「そんな人いないわ!!!愛される資格がない人間なんてそんな人何処を探したっていませんよ!!どんな人でも誰かに愛されたら嬉しいはずよ!私はたかしに愛されて嬉しいわ!!」

「イノ姫様…」

「アンジさんだってそうでしょう?」

「…俺は…愛とかよく分かんねぇ…愛したって人はどうせ最後には死ぬんだぜ…それじゃ愛するだけ虚しいだけって思ってよぉ…だから俺は今まで誰も愛さないようにしてきたんだ…」「アンジさんの言う通り人は最後には死ぬわ…どんなに愛し合っていても…どっちかが先に亡くなったりしたら凄く悲しくて苦しいわよね…けれど失うのが怖くて誰も愛しないでいたら世界は終わってしまうわ!人間は生命を生み出す大切な役目があるのだから…」

「…でも俺は死んでいる…今更愛なんて馬鹿馬鹿しいにも程がある…」「…私はアンジさんに出会えてよかった…です…例えどんな姿でも私はアンジさんに出会えてよかったと思っています…」

「ネオンと言っていたな……俺の事好きになってくれてた人がこうしていたんだな…ありがとう…ネオン俺は一人と思い込んでいた…死んだ時はあまり悔いはなかったが…でもやっぱ生きてる時に言いたかったぜ…ネオンおまえが好きだ」

「え…アンジ君それ本当!?」

「俺は冗談で好きなんて言わない…」「よかったですね!アンジさんと両思い…」

「ありがとうございます。姫様…」

「そうだ!そのマカリタンって所俺様がつれてくよ…!」

「え?そりゃありがてぇ…たかし行こうぜ!」

「すまん…俺にはまだ…やらなきゃいけない事があんだ…」

「何をやるんだ?」

「イノ言っていいか?」

「うん…いいわ!」

「イノは明日結婚式なんだ…相手はとおきって言ってイミンっていう国の王子らしいんだ…」

「イノちゃんが…結婚…?それは本当か!?」

「あぁ…俺はイノを自由にさせてやるって決めたんだ!だからマカリタンはおめぇらで…」「そんなん嫌よ!私達友達でしょう?私だってイノちゃんを助けてあげたいわ!!!」

「俺だって…」

「分かった…どうするか皆で決めよう!」

「何か意味分かんねぇけど大変そうだな…うし!俺も協力してやるぜ!」

「ありがとう!みん…」

ドサ…

「イ、イノどうしたんだ!?」

「フ…イノには少しの間寝ていてもらう…」

「お、おまえは…誰だ」

「お忘れかい?」

「と、とおき様!!姫に何を…」

「俺はイノを独り占めしたい!たかしなんかに渡すものか!!おい!そこの家来国王様にお伝えしろ…くせ者がこんなにいるとな!!ほら早く行け!!」

「嫌です…」

「何!?僕はイノの結婚相手なのだぞ!!そんな事言うとおめぇもただじゃおかねぇんだぞ!!」

「私は例え死のうと伝えません!とおき様こそ姫にこんな事やって…貴方こそただではいかない!」

「何だと!生意気な女だ!ただの家来なくせして」

「おい!王子だかなんだか知らねぇがその女に手出ししたら俺が許しはしない…」

「アンジ…君」

「うわぁなんだく、雲!?が喋った!お化けだ!」

「お化けか…んじゃこれならどうだ?」

「アンジが人間の姿に」

「な、なんだ?おまえはいったい…」

「…神」

「神だと?そんなんいるわけ…ない」

「いるぜ…神様は俺も信じちゃいなかったがな…神なんていない…いるんだったらなんで俺はこんなんなんだって不公平だってな…でも死んで分かった神は死んだ奴らがなってるってな!木や川や本や鉛筆…いろんな所に神はいる俺みたいに雲の神になってる奴もいる…」

「こ、これは夢だ!」

「夢じゃねぇ!!ちゃんとした現実さ!信じらんねぇのは分かる…けどこれは、現実なんだよ」

「お、俺はこんなん信じない!信じない!!そ、それじゃ俺が死んで確かめてやる!!!」

「やめろ!!とおき!馬鹿な事は!!」

「呼び捨てをするな!」

「命をそんな事でなくすんじゃない…死んだら二度とイノと結婚なんてできねぇぞ!!」

「イノ姫…と…そんなんやだ…嫌だ!姫の事大好きだからまだ死ねない!!」

「そうだろ?でも俺もイノの事大好きだ…」

「やだね…おめぇにはイノ姫は渡さねぇ!!」

「こっちだって!!」

「…たか…し…」

「イ、イノ!!!」

「寝言だ…とおき王子よく聞け今のイノの心の中はたかししかいない!」

「う…嘘だ!!信じない!!そんな戯言など…」

「…イノ姫様!何処におられるのですか!」

「イノー!!!」

「やべ…国王様だ!イノ起きろ!!」

「う…んたかし…あれ?私寝てしまっていたの…え…とおき王子が何故…」

「後で話す…今国王様がいる…俺がいたらまた牢屋行きだ…俺はちょっと隠れとく…皆もどっかに…イノその傷治しといたほうがいいな…アンジ俺の首飾り返してくれ…」

「おう…こんなんで治るのか?」

「あぁ」スー

「き、傷が消えてく…」

「じゃな!イノ後でくるから…」

「たかし…?」

きょとんとしてたイノをとおき王子は悲しい目で見つめていた。

「あ…イノ姫ここにおられたのですか!国王様がお待ちですよ!とおき王子様もそれにネオン…国王様が待っています。」

「おぉ…イノ無事だったんだな!!わしゃ心配で心配で…」

「お父様…」

「さぁ城の中に入るとしょう」

「こ、国王様ー!!牢屋に奴がいません!!!」

「何?それは本当か!」

「はい!見回りに来た人が言っていました!」

「ネオン、ラドン、リン!すぐに見つけだすのだ!!そう遠くにはいっていまい…」

「ハ!」

「ネオンさん…」

「とおきイノ先に城へ向かっときなさい!わしゃ後で行く…」

「お父様たかしを殺さないで!!」

「イノ姫、城に行きましょう!!」

「嫌ー!!たかしが死ぬのは嫌!やめて離してください!手を離して…」

「イノ姫諦めるんだ!奴の事など忘れろ…いいな」

「嫌よ…嫌ー!!!!」

パタン…自分の部屋。

「たかし…なんで…なん…で…ただ部屋に入っただけじゃない…こんな事ってないわ…なんで私は姫なの…よ…」

「イノ…」

「誰…?」

「俺だ!」

「た、たかし…なの?」

「あぁそうだ!」

「い、いつ来たの…」

「へへ…俺泥棒になれそう…この針金で窓から入ってきた…いつってイノと別れた時にさ!さっと城の裏に行ったんだイノの部屋は三階だったからちょっと大変だったけどな」

「み、皆さんは…」

「アンジに乗せてもらってるよ…それよりなんでさっき泣いてたんだ?」

「たかし…牢屋にいないって外で騒いでいるわ…だからここを絶対動かないで…見つかったら今度こそ…危ないわ!」

「でも、明日はイノの結っ…」

「シー私は大丈夫よ…自分でなんてかするわ…たかしが危険な目に合うのは嫌だもの…」

「イノ…」

「…でさっきはなんだったの…?後で話すって…」

「あ…それは…」たかしはさっきの事を話した…。

「と、とおき王子がそんな事を…私が寝てたのってとおき王子が…」

「あぁそうだ!とおき王子はイノの事本当に好きらしいんだ…」

「私はそれでもたかしだけだから…私…我が儘ね」

「イノ…我が儘じゃないと思う…俺だって…」

コンコン…

「…た…たかし隠れて…どなた?」

「僕だよ…」

「とおき王子…」

「うん…入っていいかい…?」

「え?だ、駄目!」

「…さっきはごめん…でもこれだけは聞いてくれ…僕は君が大好きだ…たかしの事忘れられないのは分かってる…僕もそんなに馬鹿じゃない…じゃなお休み…イノ姫…」

バタバタ…

「とお…き王子…私どうしたら…」

「イノ…あいつなんだって?」

「私にごめんって…それと…好きって…」

「ふーんあいつ案外やさしいかもな!」

「そうね…朝さんの言った通りね…魔法にかかった人は…優しくなるって言うの…」「あぁ!それ本当だよ…俺も昔母さんから聞いたんだけど昔な…人を愛する心をなくしてるみたいなんだ…それで母さん愛にかんする本いっぱい買ってきたって言ってた」

「あ…あの時眠れる森の美女の本とか言ってたわよね…?」

「あぁ…俺その本見ても何も感動しなくてさ!そのまま体だけが大きくなっちまって…でもイノに会って始めて分かった…人を愛する大切さをな…俺も魔法にかかったみてぇだ…今日はもう寝よう…明日はあれだしな…じゃおやすみ…」

「うんおやすみ…」

そして朝になった。

「イノーきれいだぞ!わしゃ嬉しい」

「イノ姫様バンザイ!」

「ほらほら何そんな浮かない顔しとる…とおき王子があそこで待っとるぞ!」

コツコツ…

「待て!!」

「な、何もんじゃぁ!」

「やっぱじっとなんてしてらんねぇよ!!」

「たかし…」

「こやつまたしても…」

「誰なんですか?あいつは!?」

「とおき夫妻…わしもあんまり知らんのだがあの小僧はイノを狙ってるのだ」

「何?姫を…」

「取り押さえろ!!奴を!!!」

「ハ!」

「こ、このやろ!離れろ!おいネオン!こいつらどうにかしてくれ!!」

「すみません…ここで貴方の事助けたら私もどうなるか…」

「俺はイノの親父に用があんだ!!愛は親が決めるもんじゃねぇよ!!自分で決めるもんだ!親が嫌って言ってもそれは親の意見だろう?子供の意見も聞いてあげろってんだ!!!」

「小癪な…こいつはこの式が終わったら死刑だ!!!死刑台を用意しとくのだ!その間この小僧は牢屋にでも閉じ込めとけ!!今度は逃げ出さないようにだ!!早くしろ!!!」

「ハ!分かりました」

「は、離せ!!このやろ!!!」

「たか…し…や…嫌よ…や、やめてたかしが死ぬのだったら私も死ぬわ…」

「何を言っているのだイノ!!!」

「私…たかしの事が大好きなんです…たかしといると暖かくて嫌な事もいい事も忘れてしまいそうなぐらいたかしが好き…」

「それじゃとおきはどうするのだイノ!!!」

「そ、それは…」

シュー!!!

「な、なんじゃ!あやつらは…あの雲…は?」

「イノ姫は連れてくよ」

「は…朝さん達…」

「追い掛けろー!!」

「アンジ君…」

「イノ!たかしは!?」

「た、たかしは…牢屋に閉じ込められ閉じ込め…ヒック…」

「たかし君が!?」

「アンジ牢屋に行くんだ!速く!!」

「あぁ!任しときな…スピード飛ばすぜ!落とされんなよ!」

「おう!」

「着いたぜ!」

「…っ…あいつら無茶苦茶しやがる…ん?」

「たかし!!助けに来たぞ!!」

「イ、イノそれにみん…な…」

「たかし…」

ガン!!!

「たかし今出してやるかんな!!!」

ガン!!!

「そんなんぶつけなくても俺が鍵穴に入って開けてやるよ…」

「そ、そうかアンジ君は雲だから…」

ガチャ…

「さぁ…開いたぜ!」

「アンジありがとうな」

「ここからどうするかだ…な…」

「どうするんだよ!これ…何かをぶつけたらたかしの手が…」

「あ…マリエさんならどうにかできるかもしれないよ!」「そうだ!マリエを呼ぼう!」

「……。」

「マリエ頼むこれ外してくれ!!」

「ですけど…私にはそのような力はありません…とても残念です…すみません…神なのに…」

「あ!あれ使えねぇか!?ほら有休の時使ってた奴!!!」

「ですけど…あの力はパワーが凄いんです…あの力を使ったらたかし君の手が粉々になってしまうんです…あの時有休さんにあたってあらと思うと…」

「それじゃ…どうしろってんだよ!!ここまで来て…救えないなんて!!」

「嫌ーぁ!!!たかし」

「ねぇ!?どうにかなんないの??こんなのってないわよ!!」

「皆…ごめんな…こんな心配かけて…全部俺のせいだ!もう少ししたら国王が来ると思うから皆隠れとけよ…」

「で、でも!!たかし…が!!」

「い、嫌よ!私はたかしの傍にいる!!」「俺達だって!男は逃げてはいけない時があるんだろ!!だったら俺は逃げたりしねぇよ!仲間だろ!」

「イノ!!おまえら何をやっとる!!は…鍵が開いとる…誰の仕業だ!まぁそんな事はよい…ラドン!」

「ハ!」

「こっちへこい!!」

たかしの手をつかみ外へと連れて行く…。

「たかし!!!どうするんだ!連れてかれちまった!とにかく行くぞ!!」

「うん!!!」

「乗れ俺に!!モースピードでって何処にいけばいいんだ!?」

「真っ直ぐよ!アンジさんお願い!」

シュー!!!

「ここよ!!たかし…」

「姫!!このような所に来てはなりません!」

「嫌離して!!ラドンさん!!お願い…お願いします!!!!」

「ですけど国王様がいけませんと…ですから離すわけにはいきません!!」

パッ!

「あ!姫様!!」

「俺らも行くぜ!」

「たかしー!!」

「イノ!!何故こんなとこに…」

「たかしがいなくなるなんて嫌だもの!!!」

「おい!国王だかなんだか知らねぇがな!国王でもやってはいけない事があるだろうが!!」

「…アンジ」

「ん…声が何処かで聞こえてくる…」

「そう心の狭い人には神の姿は見えないのです…」

「まぁいい…ラドン!はりつけ死刑実行だ!!」

「ハ!」

「お父様やめて…やめてやめてやめてよ!!!」「もう遅い…こやつはわしを怒らせたのだ!」

「ハ!国王様死刑実行できます!!」

「わー!!」

人々の声で城中を包む…その中にはたかしの母が…

「たかし…たかし言ったじゃない…心配かけないでってなんで…」

ガタン…

「危ないですからあがらないで下さい!!」

「私はたかしの母よ!通してください!!!」

「いえ例え母でも通しません!!」

「あの子の母親だって…たしかあの子を捨てたとかで…」

「たかしの親じゃと…」

「そ、そうよ!だからたかしを助けたいんです!」

「そうかい…」

ガン!!

「う…ぁあ…く」

「たかし!!!!」

「待ってください!!国王様!!」

「なんじゃ…とおき」

「たかしを殺さないでください!!」

「なんだと…」

「ハァハァと…とおき…ハァ…な…ぜ…」

「僕もいろいろ考えた…いろんな事たかしに教えてもらった気がする…」

「とおき王子…」

「イノ姫ごめんねいろいろと…」「たかし…」

「か、母…さん…ご…ごめ…っ…」

「えーいうるさい!!リンその女を黙らせろ!!」

「かしこまりました」

「や、通して!!たかしがたかしが!!!もう誰も失いたくない…お父さんお願いたかしをたかしを…」

「静かにしてください」

「う…うあぁ…」

「た、たかし…!!!」

「……。」ガク…

「たかし!!」

「……。」

「たか…し…嫌よ…や…嫌ー!!!!」「目あけろよ!!!たかし!!!嘘だろ!!な?たかし返事しろよ!!!」

「ハハハ気を失っとるだけじゃよ!おめぇらはさがっとけ!!ラドン火だ火をつけろ!!」

「ハ!」

「たかし嫌よ!私…私も死ぬから!!!」

「死刑は終わりだ!あの小僧は跡形も…な、なんだ!これ…は…!!」

「焼けてない…どうなってどうなってるんだ!!

「火が守ってる…」

「そ、そんな事が…」

「…の…よくもこん…」「あ、貴方は…」

「ば、化け物だ!!!逃げろー!!!」

「…お父…さ…ん…」

「…元気だったか…」

「た、たかしのお父さん!?」

「するとたかしのお父さんは…火の神…」

「あぁそうさ…君達は、たかしのお友達かい?」

「はい…」

「そりゃよかった…たかしにやっと友達が出来て…僕は嬉しいよ…」

「やっと…?」

「イノ誰と話してるんだ!!!」

「…神よ…」

「神なんじゃそれは…」「信じてくれないかもだけど…死んだ人は神になるんです…その神は心の広い人にしか見え…」

「わしをからかっているのか!!!」

「いいえ…本当に神がいるのよ!お父様!」

「わしには見えん!見えんのはおらんのと同じ…」

「国王様!!」

「何だ!!」

「ハァハァ…ハァ」

「たかし…!!」

「イ…ノ…っ…」

「たかし君!!!」

「たかし気がついたのか…よかった…」

「だ…誰…」

「おまえの父さんだよ」

「と、父さ…ん…」

「あぁ…会えてよかったよ…本当に」

「なんの神…に…」

「火の神さ…」

「そ、そうか…だ…から俺は…」

「あぁ僕の力で守った…ふぅ変わってないな…おまえは…」

「え…」

「そうか覚えてないんだったな…」

「父さん…?」

「たかしは七才からの記憶がないんだ…あの時からね…国王!声だけは聞こえるでしょう…僕は神です…どうかたかしを許してやってください!」

「お父様お願い!」「お願いです!国王様」

「ネオン!!何故かばうのだ!」

「私には人を失う気持ちが分かるから…だからお願いします!国王様だってお分かりでしょう?」

「……勝手にせい…」

「い、いいんですか?国王様…」

「わしは知らん!!勝手にしろ!!わしは城に戻る!!!」

「な、なんだありゃ…」

「お父様も昔お母様を亡くしたの…それで思い出したんだわ…ラドン…お願い!!外してください!!」「姫がおしゃるのなら…外しましょう…ですけど跡は残りますよ…血がとまらなくて内出血して死にあたるケースがあります…それでも外すと言うのなら外しますけど…」

「そ…それじゃどうすればいい…のよ…」

「外せ…大丈夫だ…」

「あれ?私黒焦げになったと思いていたのに何故なってないのでしょう?」

「だ、誰だ!!」

「この声は…まさか!!セレン…なのか…」

「久しぶりですね…ラドンそれにネオン、リン…」

「セレンちゃん…」

「…あら?どうやらお困りの用ですね…木は紙になるわ…ほかにもいろいろとね!だから私の木のかけらで傷を押さえるんですよ…このかけらを傷口を押さえる道具にしましょう。」

「そんな事出来るの?」

「えぇ!…ハ!」

「す、すげぇ…木が…」

「手品みてぇ…」

「これを使ってラドンこの子の手に刺さってる物をとるのでしょう?でもこれで押さえたらいいですよ」

「ありがとうございますセレンさん…」

「外しますよ…」

「…っ…う…く…」

「とれました…」

「早くこれで押さえるのです!!ておくれになっちゃう!!」

「はい!」

「もう一個を外します」

「く…ぐわあぁああ…」

「早く!!」

「はい!」「…これで大丈夫だと思うわ!死刑やって生きてる人って貴方ぐらいね…それじゃ後は包帯で…ハ!ほら包帯よ!これで巻きなさい…リン!包帯が上手に巻けるテルルがいたわよね!」

「うん…ちょっと待ってて呼んでくるから…」

「テルルは医者の息子だったからね…ほら来たわ」

「なんだよ!リン引っ張んなって…って言うかセレンは死んだろ!セレンからって!!」

「セレンちゃん!テルル呼んで来たよ!」

「何言って…リンとうとうボケたのか!」

「ボケてなんてないわ」

「リン!ありがとう!テルル連れてきてくれて…」

「この声は…嫌空耳…」

「セレンちゃんよ」

「セ…レ…ンなのか…嫌あいつは死んだ…はず…」

「テルル…こうしてまた会えるなんてね…テルルしてほしい事があるの…この子に包帯を巻いてあげてくれる?」

「…セ、セレン…」「テルル呆然としてる暇はないの…早くしないと出血が酷くなって手遅れになっちゃう…」

「…セレンが言うならするよ…」

「…本当に上手だわ…テルルさんありがとう!」

「ありがとうな…」

「あ…あぁ…それより本当…にセレン…なのか…セレン!!!」

抱き着こうとするテルルの思いは虚しく通り抜けてしまった。

「そ…うか…おまえは死んだんだよな…何やってんだろ俺…ハハ…セレンにもう触れる事すら出来ないんだよな…」

「テルル泣かないの!男の子でしょう?」

「だ、だってよ…俺おまえの事好きだったのによ…俺をおいて先にいきやがって…」

「テルル…ごめんね…」

「小さい時から一緒にいたおまえが突然俺の前から消えやがって…俺は寂しかった忘れようとしてたのに出てくるなんて…ヒック」「テルルさんとセレンさんってどういう関係だったの?」

「ただの幼なじみですよ…イノ姫様」

「へぇ初めて知ったわ」

「なー父さんあん時言ってた七才の頃の記憶がないってどういう事か知りたいんだけどさ…」

「あれはね…たかしが初めて人を好きになった頃だったかな…」

「え…?」

「その子は…まきなって子で年はたかしの一つ上…でもその子は…亡くなってしまったんだよ…その時点から突然たかしが暴れだしてね…僕はまきなちゃんの所いくって言い出して大変だったよ…そして階段から落ちて頭を強くうったせいか記憶を失ったんだよ…」

「そんな…事が…」

「たかし…」

「イノ心配するな!今はおまえだぜ!な?そうだろ?たかし…」

「あぁ!そうだ…今はイノが…例えその子に会ったとしてもイノだけだから」

「そうか…そしたらその子を大切にするんだぞ!たかしどうな事があっても男は逃げてはいけない…昔話したね…」

「…男は何故逃げてはいけない時があんだ?それがずっと分からない…」

「そうだな…たかしはどんな時に逃げてはいけないと思う?」

「…誰かを守る時か…それとも…」「答えは人それぞれ…僕は自分の気持ちに逃げてはいけないと思うけどね…男に限らず人間誰しも…な…心が駄目だって思ったらその時点で何もかも駄目になってしまうからね」

「そうね…自分の心に逃げてはいけない…例えどのような事があろうと…自殺してにげてはならない…例え死んだ理由が病気であろうと自殺という行為をして逃げてたのに変わりはない…アンジさんのように…」「そうだな…俺は逃げてたんだよな…自分の心に…へへかっちょ悪りぃ…リストカットだってやるはずじゃなかったが…心に負けてやってしまった…」

「アンジ君…」

「ね?リストカットって何なの…?ずっと気になってたんだけど…」

「…腕をカッターとかで切るんだよ…俺も昔やった事がある…人が自殺する時一番最初にやる行為だよ…今思えば馬鹿だった…」

「たかし!!それ本当なの!?リストカットなんてやってたの!そこまで追い詰めていたの!!」

「母さん…すまん…」

ぷいと横をむくたかし…

「私が…どんな思いで」

「でも俺を捨てたじゃねぇか!!まだ九つの俺を一人おいてった…そん時の俺の気持ち…母さん父さんに分かるか!!」

「たかし言い過ぎだぞ」

「関係ない奴は黙ってろ!!!!!」

「たかし!理由があるんだよ!それは…国の掟だって!!!!」

「お…掟!?」「たかし僕達の国ではね…かわいい子には旅をさせるって言う掟があるんだよ…だからたかしを決して捨てたわけじゃないんだよ」

「それじゃこの首飾りって何なの?」

「…この首飾りはね…たかしが記憶をなくしたあとに商店街で買ったやつさ…愛を呼ぶ首飾りって書いてあったからね…まぁ世界では別の呼び方になってるみたいだけど…なんてったかな…?」

「…幻の首飾り…」

「あぁそうそう!あれなんで知ってるんだい?」

「…本に書いてあってさ…それより愛を呼ぶって」

「たかしは…まきなちゃんが亡くなった事もあって記憶を失い愛する事も忘れていたんでね…この愛を呼ぶ首飾りをたかしに渡したんだ…そしたらこんなにすごい恋をしてるなんて…この首飾りの効力は凄いものだね」

「…俺はそういうのは信じてねぇ…俺達が出会ったのは必然だ…」

「まぁそうしとくよ…でもまぁお城のお嬢様と恋に落ちてるなんて僕はびっくりしたな…姫たかしをよろしくお願いしますよ!」

「はい!」

「…出るまくなしか…たかしだったらイノを譲っても…」

とおき王子はそう言った後たち去ってしまった。

「…ごめんね」

「恋というものはとても悲しいものだね…」「そうですね…好きな人に近づきたくても近づけず…そのまま終わってしまう恋もあれば勇気を出せずにずっとその人の事を忘れる事が出来なくて会うたびドキドキして切ない恋もあります…本当に…辛いですよね…恋というものは…」

「マリエさん…」

「あ、すみません…また泣いてしまいました…昔の事考えると…」

「泣きたい時は泣いていい…大人だからって恥ずかしがる事ない…」

「ごめんな俺があんたを殺したから…謝って許してもらえる事じゃないよな」

「有休さん…」

有休は膝まづいた。

「…もういいわ!今はあの時の貴方ではないもの…それに私がボーとしてたのが…有休さん頭あげてください…」

「でも俺はおまえの幸せな時を奪っちまったんだ」

「…今でも幸せですよ…あきらに毎日会えなくても…会おうとすればいつでも会えます…」

「…有休!大分遅くなっちまったけどあの子に会いに行こう!マカリタンに」

「お、おう」

「イノ行こうぜ!ネオンいいだろ?」

「国王様にお伝えしに行きます!」バタバタ…

「何だ?ネオン!」

「国王様お願いがございます。イノ姫様を…マカリタンへたかし君達と行かせても…」

「あの小僧は助かったのか?」

「はい!」

「どうやってだ!あの小僧の手には刃物が突き刺さってたはずだが?」

「それは…その…セレンちゃんが…」

「セレンは死んだはずだ!おまえもわしをからかっておるのか!!」

「いえ…本当です…」

「嘘をつくな!!わしはそんなん信じんぞ!!それにイノを外に出してはならん!!!」

「そこを何とか…お願いします…」

「…じゃおまえもついて行け!それならいいとしょう…」

「はい!そうさせていただきます。」

バタバタ…

「あ!戻って来た!…どうだった?やっぱ駄目だったか?」

「いえ!私も行くならいいと…」

「本当か?よかったな!イノ!」

「うん!ありがとうネオンさん」

「アンジごめんな?重いだろ…」

「別にいいよ!っていうかあんたらまで何乗ってんだよ」

「決まってるじゃない姫様が心配だからよ!」

「まぁ…いいけど…じゃ行くぜ!落とされんなよ」

シュー

「わー速い…周りが見えないわ!」

「そうだな!」

「お!見えてきた!マカリタンだ!」

「よく分かるな!アンジもしかして行った事あるのか?」

「へへ…ちょっとだけな…幼い時に…」

「アンジ!森のほうに降りよう町には人がいる…驚かしちゃいけない」

「そのつもりだぜ!」

「どの木かな…木なんていっぱいあるから…」

「町に行って聞いてみようぜ!」

「ちょっと待った!俺覚えてるかも…家の前に大きな木があったような…確かこの道を真っ直ぐ行って右に入った所だったような」「行こうぜ!有休会えるかも知れねぇ!」

「え…でもその家なのかどうか…」

「行って見なくては分かりません」

「お、おう!」

「…ここだぜ!この家がそうだ!お?」

「あの子だ!」

「何してんだろう?」

「ねぇ泣いてない?」

「呼んでみようぜ!」

「でも驚かすんじゃ…」

「麻下さん?」

「えぇそうですけど…貴方どなた?…は!あ、貴方は…や近寄らないでください!!」

「…一目会えてよかった…じゃ」

「お、おい!これでいいのかよ!何の為にここまで来たんだよ!有休!」

「仕方ないさ…俺はあの子の親を殺しちまった…んだ…」

「この木が小さい時好きだった木?」

「な、何故その事を…」

「ほら有休出て来いよ」

「……」

スーと何も言わず木の中に入っていった。

「友子さん待って下さい…!!」

「だ、誰か来るぞ…」

「…何をするんだ!」

「お!この木だったな」

「叔父さん達誰だ?」「お!君達仕事の邪魔だからあっちにいきなさい」

「切り倒しますよ!まことさん」

「切り…倒す…や、やめろあの中には…あの中には!!!!」

「なんだね君達は!」

「あの中には友子さんが入ってるんだ!!やめてください!!」

「何を馬鹿な事を言ってるのかね?」

「友子!聞こえてんだろう?無視してんじゃねぇよ!!!出てこい!だからさっき泣いてたのか!?」「…私はこの木の神です…だから精一杯この大好きな木を守ってきました…でもこればかりは私の力ではどうにもならない…私はこの木と一緒に消えます。」

「消えるなんて言うなよ!俺はいつでも君に会いたい!!!」

「そうだぜ!おい!叔父さん達この木を切らないでくれ!!」

「神???」

「空耳かのー?なぁ?まさしさん…」

「…だ、誰じゃ君は…わしの目どうかなったのか!木の前に女性がおる…」「へ?何を言っておる!?女性なんぞおらんぞ!」

「お、おまえ達には見えぬのか…この子は…確か麻下さんとこの友子ちゃんじゃ…亡くなったはずの」

「友子?って…お化けじゃあー!!」

「神よ!叔父さん達!友子さんはお化けなんかじゃないわ!」

「ど、どうか許してくだされ!!!もうしませんから命だけは…」

「それ本当ですか?」

「は、は、はい!!」

「叔父さん…神はそんなに怖くありませんよ」「まことさん行きましょう…」

「はい!」バタバタ…

「ふぅ…なんとかよかったな!」

「はい…ありがとうございます…」

「ん?俺達は何もしてねぇぜ…友子がこの木を守ったんだ!な!有休!」

「あ、あぁ…」

「わ、私…貴方の事許してませんから…」

「待って!友子さん…俺をさけないでくれ!!俺が悪かった許してくれないのは分かってる…俺が馬鹿だった!!!」「今更なんですか!今頃謝ってこられても困ります!貴方には分かりますか!?一人だけになって皆はもういない!私の大切な人までもが貴方に殺された…この苦しみ貴方に分かりますか!!どっかに行ってください!!もう私の前からきえてください!!!」

「…っ…」

有休の目には涙が滲み出てた。

「どっかにいって貴方の顔なんて二度見たくない!!泣きたいのはこっちです!!!!」

「あ…」

「お、おい有休…」

「麻下さん少し言い…」

「これでいいのよ!」

「おい!有休待てよ!」

「自業自得だ…俺はあの子を傷つけたのだから…」

「フ、フ、フ…」

「だ、誰だ!!!」

「やっと見つけたよ…俺はこの日をどんなに待ったか…なぁ?皆…」

「そうだな!ひさし…クック…」

「いくぞ!!覚悟しな…まぁ自業自得ってやつだ…殺ってやるぜ!」

「な、なんだ…こいつら…誰かと勘違いして…」「おまえはどいてたほうが身のためだぜ…俺達はこいつを殺っつけるんだからよ…」

「な!?有休が何したって…」

「おまえらは…俺が殺しちまった…人達…」

「そうだ!!ギン奴の中に…」

「へいよ…」スー

「誰かが有休の人体に!!有休大丈夫か!?出てこいよ!!!何をするつもりだ!!!!!」

「フ…」

「ど、何処に行かせるんだ!!」

「このまま…海に突き落とす…」

「え?やめろ!!有休気付けよ!!!」「たかし!」

「イノ…皆…有休が…有休の…体の中に…」

「何言ってるんだ?たかし…」

「有休君?」

「何処行くのかしら…」

「海に向かってる!?」

「いけない!!走るぞ」

「有休さん…?キャ!と、飛び込んだ…」

「有休!!!!!」

「戻ってきていいぞ!ギン!奴は死んだ」

「…そ、そんな…」

「神様は…そんな酷い事するもんではありません!!!!!」「おまえらに分かってたまるか!俺らはまだ生きたかったんだ!!なのにあいつのせいで…あいつのせいで俺らは死んじまった!」

(………苦しい…息が…俺の人生はこれで終わったんだな…俺は…俺は…間違った生き方をしてた…人を嫌い…町を襲っては人を殺し…金を奪ってはなくなるまで使いはたし…あの頃から俺の人生は…死んでも償えない人生になってしまった…な…)

「有休!!!!!」

(あれ…?誰だ…誰かが俺を呼んでる…)

(…それは貴方の友達の声…貴方を心配してる人間がこんなにいる…)

(お…おまえは…)

(ようこそ…信じられないようですね…貴方は先程死にました…)

(…やっぱり…俺は…自業自得だよ…な…ハハ…)

(…貴方は海から落ちた後引き上げられましたが…すでに遅かった…)

(み…んな…)

(さぁ…有休…選びなさい…もう分かってるはず)

(木…木だ!ともこさんの隣の…)

(分かりました…さぁこの木を守り続けなさい…)

「……」

「ともこさん!!!」

「…まだいたの…は…有休君どうしたの!」

「…そ、それが…」

「…俺達が引き上げた時には息して…なくて…」

「え!?う、嘘よ!!そんな…事…あの子達がやった…の…ひさし君達…本当…に…」

「麻下さん…本当は有休さんの事…」

友子は静に頷いた。

スー

「え?な…何!?」

「ゆ…有休!!!」

「有休君…なの…?」

「あぁ…」

「本当に…死んだの…し…信じられない…」

「おまえと同じ木の神になっちまった…迷惑か?」

「迷惑じ…め、迷惑よ!!わざわざ一緒にするなんて…」

「友子さん!!」

「言ったじゃないか!本当は有休を好きって素直になれ!」

「え?友子さんそれ本当ですか…」

友子はまた何一つ言わずに木へと姿をけした。

「友子さん!!俺は何の為に…何の為に!!この神を選んだと思いますか!俺は…貴方が好きだから…だから一緒にしたんだ!」

「や、やめて…聞きたくない!!」

「いい加減素直になれよ!本当の気持ち言わねぇと後で後悔するぞ」

「……ほっといて…ほっといて下さい…貴方の事…好きになったら…母に…」

「それで…有休をさけてるのか!!」

「……だから…もう…」「…なんでも親かよ!そうやってなんでもかんでも親に決められて…自分では決める事はできねぇのか!!親が駄目って言うからって好きになっちゃいけないとかそういうのないと俺は思うぞ!!」

「そ…れは…」

「…愛は自分の心で決めるものです…人に決められるものではありませんよ」

「で…も…」

「まだ迷ってるの…迷う事なんてないわ!素直になって麻下さん!」「…ヒック…本当は…本当の気持ちは…貴方の事が…好きです…」

「友子…お、俺も…皆…ありがとうな…」

「俺らは帰るよ!じゃな!いつまでも幸せにいろよ!時々くるからな!」

「あぁ!」

「アンジ!」

「おう!任しとけ!!」

「バイバイ!有休さんと麻下さん!」

「飛ばすぜ!」

「これで…よかったのよね…」

「あぁ…何涙目になってんだよ!リン!」

「な、なんか…感動しちゃって…私こういうの弱いのよ…」「ちょっとちげーけどロミオとジュリエットみたいだな!」

「あ!それ知っんぞ!!仮死状態のジュリエットを死んだものと勘違いして悲嘆にくれ毒を飲んで息絶えるロミオって奴で…でもジュリエットは生きててロミオの死を知ったジュリエットは険で命をたつってやつだろ…そして二人は死をもって永遠の愛を貫いた…」

「ふーんたかしってそういう本もお母様に読んでもらったんだ…」

「母さんはこういう本は読ませなかった…」「じゃぁ…何故知ってるの?」

「母さんにいつも買ってきてもらうのは負担だろ?だから自分で買ってきたんだ…でも母さんはそんな本は読まないでちょうだいって言ってたけど…俺はページを開いて読んだんだ…それで知ってるんだ」

「その事お母様は?」

「多分知らないと思う」

「…見えてきたぜ!」

「ちょ…あれ花じゃない?アンジ君止めて!」

「あれは…サウスバースという花ね…来る者を寝らす力をもっているのよ…見えない粉で…」

「そうなんだ…」

「セレンちゃん花とかそういうの大好きだったもんね!」

「本とか花にかんする本いっぱい持ってたよな…俺おめぇの部屋行った時はびっくりしたぜ!」

「テルルも病院にかんする本いっぱいあったじゃない…」

「ねぇ…それじゃ何故医者にならなかったの?」

「そ…それはですね…姫様…セ…レンとずっと一緒にいたかっただけで…そ、その…」

「ふーん」

「ふーんってなんだよ!!や、やっぱり迷惑だよな…ハハ」

「そうやってすぐ泣く…男の子でしょう?それに…迷惑じゃないわ!」

「泣いてなんてねぇし」

「クス…変わってないわね!」

「いいムードの中わりぃけどよ…もう着くぜ!」

「あ、ご、ごめんアンジさん!!」

「まぁいいんだけどよ」

「テルル…忠告しとくけど」

「あぁ分かってる…」

「分かってんなら問題ないな」

「おぉ…まだこっちの世界で姫様をお守りしないといけないからな!」

「ついだぞ!お城に!」

「イノ姫様!ご無事でしたか…」

「イノ!」

「お父様…ただいま!」

「たかし君…すまなかった!!わしを許してくれまいか!」

「へ?」

「とおきに説得され分かったんじゃ…」

「と、とおき王子に…とおき王子は?」

「帰りましたよ…これ言い残して…もう僕はここにいる必要はありませんから…と」

「とおき…王子……」

「お城に入りましょうか?どうです皆さんも…」

「はい!」

「姫…とおき王子がこれを…」

「手紙…」ガサ…

(イノ姫様へ…僕は会った時から貴方に一目ぼれしてました。だから…たかしを好きと聞いた時は正直悲しくて苦しくてもやもやして僕の者にしたいという思いが鬼になりたかしに恐ろしい事をしてしまいました。でも貴方の涙を見ていけないと思いかえしました。貴方達に会って本当によかったです。これからも二人幸せになって下さいね。それでは僕はイミンに帰ります。)

「涙のあと…多分この手紙泣いて書いてたのね…」

「……。」

「ヒック…わ、私…とおき王子に酷い事…ご、ごめヒックごめんなさい」

「イノ…」

パタン イノの部屋…

「イノ…少し落ち着いたか?」

「うん落ち着いたわ…ごめんね」

「そっかよかったな」

ギィ…

「イノ…」

「お父様…」

「落ち着いたのか?イノ…皆今日はここに泊まりなさい…部屋を用意しておる…先に…神もおる…」

「お父様見えるの!?」

「あぁ…あれが本当だったとは、わしも驚いた…ついて来なさい部屋に案内しょう。」

「イノ明日な!おやすみ!」

パタン

「女の子はここじゃよ…そして男の子はここじゃ」

「朝おやすみ!」

「うん!おやすみ」

「あ!マリエ…」

「朝さん…おやすみ!」

そしてマリエはたかしの首飾りへと姿を消した。

「ふぁ…今日は疲れたわ!早く寝ようっと!」

その頃たかし達の部屋というと…

「…なんか今日疲れたな…一日しかたってねぇのになんか長く感じるな…」

「うん…そうだな…さっきまでいたあいつが…もういないなんて…なんか信じられねぇよ…」

「僕は一回も話さなかったな…」

「何暗くなってんだよ!!いるじゃねぇかよ!マカリタンにいけばいつでも会えるじゃねぇか!な?たかし順平!!」

「あぁ…そうだな…」

「僕はもう寝るよ」

「じゃ早く寝るか!じゃおやすみ…」

「…達哉起きてるか?」

「ん…なんだ?順平」

「朝の事だけどさ…達哉にゆずってもいい…朝を見てたらそのほうがいいような気がする…んだ…」

「…順平」

「じゃおやすみ!!」

「……。」

「朝食のお時間です!起きて下さい…皆さん」

「ん…もう朝か…」

皆は並べられた椅子に座り朝食をとった。「お!このパン美味しいな!」

「達ちゃんたら子供みたい…まぁ確かに美味しいけどね」

「こんなに賑やかなのは久しぶりじゃよ…」

「ごちそうさまでした」

「じゃ…また遊びに来なさい!」

「はい!ありがとうございました…じゃなイノ!」

「うん!また来てね!」

「いい友達が出来てよかったな…イノ」

「うん!」

「中に入りましょう…姫様!」

「はい!」

そしてたかし達というと

「たかし帰ったの…あれでも一人たりないような」

「有休は…帰ったよ…自分の国に…」

「そうなの!?でもどうしましょう…」

「帰ったぁー?俺達をおいて…」

「しゃぁねぇ…この国にいつまでもいるわけにゃいかねぇし俺らも帰るか?」

「ちぇ…せっかく待ってたっていうのによ」

グチグチいいながら有休と一緒に来た山賊達は山へと帰って行った。

「ふぅ…」「溜め息すると幸せがにげるよ!たかし」

「へへ…こんなもんじゃへらねぇよ!いっぱいあるからな!」

「こいつぅ〜幸せまるだし〜」

達也はたかしの髪をクシャクシャした。

「だって幸せだからな」

そんなこんなで月日は流れるのは早いもので…。

「イノ!行ってこい…」

「はい!」

「イノ様バンザイ!!」

「たかし…」

「汝らは姫を妻とし…ずっと幸せでいますか?」

「はい!」

「では誓いの口づけを」

「わぁー!!!」

パチパチ

「たかし君これを君にさずかろう…」

たかしは王冠を国王様にさずかった…。

「これからは娘をよろしく頼むぞ!」

「はい!!」

「わー!!!たかしカッコイイぞ!!」

「皆…」

「そぅれ!」

ブーケをなげるイノ…ポン…いったい誰に…?

「は、朝がとった…お前結婚する相手なんていんのかよ…」

「いるじゃない!あんたが…」

「お、俺?」

「そうよ!文句ある?」

「うれしい…」

「へ?聞こえなかった!もう一度言って〜」

「お、お前な!!」

「ハハ…変わってないな…あいつらって…」

「本当ね…」

式が終わり…はっと目を皆のほうに向けるとそこには…。

「とおき王子だ!」

「ど、何処」

「ほらあそこ…」

とおきははっと気付きそそくさっといいように城から出ていった。

「見に来てたんだな…」

「えぇ…」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ