邪女神ナフタルナの川流れ 共通①
―――あるとき邪神の娘のナフタルナはディストピアを作った。
私は邪なる神の娘・ナフタルナ、自身も邪なる女神と呼ばれる存在だ。
神は総じてヒマである。
ヒマを持て余した私は、創造神と協力して、国の狭間に異空間ディストピアを創った。
それを終えたとき、空間の中に国があっても、住む者がいないのでは、つまらない。
そんな考えが、頭を駆け巡った。
よし、他所から人を拐ってこよう。
こっそり創造神カミュレットやマスヴェイユ、ゴッドやクレイシニーの世界から、ディストピアへと人を招き入れたのだ。
「一人でいるの、飽きたから“アズロー”に入ろう」
アズローは邪神で構成された有名な組織だ。
国の管理に飽きたから邪神教団アズローに入った。
しかし目当ての教団トップはどこぞのアテラス星の小娘にうつつをぬかしているときく。
もう組織抜けようかなーと川に足をつけていると―――
「え!?」
突然足が川に吸い込まれる。私は濁流に巻き込まれた。
「女神の川流れなんて言葉はないはずよー!!」
川に完全に浸かると、私は意識をなくす。
―――目が覚めると見知らぬ土地だった。
「気がついたですか女神さん」
心配そうに私を見ているのは四つ足に牙をもつあれ、しかも銀色の鰐だ。
「アンタが助けてくれたのね」
「はい貴女が川で溺れていたので背中にのせてここまできました」
つまりここはあれ、レイグウ城とかいう?
「そう感謝しないこともないわ」
「感謝してくれて嬉しいです」
「ところでここはどこ」
「ガンデアラです」
つまりインダ神が住む天界ね。噂では砂漠まみれと聞いていた。
しかし川もあるのか、と関心する。
「ワニ~」
水色の髪をした男神が水の上を歩いてこちらへきた。
「あ、カハバ様」
ていうかワニが名前なのか!
「おや、こちらの女神さんは?」
あらやだ結構イケメンじゃない。
「ナフタルナよ」
「川に流されていたのでとりあえずこちらに連れてきました」
「ああ最近は人間界で汚物消毒とかいって暴れまわるサアラ王女がいるから天界にまで綻びが現れたみたいだね」
サアラが誰かは興味もないしわからないがとにかく私が川に流れたのはそいつが汚物を消毒とか言っているからね。