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わからない 04
「まって!」
きがついたときにはぼくはさけんでいました。
「わすれて」といってへやからでていくおんなのこに、ぼくはさけんでいました。
どうしてこんなことをしているかはわかりません。
まっくろなおんなのこはふりかえります。
「あいにいくよ、ぼくがあいにいく」
「どうして?」
おんなのこはくびをかしげます。
「そうすれば、あえるんだよね?」
「けど、どうしてあいたいの?」
「わからない。けど、きみもおなじだから」
おんなのこはまっくろなめでみつめています。
「……そばにいてくれる?」
「やくそくするよ」
ぼくがそういうと、おんなのこはうなずきます。
「わかった、やくそく」
こんどこそ、おんなのこはへやからでていきます。
さいごにおんなのこのこえがきこえたきがしました。
「ずっと、まってるからね」




