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二人は黙々とだけれど、ちゃんと食べてくれた。


そればかりか、カルマは2杯、ミーアは1杯もおかわりしてくれた。


そうとうお腹が減ってたんだろうな。


そして俺は今から二人にとってかなり重たい話をきりださなければならない。


覚悟はしていたけど、かなりクるものがある。


正直言い出しづらい。


でも、言わなくちゃいけないんだから、やってられない。


「カルマ、ミーア、言い出しづらいんだけど…………これからのことについて話したい。

聞いてくれるかな」


「…………はい」


「…………うん」


顔を曇らせたけど、ちゃんと話を聞いてくれるなら嬉しい。


ここで駄々をこねられても俺が困るし、時間が無くなるだけでかわらないから。


「ありがとう。

じゃあ、まず、二人はこの村ではもう生きていけない。

だから、別のところに連れていく」


二人がここに残って生き残れる可能性はかなり低い、それが二人にもわかってるようで。


「はい」


悲痛そうな顔をしながらも頷いてくれた。


「ありがとう。

それじゃあ、出発する前にやらないといけないことを伝えておくよ。

1つ目、この村にある物の回収。

君らはこの村の生き残りだから、君らが生きていくのに使っても俺はいいと思う。

だから、集める。

因みに俺は物にある程度は、手を出さないことを誓うよ。

薪や火打石は使わせてもらうけどね」


「…………いいんですか?」


いいとは、たぶん勝手に持ってくことだろう。


ある意味墓荒しみたいなものだし。


「いいんじゃないかな?

このまま残していても腐るか、次この村に訪れた何も関係ない人が持ってくだけだし。

だったら、君らが持ってった方がいいでしょ」


「はぁ……」


イマイチ納得はしてないが仕方ないとは思ってくれてる様子。


「それで、葬儀をしなくちゃいけないんだけど、見たいかい?見たくないかい?」


ビクッと体を震わせる二人。


「……………ムツキさんがやってください……」


「そうか。じゃあ、二人が準備してる間にやっておくよ」


二人には辛いすぎるか。


まだ子供なんだから普通かもしれない。


いや、子供にしてはよくやってると言ったほうがいいか。


「……ありがとうございます」


「気にしないで。

あっ、そうだ。

俺がやってる間、使えそうなものを全部一ヶ所にまとめておいてもらっていいかな?」


「……わかりました」


「よろしくね。

それじゃあ、やろうか。

今日中にこの村から出たいからね」


「……はい」


それじゃあ、と立ち上がろうとした時、索敵範囲内に気配と魔力が2つはいった。


でも、その2つの気配は朝日達に酷似してる……


って、あれ!?


朝日達は気配と魔力は同一だ。


というか1つしかなかった。


だって体は1つしかないのだから。


でも、2つある……


テイムしたからか、朝日達の気配と魔力は完全に見分けられる自身がある。


勿論顔も。


でも、気配は2つ。


それに、察知できた距離も朝日達より少し遠い。


「二人とも隠れて!!」


万が一を考えて二人には隠れてもらう。


俺が焦ってることが伝わったのか、急いでカルマがミーアを引っ張って台所にある水が入ってない水瓶に隠れる。


「連理の杖」


そして、戦いの準備もして、屋外へと飛び出す。


ヤバい。


何が起こってるのか見当もつかない。


先制で魔法を放ったほうがいいのか!?


それとも待った方がいいのか!?


風精霊の竹箒(シルフブルーム)は完全に遠距離魔法用の武装。


出来れば使いたかったんだけど、もし朝日達だったら、怖い。


風精霊の竹箒(シルフブルーム)があれば、遠距離で魔法での完封が特定の魔物なら可能だ。


だから、もしがあったら怖かったから連理の杖にした。


どうすればいい!?


どうすれば――――


ッ!!


悩んでる内に視認領域に入ってしまった!



また判断が遅いッ!!


いや、今は朝日達かどうか確認しなければ!


目を凝らしてやって来る2体の魔物を注視する。


体色は黒く、狼みたいだ。


顔つきは……アサカ!?


もう片方はアサヒ!?



「「アォォォォン!!」」


ムツキー!!って、本当に朝日達!?


いったい何が起きたの!?


そう混乱してる間に朝日達は駆け寄ってきて俺の目の前で急ブレーキ。


ズザザザザッという音とともに止まった。


「アサヒとアサカどうしたのさ!?」


慌てて問いかけると。


「ガゥゥッ!」


別れた!


とのたまわれた。


いやいやいや。アサヒさん。


別れたのは分かるって!!


そうじゃなくてどうして別れたのか知りたいです!切実に!!


「ガゥゥガゥ」


獲物を獲ったら光って別れたらしい。


アサカありがとう。


別れただけじゃ、原因分からんかった。うん。まぁ、たぶんだけど原因分かった気がする。


進化だ。


それも通常のじゃなくて変異的な進化。


この世界には特定の条件を満たすと進化できる。


人も魔物も。


でも、その条件は解明されてない。


だから、ある日突然とか、生まれながらにしてとか、あるわけだ。


普通は上位種に進化する。


亜人種なら


小人種はホビット→ハイホビット


長耳種はエルフ→ハイエルフ→パイオニアエルフ


土人種はドワーフ→ハイドワーフ→ドワーフスミス


竜人種はドラゴニュート→ハイドラゴニュート→ドラゴンニュート


獣人種はビースト→ハイビースト→アルタービースト


だった。


他にも1つだけ違う種がいるけれど、今は俺自身が思い出したくない。


その種族には、俺が今思い出したくない人物しかいないのだから。



それでフェルテルや俺の種族である子魔族はたぶんホビットの変異種であると思われてる。


小人種の進化は1段階しかないと言われてるからだ。


確証はないけどね。


フェルテル自身も小人種とはちょっと違ってるし細かいことは気にしない主義だったから、変異種ってことで落ち着いた。


子魔族フェルテル以外にいなかったし。


それで、朝日達の場合だと、ケルベロスに進化するなら、進化するはずなんだけど……


増えるどころか、分裂しちゃったね……


退化という線もあるかもしれないけどそれはない。


まずオルトロスの進化前はヘルハウンドという体長2メートルくらいの黒い体毛をした犬の魔物。ランクはB。


勿論頭は1つしかない。


そう見ると退化したのではと考えられるけど、それは違う。まず、朝日達は3メートルほどの体長があるし、朝日達から感じられる気配や魔力は分裂する前と同じ量が別々から感じられる。


つまりは、オルトロスだったころの朝日達のままの力でアサヒとアサカとして別々の個体になったということだ。


これって俺が朝日達を別々に認識したからか?


そんなわけないか。


でも、(まが)うことなき、進化といっても過言じゃない。


まぁ、俺は元々朝日達がオルトロスだったと知ってるから進化したとわかるだけで、他の人にはオルトロス並みの気配と魔力を持ったヘルハウンドが2体いるとしか見えないだろうな。


「やったね!進化おめでとう!!」


「ガゥ!」


小さくもなれるんだよ!と言って何の前触れもなくアサヒの体が30セン――ってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?


「縮んだ!?」


「わふっ?」


驚いた?って首を横にして訊いてくるアサヒ(子犬ver)


隣を見てみるとアサカも子犬となっていた。


「吃驚したよ!凄いね!!」


「「わん!」」


満足そうに朝日達が吠えた。


「これならアサカとアサヒ両方同時に抱けるね」


一度しゃがみこんで朝日達を抱えて立ち上がる。


「「くぅぅん」」


嬉しい、と言ってくれる朝日達。


「俺も嬉しいよ」


ギュッと朝日達を抱きしめる。


温かい。


「あっ、紹介するの忘れてた……」


「「わう?」」


どうしたの?って訊いてくる。


「ちょっとね。

カルマ!ミーア!大丈夫だから出てきて!

俺の仲間を紹介するよ!」


声を張り上げて家の中にいる二人へと呼び掛ける。


暫く物が動く気配がして恐る恐る出入り口から俺の方を窺ってから問題ないと判断したのか外に出てきた。


「紹介するよ。

俺の仲間の、カルマとミーアから見て右がアサヒ、左がアサカだ」


抱き締めていた朝日達の顔を二人に見やすいようにする。


「「わん!」」


よろしく!だって。


「…………魔物……」


カルマがそう呟いた。


「大丈夫。襲ったりはしないから」


信用はしてもらえないだろうけど、一応言っておく。


「…………聞こえた……」


ミーアがそう呟いた。


「「えっ?」」


その呟きを聞いた俺とカルマが驚きの声をあげる。


聞こえたって?


まさか、朝日達の声が?


「わふ?」


分かるの?とアサカが問いかける。


アサヒは小さな舌でぺろぺろと俺の顎のしたらへんを舐めてる。


ちょ、くすぐったいって。


「…………うん」


マジですかい。


どうやら、ミーアは朝日達の声が聞こえるらしかった。



ミーアに聞こえてカルマに聞こえないとなると、獣人種全員が聞こえるというわけではない。


フェルテルがいた時代にも獣人種が獣系の魔物の言葉が分かるなんて聞いたことがない。


もしかしたら、犬系の獣人なら朝日達の声が聞こえる?


あるいは――――



鑑定。




《名前》 ミーア

《種族》 ビースト族

《職業》 ―――

《年齢》 11歳

《称号》 テロロ村の生き残り 犬耳美幼女 魔物の声を聞く者

《所持スキル》

テイム

魔物言語理解




《名前》カルマ

《種族》ビースト

《称号》―――

《年齢》11

《称号》テロロ村の生き残り 猫耳美少年

《所持スキル》

身体強化

敏捷上昇






わお。


テイムのスキルがある。


それに魔物言語理解?


魔物の言葉が分かるのか?


それと巻き添いでカルマのまで鑑定してしまった。


なんか個人情報盗み見るみたいでごめんなさい。


もしかしたら村が襲撃された時、ミーアはフォーハンドエイプの声を聞いたのではないか?

聞くのも原因も伝えるのも今はまずいな。


まだミーアは情緒不安定だ。


壊れてないだけまだマシな程度でしかない。


だから、今は誤魔化してこれは後で伝えよう。


「犬の獣人種だからかな?

そうだ。アサヒとアサカは二人と一緒に荷物を集めてくれないかな?」


「「わんっ!」」


分かった!と了承も得たので、地面に降ろしてあげる。


すると、子犬程度の大きさから大型犬程度の大きさまで大きくなった。


二人は驚いた顔をしたけど知らん顔をする。


原因は俺にもわからないしね。


できるんだから仕方ないと割りきってもらいたい。


さて、陽が真上にいくまでにはこの村を出たいな。




ただいま、通り魔のクオリティー大暴落中。


なんか駄文臭がプンプンしやがります。


暖かく見守ってくださる方々に感謝感激です。


でもこれが(僕が思う)学生クオリティー。


最近部活や学業が忙しいです。泣けます。


しかも今月テストがありやがりますよ……泣きたい……


勉強時間毎日3時間?頭に蛆虫でも湧いてるんじゃねーの?


はっ!!


すみません。つい愚痴が……


とりあえずリアルはこんな感じです。


さて、後書きで伝えなくてはいけなかったのは愚痴などではなく、主人公ムツキ君のことですね。


ムツキ君ははっきり言って甘ちゃんです。


どっちかっていうと、大人になろうとしてる子供、みたいな感じで書いているつもりです。


いろんなことに悩んで成長していく……という話にしたかったのですが、駄文すぎて上手く伝わりそうもないので、後書きで説明することとなりました。


はい、完全に僕のせいですね。


上手に書いていきたいのですが、上手く書けないのが現状です。


なので、出来れば教えて頂きたいです。


ダメ出し等でも構いませんので感想を言っていただければな、と思います。


ですので、出来ればよろしくお願いします。



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