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おはようございます、こんにちは、こんばんは、朝昼晩365日読んでくださった方々に感謝の言葉を心の中で言っているかもしれないグータラ猫さんです。
と、おふざけはここまでにして、『通り魔に殺されたら古の魔王として転生しました』を読む気になって頂き実に有り難く思っております。
どれくらいかと言いますと、道端で一万円札を拾ったくらいです。
さて、本当におふざけはここまでにしてただいまより『通り魔に殺されたら古の魔王として転生しました』の始まり始まりで御座います。
途中で読む気を無くされるような作品にはしたくはありませんので、誹謗中傷込みで作品の感想を頂けたらな、と思っております。
では。
「うはっ……やっぱし、すっげぇなぁ……東京……」
人混みから逃げるために退避したコンビニの中で人通りを見て呟いた。
人の多さや建物の多さに開いた口が塞がらないってのはまさにこの事だと感心した。
去年、その前の年も東京に来てはいたが、地元と比べるとやはり、人の多さや建物の多さに感心してしまう。
「そんなに田舎ってわけでもないんだけどなぁ……」
何に、とはわからないが言い訳っぽく呟いてしまう。
地方都市の次の次の次くらいに都会な地元、正直言って微妙な位置だけれど、住みやすい所ではある。
都会と田舎の中間みたいな感じで。
それでも都会に憧れる若者心が呟いてしまう。
「東京すげぇ……」
と。
「うっし!買うもの買ったし、さっさとホテルに戻んないと母さんに叱られるな」
母さん怒ると怖いんだよなぁ……
いや、怒んなくても怖いや。
それが家族の共通認識だ。
体に喝をいれて、コンビニを出て再び人混みに飛び込んだ。
今日買ったものを手にぶら下げて意気揚々と人とぶつからないように気をつけながら歩く。
しかし、
ドスッと人とぶつかってしまった。
あっ、やば、謝んないと……!
ぶつかったのは黒色のパーカーを着た人だった。
謝ろうと後ろを向こうとしたがグラッと体が傾いてドサッと倒れこんでしまった。
えっ……なんで?
直ぐに起き上がろうとするが、まるで体に重りが乗っかったように重くて動かない。
そして、何か温かいものが抜けて行く気がして――――
寒い。
ただ体が寒くなる。
そして怖い。
何が怖い。
得体の知れない何かがじりじりと這い寄ってくる気がして――――
世界が暗転した。