7話
……?俺の部屋ってこんなに天井遠かったっけな……
「……ああ、異世界だったっけか」
上体をあげて部屋を確認して思い出す
考えてみればすげえ事に巻き込まれてるなぁ…異世界なんて存在したんだな
……日課のトレーニングでもやるか
元の世界では5時に起きて7時頃まではトレーニング、その後学校だったんだが……何時だ?というよりも地球と同じなのか?分からん…
少なくとも空はまだ白みかけた所だな
そんなことを考えながら伸びをして窓の外を見ていると部屋の戸が開く
「!…おはようございます、既にお目覚めになられているとは思わずノックをしませんでした」
頭を下げるミーナの頭の上で猫耳がシュンとなってて可愛い
「別に気にしなくて良いよ……それよりどうしたんだ?こんな早くに…てか何時だ?時計ってあるのか?」
「あ、その説明をしていませんでしたね。えっと、一応そこに置いてあるのが時計になります。えーと、あまり理解してるわけでは無いのですが、前勇者様が要求されたことなので言葉面だけでもと叩き込まれた事をお伝えします」
……なんの用だったのかが完全に忘れられてるな、質問は区切るべきだったな
「えと、私達が使っている魔力、それは私達生物は皆持っているものですが、種族や個々人により質や流れ方、波動などが変わってきていて、それを読み取ることで魔力での個人の判別をしています」
つまりミーナは魔力のそういうのを感じて、記憶してるってことか
「その魔力ですが、この世の物の最小構成単位の原子、さらにその中にある原子核、その大きさは10^-15m、さらにその1.3×10^-15倍程度の大きさで、早い話が直径1.3×10^-30mです。正式には魔粒子と言います。発見されるまで魔力と呼ばれていまして、その期間が長かったので魔粒子と呼ぶ人はほぼいませんが」
魔力は粒子だった、ね………物質の最小構成単位の原子、ここは変わらねぇか。いったいなんなんだろうな、素粒子並に小さい魔力ってのは
……………ん?
「魔粒子はその性質は謎が多いものですが、全ての魔粒子に共通する普遍性があって、それらは私達の考えに大きく影響を与えています」
「魔力によって定義されるってことか。そしてその1つに時間があるってことだな?」
んん?
「その通りです。時間については、マイナス273度、1気圧下における、自由魔力が最小の原子、水素の直径分を動くのにかかる時間の767897654333倍と定義されています。自由魔力とは回りの影響をまったく受けてない魔力粒子の事です。温度については、通常水の凍る温度を0とし、水の沸騰する温度を100として幅が決まってます。最低温度がマイナス273度で、その時点で動きを見せるのは魔粒子のみとなります」
…………?
なんか寝起きには理解できないようなふざけたレベルの説明されてるけど……これなんの説明だったっけ?あーやべ、頭痛くなってきたかも
「もちろん魔力は常に他からの影響下、人や動植物の思念によってその温度でもすごく早く動くことが可能になります。そして1日、日が上りまた上ってくるまでの時間が86400秒、それを24等分したのが1時間、さらにそれを60等分したのが1分で、1分60秒となってます」
………あー、俺一体何を聞こうとしてたんだっけか
「えーと、んなこと言われても実感も何も沸かないんだけど…結局どのくらいなの?」
「ですよね……どれくらいかと聞かれれば、そちらにある時計の動いている短い針がカチッと動いた分くらいが1秒です」
……あー、なんかベッドの枕元の壁に埋め込まれてるのね………見にくいわ!!
「はぁ、元の世界と実感できるほどの差は無さそうだな…元の世界の1秒の定義なんか知らねーし」
「そうですよね、やっぱり先代がおかしかったんですよ……ハハ…」
「まぁドンマイ……ああそうだ、なんでこの部屋に来たのか聞こうと思ったんだ」
「あ、はい、そうでした。少々お待ちください」
外に出てって何を……ん?なんか台車で持ってきてるが……持ち運び用クローゼットみたいな感じだな
「お召し物とタオルの用意をお持ちしました。昨日はそのままお休みになられましたが、シャワーもそちらの部屋に完備されていますので……あ、シャワーと言うのは」
「あー問題ないと思う、大方先代が知ってたからとかそんな感じだろ?」
「は、はい…そうなんですが、どうも先代と力也様の間にギャップが…」
「でも時計やら食器やらはほとんどそのまま通じてたからな。お湯浴びてくりゃいんだろ?」
「はい」
「なら大体の事は変わらねぇんだと思うよ……まぁさっきみたいに込み入った説明はされても困るが」
「申し訳ありませんでした。こちらにタオルがあります。必要ならばお召し変えなどもお手伝いしますが?」
なんと、猫耳メイドに着替えの手伝いをしてもらえる、だと?それは凄く魅力的な…………いかんいかん
「それも先代の要求か?」
「そ、そうなんですけど………やっぱり変でしたか?」
「普通は無かったな。ま、ほとんどこっちの世界の常識で通じるってことでいいのかな………着替えはここからもらっていけばいいの?」
あら、すげえ真っ赤になってるわ
「は、はいぃ……」
「ま、先代は特別だったとでも考えた方が為かもなぁ……これでいっか。シャワー浴びてくるな」
「はい……」
かなり落ち込んでるな……あがるまでに復活してて欲しいが
先代はやけに欲望に忠実だったようだな
…
……
ふむ、シャワーはほとんど元の世界と変わらないな…むしろお湯が出るまでのタイムラグがほとんどないってのは…
だが困ったな……この後トレーニングするつもりだったのにシャワー浴びちまった
まぁそれはまた浴びれば良いか
俺の服装は白Yシャツのようなものに薄めの黒パーカーを羽織ってる。ズボンは黒のピッシリとはしてない動きを阻害しない程度に緩い感じ……まぁ前の世界とかわんねえな
さてと
「………これで力也様が…」
現実逃避はやめにして、俺が使ってた枕を目の高さで持って固まってるメイドに声をかけるか………気が引けるな
トントンと壁を叩くと面白い具合にビクゥッ!となる
「お取り込み中のところ悪いけどさ、入りにくいな」
「りりりりりりりり力也様ぁ!!??」
「自分の名前くらいわかってらぁ」
…なんだ、この世界じゃ初見の相手の枕を見て顔を赤らめるのが普通なのか?
「…………って、そんなわけないか」
「はっ、はいぃ?」
「ミーナはシーツ変えようとしてたんだろ?早く頼むよ。俺はちょっと外走ってくるから」
「は、はぃ…」
……この世界での勇者ってのがどんなものかを調べる必要があるのかね。普通なら初見の相手であの反応は無いし……最悪、思想強制までは考えておくか
行ってらっしゃいませ、とかなり気落ちした感じの声に送られ外に出る
……3人、そりゃ見張りくらいいるか
それにしても、確かに元の世界でも気配の察知は修得していたが……魔力のせいか離れてる奴でも意識を集中させれば分かるのな…
ま、気にしててもしょうがないか
これで1週間経過です
きっつ!?めっちゃ書くスピード遅くなってる!時間が毎日投稿してたときより沢山あるのに時間が足りん(-_-;)
すぐ力尽きそうです