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異世界の勇者は何を見る  作者: 小淵執悲
第2章 学園編
44/50

4話

…さて


「試合毎に魔力も含めて回復、学園の現第一位(ファースト)と勇者二人、シャイニーラ嬢の四人で総当たりを行います。御三方が相当の実力の持ち主であることは前提ですのでこのような措置を取らせていただきますが、異論は認められませんので」


説明しているのはエリート女史という感じの女教師、髪の色的には炎か


「初めは誰から行こうか?」


「初めにそいつ……英雄だっけ?と現第一位でやればいい、それで現第一位の仕事は終わり、総当たりするまでもない」


……デイジリー・シャイニーラ、いきなりぶち込んでくれるな。第一位が酷い顔してるぞ


第一位は氷属性の使い手か?薄い青色のロングヘア……きつい目、なんか英雄に惚れる未来しか見えないんだけど


「……それでやりましょう」


「え、良いのか?」


「ああ、私の実力がその程度って思われているのは遺憾ですが、どのような結果になるかは最後まで分からないわよね?」


「なら早くして、面倒なことは好きじゃない」


……圧倒的強者、でも何を考えてるのかね



『思ったより主は評価されとるの、逆にあれは、一位二位は自分と主だと言っているようなもんじゃが』



……そう考えていいものかは怪しいがな


「早くしようぜ、俺も英雄を潰したくてウズウズしてるんだ…」


英雄が雰囲気をピリッと変えてくる


コイツもウズウズしてんだな、面白い





……




闘技場の端に二人、アリソン先輩と英雄が向かい合って立つ


教師の初めの合図で二人が詠唱を開始する


『「ファイヤーストーム」!!』

『「アイスストーム」』


示し合わせたかのように同種の魔法の撃ち合い、これじゃ属性の相性と実力の差が大きく出る…


「やっぱり、この程度か……」


「デイジリー、それはどっちに対してだ?」


闘技場では決闘が進む。一つ一つの魔法では相性的にも劣るアリソン先輩じゃキツイが手数を増やす事で何とか凌いでいる。詠唱速度は英雄は相当なもんだが、上回るか


「…その呼び方」


「ああ、姫さんからシャイニーラ呼びは嫌うと聞いていたもんでな。ちゃん付けは俺に合わない。嫌か?なら変えるぞ」


「別にいい……それと、質問の答えは二人とも。私はおろか、あなたにすら及ばない。決闘は次にあなたと英雄、最後にあなたと私がやればいい」


……認められてるが自分よりは下、か


「最低限ならそれで済むだろうがな。まだまだ英雄に負けるわけにはいかねえ、少なくともあと数年は」


「……将来性は確かに英雄は凄いけど、あなたがそこまで英雄を意識する理由が私には分からない。何を考えているの、力也」


「……別に、あいつの才能を知ってるからだよ」


「才能?どちらかというと努力型のあなたが才能を認めるの?」


「凡才が努力で到達できる域と、天才が努力の後に到達できる域には大きな差があるだろ。俺は戦闘という道なら十年以上費やしてきた、あいつはまだ数ヵ月だしな。それに関してはお前が良く分かってんだろ?」


「……確かに、私は両方兼ねそろえているつもりだけど、努力には限界が無いわ。私がここまで限界を越えていると思っていた現状に突然飛び込んだスラム上がりの最強。私もまさかスラム生まれの男に抜かれるとは思ってなかったのに、ね」


……そう言えば、こいつを超える化け物がジャッポネの学園にいるんだっけな


「あなたには何処か英雄には勝てないっていう諦めが見えるのだけど、諦めるのはまだ早いんじゃない?」


「なんだ、心配してくれてんのか?」


「別に、この国の将来を考えたらあなた達二人には頑張って貰いたいのよ。英雄一人じゃなくて、二人にね」


……何を考えているんだか


「俺はそんな器じゃねえよ」


『「ホーリーライト」!!!!』


『くっ、「アイスクリフ」!!』


しぶといな、まだ終わってなかったのか……ま、無詠唱でアイスウォールじゃなくてアイスクリフなことを考えると十分彼女も強いんだよな


「ん?これ……」


「あら、いきなり番狂わせ?」


『……ここ、「アイスタワー」!!』


先輩が詠唱を終えると同時に闘技場全体に魔方陣が発動、氷の塔が乱立する


「いや、乱立じゃない、か……言うだけあるじゃん、あの先輩」


『これで終わりです!!「地獄の吹雪(ヘルブリザード)」!!!』


氷の塔を起点に魔方陣が発動して巻き起こる吹雪…いや、吹雪なんてレベルじゃねえよな、この魔法


「あの魔法、確か…」


「知ってるのか?」


「ええ、去年の大会でジャッポネの彼が一度使った広域殲滅型上級魔法、威力的には劣る上に準備も色々必要なみたいだけど…そう、彼女も同じなのね」


…ジャッポネの化け物か、こいつと話すとほぼ毎回出てくるな


「同じ?なにが…」


「あの魔法、簡単に使ってるけどかなり苦労したはず。戦争時代は良く使われたらしいけど高い難易度、常人が扱うなら魔方陣が必要だし、文献はごく少数……良く再現したものね、私は見誤った、彼女は強い」


『くっそぉぉぉぉぉ!!!』


氷の塔を倒すための攻撃魔法を詠唱していたために完全に防御魔法を発動しそびれ、直撃する


「今回は完全に負け犬だな……ま、二週間ありゃあの女はもう勝てなくなるだろ」


「凄い英雄の事を評価してるのね…でもまあ、今回のはこれを知らなかったから。次でもう勝てないでしょうね」


それなりにお前も評価してんじゃねーかよ


「……評価を間違えた、もう私の言う通りに決闘をする必要は無いわね。総当たり、次は私とあなたかしら?」


「ま、そうなるわな……お手柔らかに」


『勝者、アリソン・アイシング!』


歓声は微妙、一部の男が上げた程度か


ま、女どもは英雄の応援してたよな



side out



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



side アリソン



……勝った、まずは一つ


「こんにちは」



デイジリー・シャイニーラ………


「あなたは、思ったよりやる……さっきはごめん」


「へ……?」


「私はあなたが英雄には勝てないと思った、あなたはそれを覆した……ごめんなさいね、総当たりでやりましょう。もしあなたが彼……六郎坂勇人の強さを追っているのなら、黒戸力也に勝ちなさい」


!?


「………どうしてそれを?」


「地獄の吹雪、あれを使う人間なんて今のご時世そういない」


ばれてる?


「あなたは、彼とどういう…?」


魔王の氏族どうし、何かあるの?


「唯一の、希望」


希望?


………いったい、何が言いたいのかしら


「あなたは、どうして彼の強さを追うの?」


「私?」


どうしてこの人は私の事を聞く?ただの道端の石ころ程度にしか思ってないでしょうに


「そう、言えない?」


「別に…ただ、あの人の使う氷魔法は、去年サラ・ハルストロームに予選で負けた私にとっては大きく、偉大な存在で、憧れ…あの人のように、敵を欺き翻弄し圧倒する…そんな氷魔法を扱えるようになりたい、それだけよ」


「……良く分かった。でも、あなたと彼は雲泥の差…まあ、さっきのは見事だったけど」


彼女はそう言って立ち去る


完全に上から目線ね……でも、あの人にはそれだけの実力がある


「……ただで泣き寝入りはしないわよ」


次の決闘、どこまで情報が得られるかは分からないけど、ちゃんと見極めなきゃね






……







『勝者、デイジリー・シャイニーラ!!』


「……はは」


何よこれ


「ふざけないでよ……」


何なの、あの化け物


黒戸力也、聖名英雄…この二人は決して弱くない


なのになによ、近接戦闘で黒戸力也を圧倒、遠距離の魔法の撃ち合いでは私の苦戦した聖名英雄を圧倒…いえ、たった一撃の最上級魔法で試合を決めるなんて、化け物以外の何物でもないわよね。最上級なんて上級を使えれば上位に食い込むこの学生レベルで使えるものじゃない、魔王の氏族は別格、か


厄介な相手ね、本当に




side out

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