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異世界の勇者は何を見る  作者: 小淵執悲
第1章 異世界召喚
3/50

3話

まだ前とほぼ変わらない、かな

「こちらです」


猫耳メイドさん…名前はミーナというらしい…が案内してくれたのはやけにでかい食堂、か


そこには既に席についた王族七人に、魔王の女、あと知らないやつが二人に英雄がいた


「早いな英雄」


「おう!異世界の飯なんて楽しみだろ!!?さっきまで メイドさんと話してたんだが魔物の中で旨いやつがいてよ、それが飯に出るらしいんだよ!どんなのかなぁ〜」


「はぁ、そうかい」


緊張感がまったくねぇな

てか王族の女の一人が「勇者様……キャッ」とか言ってるのは………まぁ英雄が気づくわけないか


「黒戸力也、早く席につきたまえ」


「…失礼」


王に言われて英雄の隣に腰を落とす


今は上座、やけに長いテーブルの端に王が、その隣に王妃、王族が年の順に五人。王妃の対面に魔王、その隣に知らない男、さらにその隣に俺らくらいの歳の女で、その次に英雄、俺と続く


「うむ、まだ少し料理が出来るまでかかるらしいので自己紹介をしよう」


王がそうきりだした


その時少しジト目で英雄を見たのは気のせいか?


「私はカエイラの国王、アリエール・カエイラ・フェリーニだ」


「王妃のマニ・カエイラ・フェリーニよ」


「第一王女のリリス・フェリーニよ。よろしく頼む、勇者よ」


「第一王子のレオン・フェリーニだ。よろしくな 」


「第二王女のマール・フェリーニですっ!」


「第三王女、ルナ・フェリーニ」


「第二王子のラグ・フェリーニです」


一番年下のラグだけが頭をペコリと下げる


その後の言葉から、子供たちの上から22,21,16,15,14歳だと言うことが分かった


「私の番か…ベアトリス・シャイニーラ、この国のツートップの一翼、光の魔王じゃ」


ガタッ


英雄が驚いて少し腰を浮かしてる…まぁ魔王を殺すのも否定されてないからしょうがないわな


「驚くのも無理はないが今は落ち着け…そっちの、力也だったか?お主は驚かんのじゃな」


「さっきまでに多少の知識はつけてきましたので。国についても…あなたが魔王だということも」


三時間もあればその程度の事なら調べられる


「えっ!!?」


いやいや英雄、そんなおとなしく従ってるだけだとただの社畜、飼い殺しだぞ。少しは自分の有利に…

あぁ、こいつは主人公(・・・)だったな


「ふふふっ、面白い子だ。私は彼女の夫、アラルコス・シャイニーラだ。よろしくね」


「私はデイジリー・シャイニーラ、14才」


「ふむ、一応君達も」


「あ、はい、聖名英雄、16才です」


「…黒戸力也、15です」


「そうか、じゃあこれからよろしく頼むよ、我らが勇者様」


王がそう言った後、メイド達が料理をもって入ってきた




……





旨い、確かにうまい料理なんだが…


「すごい美味しいです!」


「そうだろう、生半可なものはうちにはいないからな」


…なんで一人一人料理が違うんだ?


「さて、片方が気になり始めたようだし少し仕事( ビジネス)の話をしようかの」


…?


「まずは説明するからよく聞いてくれ」


魔王の言葉を引き継いで国王が話を始める


「理由は…いや、すべて後付けだからいいか。簡潔に言おう、この国の王族や魔王、その家族や勇者などは、15を越えたら半自立型の生活を送ることが義務付けられている。いつからのことかはわからんが少なくとも五代前にはあったようだ。半自立型とは、王族などの人の上に立つ者が人より劣るわけにはいかないので早めからの自立心を養うために、まぁこれが後付けの理由だが、仕事をして報酬をもらい、それで生活することが決まっている。まぁ仕事いっても、18までの仕事とは己の研鑽だ。つまり力をつけてくれればそれでいい。頑張りに応じて報酬は上下する」


…なるほどね、つまりやらなきゃ生活すら保証されない、と


「それから、君たちの生活の世話をするメイドだが、彼女らは国仕えではなく、君たち個人に仕えていると考えてくれ。炊事洗濯掃除、給料は君たちの報酬から引かれて彼女らに支払われている。給料の増減、仕事のどうこうは本人同士で話してくれ」


なるほど、それで一人一人の料理が違ったのか…あぁ、始めに国王が英雄をジト目で見てたのはギリギリまでメイドを縛って全体の食事の時間を遅らせたからかもな


チラッとメイドの方を見ると…………ん?


「…なに真っ青になってんだ?」


青ざめてオロオロしてるミーナの姿があった


「あなたのせいですよ」


俺の言葉に答えたのは…えーと、次女の人


「俺の?」


「あなたさっきからずっと顔をしかめて、あのメイドは料理があなたの口に合わなかったのではないかと心配してるのよ」


「…そんなしかめてたか?」


「ええ、かなり」


「…悪い」


「い、いえっ!あ、あの…それでお口に合わなかったのでしょうか!!?」


「いや、すごく美味しい、ありがとう」


「!…よかったぁ……」


心底安心したように胸を撫で下ろす


「あなた、もっと愛想良くしなさいよ」


「……いきなり知らないところにつれてこられて愛想よく振る舞えるほど神経図太くないんだよ…」


…敬語外れてるな……まぁいいか、気にしてないみたいだし


「でだ、君達には軍の訓練に参加したり、誰か自分にあってると感じた者を師事したりでいいから、 強くなってくれ」


ほとんど丸投げ、自由か


「今は一年の内の9月、一年12ヵ月のうちの1つの月だ。来年の4月から君達には学園に通ってもらう 。2年次からの編入だから、それまでにしっかりと力をつけてほしい」


…なるほど、勇者として召喚しておいて学生程度に負けてちゃ論外、それまでに圧倒できるだけの力をつけろ、言外にそういう意思が見えかくれしてるな


「まぁそのくらいだ。寝泊まりする場所については無償の提供だ。それから、あまり力をつける前に外へでないでくれれば後は自由にしてくれていい」


…この国は確か魔王、国王の下に巫女、大将軍、宰相の三本柱、大将軍の下に各大隊長がいたはず…俺は先ずは軍の方でも見に行くか


「ご馳走さまでした…」


いや、まずはこの世界について調べてからにするかな


「早いな力也」


「旨かったからな」


「ああ、軍の方の紹介は明日やる予定だから今日の所は休んでいいぞ」


「……了解しました。では、失礼します」


「うむ」



…魔王の娘、デイジリーが俺をちら見して直ぐ食事に戻ったな。こっちは少し気を付けておく程度で良いか…問題は一番上の姫さんか、少し口角が上がったのが見えた



そのまま部屋を出るとミーナが一緒に着いてきた


「力也様、何か飲み物でもお持ちしましょうか?」


…先程の調べものの続きをするのが分かっての言葉だろうな


「そうだな、コーヒーってこの世界にあるのか?」


「はい、あります」


「じゃあそれで。部屋は覚えてるから案内は良いよ」


「了解しました、片付けを済ませてから直ぐお持ちします」


「そんなに急がなくてもいいぞ」


最後の言葉を聞いてたのかいないのか、素早く移動するミーナの後ろ姿…


…やべぇ、あのピョコピョコ動いてる耳、めっちゃ撫でてぇ


いや、そんなこと考えてる場合じゃ無いか、少ししか時間は無いが…少し城を見ておこう


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