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異世界の勇者は何を見る  作者: 小淵執悲
第1章 異世界召喚
27/50

27話

「んー、クリスマスから一転、ここ最近はつまんねえな」


「そうですね…特にイベントもありませんし」


いや、イベントがないだけじゃない…訓練による成果が実感できるほど出てないってのが大きいんだよなあ



『しょうがないのじゃ。異世界のものはこの世界で魔法を知ることで大きく成長するんじゃが、初めの1ヶ月程度で急成長は頭打ちなのが普通、主は数か月もよく伸び続けたほうなのじゃよ』



んー、今までがうまく行き過ぎてただけかあ…


「相変わらずコーヒーはうまいなあ」


のんびりと過ごしている時、ドアがノックされる


「はーい」


ミーナが出てくれるからこういう時ほんと楽だよなあ



『いなくてもどうぞ~とか言って動くつもりないじゃろうに』



確かに、流石よく分かってる


「力也はおるか?」



『姫君じゃな』



みたいだな


「どうした?」


ミーナに頷くことで姫さんを部屋に招き用件を聞く


「緊急事態…とまではいかんのだが、困ったことになった。一緒に来てはくれぬか?」


…?厄介事じゃなければいいが



『どうせ暇なんじゃし良いじゃろ、厄介事でも』



めんどくさいのはやなんだよなあ



『我がままじゃのう』



「オーケー、ちょっと行ってくるね、ミーナ」


「はい、行ってらっしゃいませ」




「で?なんで俺を呼んだ?英雄もか?」


部屋を出てすぐに聞く


「うむ、勇者は2人ともだ…何が起こったかは、二人そろってからにしよう」


「…了解」


…何が姫さんをこんなにも暗くさせる?何を憂いている…?



『考えても始まらんのじゃ、教えられるのを待つのみじゃの』



…そうだよな、いつもと違いすぎる姫さんの雰囲気で焦ってたか


「力也!リリスさん!」


「おお、そちらも連れてきたか」


英雄を連れてきたのは魔法剣士隊の大隊長か


「…部屋で父上やレオンが待っておる、早く行こう」


…国王が関与するレベルかよ、厄介事確定だな



『クックック、面白いことになりそうだな』



ならねーよ…楽しんでるなあ


「着いたぞ…父上、私だ」


…会議室か、それなりの数収容できたはずだが


「よく来てくれた」


戸を開けたのは宰相、その後ろに円卓上のテーブルにレオンと国王…大将軍に4人の大隊長に各隊長格もそろっている。あとは数人の関係ないと思って無視してきた文官共か


「なんだこの面子、戦争でもする気かよ」


「ははッ、確かにここのメンバーなら一国くらいなら落とせそうだな」


「馬鹿なこと言わないで力也…いったい何人の国民が死ぬと思ってるの」


「冗談だよ冗談、な?力也」


「もちろんだ」


「…迷惑」


「はははっ、恥ずかしがり屋め、相変わらずまじめだなあレッキァは」


…英雄に魔法を教えてるときはあんなに明るかったのになんかキャラがつかみにくいなこの人、今は黒いローブのフードを深くかぶって赤くなった顔を隠してるけど、英雄に惚れたわけじゃないのか?


「ほう、既にレッキァすら認めさせたか」


…?大将軍のおっさんがなんか言ってる


「分かんねーって面だな力也」


カルタが笑いながら言ってくるが


「そりゃなんも分かんねえよ。英雄にわきゃわきゃ付いて魔法を教えてたやつが口数少ないやつにキャラチェンしてたら認められたとかよく分からん。英雄、なんかしたのか?」


「い、いや?魔法を教えてもらって…その後はほとんど魔法剣士隊(オルネラさんの方の隊)と訓練してたから…」


「くくっ、このナタリア・レッキァはダメな奴ほどきゃっきゃきゃっきゃと教えるが、自分より強いと認めた相手に対してだと急に恥ずかしがり屋になってな。俺やベニアミーノ様の前じゃいつもうつむき気味なんだが…力也の前でもそうなったみたいだな」



『いつの間にか勝手に認められておるのう』



おお、知らんうちに知名度も上がってるみたいだ。模擬戦でも見られたのかな



『カルタとの模擬戦でも見られたんじゃろ』



それが一番可能性高いな


「まあいい、早く座れ。いつまで国王を待たせるつもりだ」


「あ、はい、すいません」


「お、すまん」


大隊長に促されて席に着く…いくつか席が空いてるが


「遅くなって申し訳ない」


「やっとかクリストフ、魔王殿は?」


「興味がないいとの事だ。申し訳ありせん国王様、ただアラルコス様は遅れて参加していただけるようです」


カルタの言葉に軽く答えて国王に報告するのは騎馬隊の大隊長か、恐ろしいほどの魔力を感じるがなんでまた騎馬隊なんかに


「ご苦労、席に着け」


「はっ」


さて…なんかカルタとのやり取りから黙り込んでる英雄はなんでかはどうでもいいか。ここに召集された人間の地位を考えてもなかなか大きな山なんだろうな



『主よ、なんかカルタが参加しておるせいで楽しんでおるな?』



ばれた?



『あたりまえじゃ。まあ今の主なら多少の厄介事でも参加しそうじゃし構わんがの』



ま、確かに参加する気になってきているな


「さて…」


国王が口を開いた瞬間皆が口を閉ざし、国王の言葉を待つ


「集まってもらったのは他でもない、我が国の今後の事に付いてだ」


…?単なる政治に集める面子じゃないだろうに、いったい何なんだ?


「先日、ロンダンの魔王が殺された…クーデターが起こったようだ」


「「「「なっ!!?」」」」


!!…まさか



『主、前主の話しておった…』



ああ、300年も前の話と笑い飛ばせないな…事実、始まってしまった



『しかし、大丈夫なのか?世界のバランスが崩れるのじゃろう?』



…歴史ではきっかけから崩壊が始まるまでに数年のラグがあった。だがまあそれは大きな崩壊と分かるような事が起こるまでだから、小さいことがポンポン起こり始めることは避けられねえだろうな


「ロンダンは魔族の多い国…人間が魔王になった時からいやな空気はあったが…」


「宰相、詳しく話せ」


「はい、ご存知の通りロンダンもカエイラと同じで王族と魔王の2トップ制、その片割れが死んだ今王政を担うのは魔族の王のみ、独壇場となっております。代わりの魔王もいるにはいますが、機能しておりません。クーデターは王族が引き起こしたとみて間違いないでしょう。魔族の国であるロンダンから完全に人間を消そうというように動いており、プリュオファミリーの風、無ともに当主は殺され、敗走したとのことです」


「密偵は無事なんですか?」


「話を聞いて直ぐに潜り込んでいる人間は撤退させたのですが何人かは連絡が途絶えました。情報は獣人に扮して潜り込んでるものから入手しております」


「…ちっ、中心になっているのは国王か?」


姫さんが口を開いた!?政治に疎い姫さんが?


「国王を中心に、プリュオファミリーの氷のグゼニナ、雷のキルピオ、光のアーレ、創造のギルデンの4家がメインで動いているようです」


「なるほど、あの誘拐事件の被害が出た家だな?対応は魔王を中心に行っていたはずだからな」


…隣で頭にクエスチョンマーク浮かべたような顔してる英雄がいるせいでなんか緊張感を感じないな


まあ誘拐事件なんて俺も知らねーが


「まああの誘拐事件で不満が爆発したんだろうが、まさかクーデターとわな…王族をバックにつけてるせいでかなり速やかな活動だ、送り込んでいる人員の安全を最優先に動くべきだな」


「それに関しては既に完了した、問題はないと思われます。むしろ問題は…」


宰相が口をつぐんだが、おそらく理解は国王、王妃、レオンに、魔王一家と大将軍やカルタたちはしてそうだな。姫さんもわかってそうだが、思ったより少ない、平和ボケでもしてんのか?



『ど、どうするのじゃ?このままじゃと人間が大半を占め、排他的なこの国でも他の種族からの反乱がおこるかもしれんぞ?主は動く気はあるのかの?』



…必要なら動かざるを得んだろうな。ただこの国から完全に獣人がいなくなるようなことがあればミーナにまで影響が出るかもしれない、それは避けたいな



『確かに、あそこまでできたメイドはそうそうおらんじゃろうしな』



「この状況の危険性を理解している者といない者が完全に分かれてしまったようだな…まあいい、分かっている者たちの意見を聞きたい」


そう言い終わった国王と目が合う


「…力也よ、お主はこの状況を理解しておるだろう?どう考える?」


まさか国王が直接聞いてくるなんてな。しかも名前を把握されているか


「…この状況を理解していない輩の多さを鑑みれば、いい方向に行かないのは自明でしょう」



『…主が敬語をつかうなんて驚かされたのじゃ』



さすがに国王相手になめた態度をずっとじゃ周りのやつに変に敵視されるしな…それに大将軍の存在がでかい



『確かに、あの大将軍(化け物)を敵に回すのは早すぎるのじゃ。じゃが今の言い方で結構な奴が主に敵意を向けたがの』



その程度の雑魚はどうでもいいさ


「実のある話し合いがしたいのならもっとメンバーを考えるべきでしたね…英雄をこのまま放っておくとロンダンに助けに行くとか言い出しかねないのでこいつには説明すべきですが、大隊長クラスや文官の大半が理解していないのは正直恐怖しか感じないですよ」


「ふっはっはっはっは!」


?いきなり笑い出しやがったぞ、大丈夫か?大将軍


「若いうえにこの世界にきてまだ一年も経っていない者にここまで言われるか!しかも正論、まったくその通り…お前ら本当にこの国の文官武官か?」



『!???、いっきなりなんてレベルの圧力じゃ!?』



…ああ、一瞬で変貌して、完全に不意を突かれた。今ので何人かの文官の目が潤んだぞ?唇が真っ青になってるやつもいるし…



『…長くなりそうじゃな』



ああ、大将軍がどれだけ話すのかは分からんが、簡単には終わりそうにないな



『まあ対策を考えながら待つかの』



だな…まあ国王はこうなることが見えていて理解している者たちだけで先に話したかったんだろうな。ドンマイ

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