17話
久しぶりの数日連続投稿ですね。読んでくださりありがとうございます
「さっすが力也だな、今の避けるかよ」
「…すれすれね、勇者が身体強化を本能で使わなかったら怪我じゃすまなかったんじゃなくって?」
「我は力也ならやると思っておった」
「買い被りもあんまりしないでくれよ?今のはほんと死ぬかと思った」
だがおかげであの一瞬魔力言うことを聞いた。無意識レベル、避けるということだけを考えてたからどうやったのかは覚えてないが…
軽く魔力を放出してみる
「お、一気に放出するんじゃなくて量も調節できてるな」
魔力のやつが、やけにすんなりと言うことを聞く・・・?さっきまで全然言うことを聞かなかったのに
『うるさい、バカ主』
…!?
「…どうしたのだ?力也」
!?姫さんには聞こえてない…?いや、他のみんなにもか…
『当り前じゃ、私は主の中の存在、いや、一心同体じゃから主本人といってもいいかもな』
…?何を言っている、なんなんだお前
『まあ疑問を持つのは当り前じゃ、それに主は結構驚かないんじゃな、普通こんな現象に巻き込まれたらもっと動揺すると思うが?それこそ声を上げるなり』
その元凶が言うな、てかなんで俺は自然に頭の中で会話してるんだ…
『じゃから主は私で私は主じゃから。それよりいいいのか?皆戸惑っておるぞ?』
っ、そりゃ急に目の前で黙ったら不審がるよな
「いや、何でもない。さっきので結構疲れたみたいだ」
…この謎の声がこの世界で普通だと確信できない以上、言うのは得策ではないよな
『そうじゃな、さすが主。私は全くこれっぽちも普通じゃない、イレギュラーだよ。まあ色々あって登場が遅れてすまなかった』
ちっ、やっぱりか
「そうか、なら休め。その後に魔力をもう一度扱えばいいだろう」
「おう…英雄、どうした」
「いや、何でもないぞ。よしっ、力也の訓練もひと段落ついたし俺は俺の訓練に戻るよ。まだ上級にはいけてないけど、すぐ見せてやるからな!」
そう言って走り出す英雄
…あいつ、ありゃ俺に負けたくないとか追いつかなきゃとか思ってるときの顔だな、そうやってお前が頑張る度俺が死に物狂いになってるの分かってんのかよ
『言葉とは裏腹に嬉しそうじゃな』
……勝手に心を読むな
『無理じゃ。私は主、じゃから勝手に分かる』
なんで俺には分からねえ?
『まだ同調率が高くないからじゃな。そのうち嫌でも分かるようになる』
そーかい
「アーロン、ここ数日ありがとな。今度はお前も本気出せよ?」
「!…気が付いていたんですか?」
「なんとなく、だけどな」
『嘘コケ、確信しとるじゃろ』
うるさい
「今度はお前の本気を受け止められるようになってからな」
「…はい、その時は全力で!」
『男じゃのう』
いちいちうるさいな、お前
木陰に座りながらミーナの用意してくれたドリンクを飲む
姫さんは少し俺を気にかけるようだったがカリンと軽く体を動かすとフィールドの方へ行った
『よし、そろそろ私の話でもしようかの』
ああ、そうしてくれ。まずあんたはなんなんだ?
『ふむ、誰、とは聞かなくなったな。まあ先ほども言ったが私は主で主は私だ』
…俺って二重人格だったのかな
『安心せい、それとはまた違う。それに私は主と呼んでいるだろう?上下関係は明らかなの
じゃ』
…なら俺の体でお前が悪さするってのはできないわけだ
『その通りじゃ。じゃが私と主は一心同体、主が死ねば私も死ぬ』
そうか…ところでお前、名前は?
『ようやく聞いてくれたか。じゃが私は主、名はない』
なら名をつけろ
『…そこはつけてくれるのではないのか?』
面倒だ、早くしてくれ…聞きたいことはまだある
『くう、ならば私のことはクロとでも呼んでくれ』
なんでまたクロ…黒なんだ?
『主の精神世界の半分がが真っ暗じゃからじゃ。あの闇は怖いのう』
…俺の心の闇、ね。まあいい、じゃあ話をつづける。お前はなぜ、このタイミングで目覚めた?大体はさっきの攻防が原因だろうが…
『そうじゃな。先ほどまでは多少窮屈なところに閉じ込められていたんじゃよ。主は異世界人、しかも巻き込まれただけの能力高めの一般人…じゃと思ったか?』
…違うのか?
『ま、勇者に比べたら一般人じゃな。特に主の相棒、ここ数百年で一番の才能かもしれんぞ』
英雄がすごいのは知っているし、数千年に一人の逸材とか言われても驚かねえよ。それよりお前、あと俺の話だ
『それもそうじゃな。私は何か、という問いかけに先ほどからはぐらかしてきたが、別に意味もないから話すとな』
……
『まあ怒らんでくれ。単刀直入に言うと、私は精霊じゃ』
…だろうな、だが属性は?俺の適正は創造、確か無属性と創造属性には精霊が存在しないはず。クロ、って名前だし闇属性か?
『いや、違う。しかしこの短期間によく知識をつけているな。感心じゃ。少し考えても見てくれ、炎の精霊はどんな姿じゃ?氷の精霊は?』
…姿は基本少年少女のようなものだと読んだが?
『そうじゃな。例外はいるがそんな感じじゃ。そして基本女じゃ、男は例外じゃな。たしかに存在はするがよくわからん。そしてじゃが、その実態はなんじゃ?』
実態?……何が言いたいんだ?
『ううむ、やはりうまく伝わらんか。まあよい、精霊は基本その実態は魔力を多く持つ霊体、かつその属性の持つ特徴を体現しておる』
炎の精霊なら炎、氷なら氷、って具合にか
『そうじゃ。じゃあ、創造属性の実態とは何か、もう一つ、無属性の実態とは何か』
………いや、全然わからん
『そうじゃ、基本分からん。じゃから精霊もいないと思われておった』
…お前がそうだと?
『うむ。創造属性の実態、その本質は人の心なんじゃ。まあ思考というほうが正しいがな』
なるほどね…ちなみになんでクロはイレギュラーなんだ?それなら今までも存在したんだろ、創造属性の精霊は
『存在はした。じゃが公にできなかったんじゃな。普通精霊は8属性のみ、しかもたしかに見える。じゃが創造属性は人の心、思考じゃ。どうあがいても存在を証明できん。それに絶対数が少なすぎた。異端は迫害される世界で、そんなものを証明する利点はない』
…そうか。じゃあ無属性の精霊は?
『分からぬ。じゃが私が存在するように存在するかもしれないし、無、その象徴は消滅、存在する可能性は低いとみている』
オッケー、クロが何者かは分かった。だがよく俺の心に現れたな?精霊は良いやつ、と認めたものとしか契約しないんだろ?
『私には主が悪い奴には見えんがな。あ、契約についてじゃが』
分かってる、大方心の表れである創造属性の精霊とは契約は必要ないか、もう契約したようなもんなんだろ?
『…その通りじゃ』
なら仲良くやろうぜ?クロ
『うむ!よろしく頼もう!』
ああ、よろしく
…しかし無理だと思っていた精霊との契約がまさかこんな早く済むとはな
『そんなものじゃろ、人生なんて』
精霊に言われちゃ世話ねえな…よし、次の質問だ
『うむ』
なんで俺はこんなにも、2週間もの間魔力を扱えなかった?
『う、それについては申し訳ないのじゃが、まだ主が魔力を感知できない頃、この世界に来たばかりの主に色々説明しようとしてだな?精霊が生まれながらに持ってる知識をフル活用しようとして、知識の譲渡、共有魔法を使おうとしたんじゃよ。そしたら思ったより難しくて暴発しそうになってだな……やばそうだったから自分ごと封印してその中で魔法を解除してたんじゃが…』
……もしかして、出れなくなった?
『恥ずかしながら…さらに封印した場所がたまたま主の魔臓、魔力をためているところでの、そのせいで主は魔力をうまく使えなくなってしもうたんじゃ。主がイラついたときに少し封印が解けて漏れ出した魔力しか主は扱えていなかったうえ、出た魔力は搾りかすみたいなもので扱いが難しすぎての…』
ははは、それで全然魔力が言うこと聞かないわけか。てかその搾りかすですら一般人から見たら膨大な魔力量みたいだぞ?
『それは主の魔力量は歴代の勇者、異世界人よろしく恐ろしいものじゃからな。まあ、その封印も先の死の境地で主が外からこじ開けてくれたので、私が必死に身体強化をかけたわけじゃ。ほんと済まんかったのじゃ』
そっか、ま、過ぎたことだしいいや。てかさっきからなんで少し震え声なんだ?
『そ、それは…主が魔力が使えないことに日に日に怒りを募らせていくさまがダイレクトに伝わってきたせいで…それを思い出して……』
あー、俺のせいか、すまん
『い、いや、もとはといえば私が悪いのじゃ。主は謝るな』
ふーん、そっか。ま、今後はクロの助けを借りながら魔力操作、魔法の扱いを訓練してくから、頼んだよ
『そんなに急がないといかんのか?ま、私は主に従うが』
止まってちゃ、あいつに置いてかれちゃうからな
『ふむ、ならば早く一人前にならんとな』
おうよ、頼むぜ?クロ
『全力を尽くそう!』




