表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第四章 ガルーダ

 青々と茂る大樹の真下、空を同じ色をした髪の巫女は、言いました。


 「人には必ず、“何より大切なもの”ができます。そしてその時人は、“愛”を得る代わりに、他の何かを失うことになるのです」


 大樹は静かに、その梢を揺らします。聖なる巫女の話に相槌を打つように・・・・


























 「フィン、ただいま」

 同室のカイルが戻ってきた。その肩になガルーダが乗っている。

 絶妙なタイミングだった。

 「のわ!?」

 フィンは意表をつかれて頓狂な声をあげた。

 「何でそんなに驚くの?」

 カイルに呆れた様子の半眼になって言われ、フィンはむすっとした。

 「何でもねぇよ」


 ―ピルルルルルルル・・・・


 ガルーダが嬉しそうにフィンの肩に乗り、その頬に擦り寄った。

 ガルーダのふかふかの羽毛が気持ちよいがくすぐったく、フィンは笑った。

 「ガルダ、くすぐったい」


 ―ピルルルル


 「ガルーダ、すごく嬉しそうだね」

 フィンとガルーダを見てカイルがにこにこ笑っている。フィンはなんだか気恥ずかしくなった。

 「ガルーダは俺の愛鳥だからな」

 てれながらフィンは答える。ガルーダは幸せそうに一声鳴くと、フィンの肩に座った。

 「そういえば、道端で、面白い物を拾ったよ」

 「道端っておま!汚ねーだろッ!!」

 「まあまあ」

 カイルは苦笑気味に笑うと、フィンに片手を差し出した。

 カイルが手を開くと、金色の見たことも無いデザインの鍵が出てきた。

 「面白いでしょ?ガルーダが見つけたんだよ」

 フィンはその鍵に妙な既視感を覚えた。

 「これって・・・・」

 ガルーダを見ると、穏やかな瞳でこちらを見つめている。黄金きんの瞳が何か言いたげに細められていた。

 「どうかした?」

 カイルが不思議そうに訊ねる。

 「いや、何でもない。これ、貰っていいか?」

 「どうぞ。ガルーダが見つけたものだしね」

 フィンはカイルから鍵を受け取ると、ポケットにしまいこんだ。


 ―ピルルルルルル・・・


 ガルーダは満足そうに鳴くと、外へ飛んで行った。

 「あっ!ガルーダ!!」

 フィンが手を伸ばしたが、当然届かず、カイルが苦笑した。

 「あーあ。行っちゃったな」

 フィンは名残惜しそうに窓の外を見た。







 ―聖蘭から電話が再びかかってきたのは、丁度その直後のことだった。























こんばんは。皆様お久しぶりです。いろいろ忙しく、更新大変遅れ申し訳御座いませんでした。さて今回、第四章で御座います。摩訶不思議な鳥・ガルーダ。そのガルーダが運んだ鍵が一体いかなるものなのか、分かるのは多分まだ先です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ