第2回:クラス代え
いよいよ新しいクラスが発表される。
もう、このクラスで教室に集まることもなく、みんなそれぞれの新しいクラスに散っていくんだ…。
センセーが名簿順の早い方から発表していく。
みんな自分のクラスを告げられ、それぞれにキャーとか、ヤッターとか、え〜マジで〜とか言っている。
中学時代から仲良しの拓也の番だ。
「え〜と、桐野はえ〜4組だぁ。」
このセンセーは俺たちを受け持った一年間ずっと、たとえトリビアブームが去っても
「え〜」
を最期まで使い貫いた。
以下同様にセンセーが発表していく…。
誰が何組だとか考えるのに疲れそうだと思ったので自分の番までボォーとしておこう……。
(もうそろそろ俺の番かな。)
「え〜フジサキは、え〜4組だな」
ラッキー!拓也と同じクラスだ。
その後もしばらくそれぞれ発表が続き、全員分を発表しきったセンセーは疲れた口調で、
え〜、ではそれぞれのクラスにえ〜移動してくれ、え〜頑張るんだぞ。」
私はは拓也とダベりながら、教室のみんなが殆んど出ていったころに移動を始めた……。
毎年のことなのだが、この移動中に自分のクラスはどんななんだろうっていろいろ想像してしまう。
これが堪らない。
自分のクラスはたった今、終わり、新しい、最後の一年間を過ごすクラスがすぐそこ待ち構えているのだ……。
あ〜……。拓也はいろいろと私に話し掛けてきたけが、殆んど耳に入らなかった。
ボォーと新しいクラスに入室した。
さぁ、どんななんだろうとドキドキに似たようなものが胸の中にあった。