表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

銀鍍金塵蜘蛛。


 全てが人の顔だった。


 八月九日。八時頃。村の外れに向かう最中、僕は後ろを振り返った。小学校の上、空の一部分だけが鬼雨きうの様な豪雨が降り注いでいた。きっと…。夏希は悲しみで泣いている…。後ろ髪を引かれながらも、僕達は蜘蛛を退治する為に向かわなければならなかった。ソレでも僕は幾度か振り返ってしまう…。


 村から出て数十分程すると、僕達の瞳には白銀の世界が広がっていた。倒壊した木々に白銀の糸が幾重にも絡み付き、風景の色を白銀へと変えていたのである。


 そして…。その中央に腹部が銀色に輝く体長三メートル程の蜘蛛がいた。その腹部には黒い斑点が有り、その黒い斑点は髑髏の様にも視え、腹部からはニンゲンの腕が六本、生えていた。然し、ソレよりも異様だったのは頭部で、蜘蛛の八個の単眼の全てが人の顔だった。聲に成らない聲を漏らし、血の涙を浮かべ、不規則に素速く動いている。


 「何だ…。アレは…。」


 想像とは違った。所詮は大きな昆虫なのだと勘違いしていた。違った。アレは蜘蛛の姿を模した化物だ…。


 蜘蛛は此方を八つの単眼で視て…。

 慟哭どうこくする。


 「多分、銀鍍金ぎんめっき塵蜘蛛ごみぐもが原型だと思う。」


 真中は冷静に、そう云った。


 「銀鍍金塵蜘蛛?」


 「そう。銀鍍金塵蜘蛛。生態的には異性からしたら胸糞だけどね…。」


 ?…。僕と淳弥に疑問符が浮かぶ。


 「でも、私達・・には関係ないから気にしないで…。とりあえず罠仕掛けるね。」


 【束縛】と真中は【咎】の名を呼んだ。すると数え切れない程の虎挟みが顕現する。


 「【咎】で顕現した罠は私が標的として定めた相手にしか発動しないから安心して良いよ。踏んでも大丈夫。」


 と真中は罠を踏み抜いた。罠は脚を擦り抜けていく。ねっ?と真中は微笑んだ。


 「淳弥。僕に水をくれないか?」

 僕は淳弥に視線を送る


 良いけど…。と淳弥は言葉を置き…。


 「程々にしないと…。身体が保たなくなるよ。通常の十数倍の効力があるから…。」


 その時の僕は言葉の本当の意味を理解していなかったのだ…。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ