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異変。


 僕の【咎】なら少しは落ち着きを取り戻せるかも…


 僕達は蜘蛛を退治するべく計画を緻密に練る事にした。しかし、その間に眠っていた四郎爺ちゃんの呼吸が停まってしまったのである。皆が集まり様々な処置を試みたのだが、四郎爺ちゃんの呼吸は停まった儘、肉体だけが冷たくなっていった。通夜をして火葬しようとした時に、僕達はある異変に気付く。四郎爺ちゃんの遺体は火葬したにも関わらず、傷一つ、火傷一つすら無い綺麗な遺体の儘、焼ける事は無かった…。しかしソレだけならまだ良かったのだろう…。


 此れも後に解った事だ。僕達は【KARMAウィルス】に対して余りにも無知だったのだ。【獄人化】した人間も【虚人】と同じく外的要因で死ぬ事は無い。何らかの事象で死んだ時、その遺体が迷宮ラビリンスと化する。四郎爺ちゃんの場合は本来の寿命を迎えたからだ…。


 遺体から異音が鳴り響いた。ギギギッと肋骨が観音開きに開いていく。中央にある心臓からドクンドクンと激しい音が木霊し、真紅の霧が辺りに立ち込め、心臓が右心房と左心房が切り裂かれていき、心臓の内側から慟哭の様な叫びが聞こえてきたのだった。


 村人達に動揺が走っていく。異常と化した世界でも身近で異変が起きると云う出来事に、それ迄張り詰めていた緊張の糸はプツリと断ち切れてしまったのだった。それから動揺が恐怖へと変わっていくには時間を要さなかった。皆は叫び、震え、狂っていった。そんな時、淳弥が考えがあると云い…。僕の【咎】なら少しは落ち着きを取り戻せるかも…。と淳弥は皆に水を配った。


 水を飲み終え、暫し経つと村人達は少し落ち着きを取り戻していった。夏希もようやく、心が安らいだのか頭上の鬼雨きう白雨はくうへと変わった。雲が無いのに細かい雨が降っている。雨脚は余り変わらなかったけれど、夏希の頭上は少しは明るくなっていた。


 皆が落ち着いた後、僕と淳弥で四郎爺ちゃんの遺体を離れた場所、用務員施設へと運び込んだのだった…。


 翌日、淳弥の【咎】の効果は切れてしまった。村人達は不安に駆られ、夏希の頭上には再び鬼雨が降り注いだのである。それ以降、僕達は騙し騙し、淳弥の【咎】で精神を保っている状況となっていった。


 その時点で僕達は二つの過ちを犯していた事を後に知る…。


 叶 淳弥。十九歳。男性。


 【希望の咎】

 【空を無くす】を発症。


 食料、水等に不安、緊張、抑鬱、不眠症等に効く向精神薬の成分を与える。その能力が付与されたモノを食したモノは身体能力が少し向上する。身体能力の向上(小)ステージ0。 


 攻撃力 G

 防御力 G

 精神力《攻》F

 精神力《防》F

 俊敏性 G

 器用値 F

 生命力 F

 運命値 G


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