崩壊。
蔓延してなかったとしても…。
誰が為に?何の為に?
俺は生きているのだろう?
唯一、俺が俺である事を証明してくれる【家族】が完全に壊れてしまってから…。そう考える時間が増えている気がする。
事の発端は東京へと落下した十センチ程の隕石だった。隕石の衝突に於ける被害は無かったとの事だが…。問題は、その隕石の内部に存在した【KARMAウィルス】だと後々に識った。
【KARMAウィルス】。ソレは人の心で発症し、瞬く間に蔓延した。【KARMAウィルス】の感染症状は大きく区別すると四種類に分類されるらしい。
①人間の形状を失い、内に秘めていた欲望を具現化した様な怪物へと変異する症状。【欲獣化】
②その人間が抱えている心の闇が異能力として発現する症状。【咎人化】
③強大な異能力に耐えられず、眠りから目覚める事の無い植物状態になる症状。【獄人化】
④無気力となり生きながらにして死んでいるかの様な症状。【虚人化】
俺達家族は四人中三人が発症した。父親も母親も欲獣と化した。姉は発症は見られなかったが、俺はと云えば咎人となり【咎】と云われる【異能力】を手に入れた。【咎】とは自己が抱える心の闇を媒体に発症する【異能力】である。何故、俺が【咎人】となったのかは未だに解らない。
ただ…。一つだけ解っていた事がある。
【KARMAウィルス】が蔓延してなかったとしても俺達の家族は、そう遠くない未来で【壊れていた】と云う事だ。




