八月十日。報告書。
此れより紡がれるのは…。
国家が国家として機能してた頃の報告書の内容を抜粋し物語として再構築したモノである…。
爆弾の炸裂に際して、強烈な一大閃光が迸りました。それは恰も強烈なマグネシウムを焚いたのと同じ様な感じて、辺り一面が白茶けてボンヤリと霞んで仕舞いました。そして爆発の中心部では、ソレと同時に、また多少距離のある場所では爆撃より瞬時の後、猛烈な轟音と共に強烈な爆風と熱気とが襲ってきました。
【生存者の証言より。】
✕✕県✕✕市✕✕村。生存者 計三名。
叶淳弥。
真中一沙。
皇煌火。
発見当時、叶の身体は至る箇所が噛み千切られていた。その傍らに倒れていた真中の身体は腹部から下にかけて激しく損傷箇所が診られた…。
【慈愛の咎】を持つ【重罪の咎人】葛葉小百合の能力で一命は取り留めた…。叶、真中の両名に【咎】の発症が確認されている。
皇についてだが…。彼は【信仰の咎】を発症。そして併存疾患と思われる【再生】の能力が確認されている。自己治癒能力ではあるが、その再生速度は全壊から全快迄には丸一日を要するとの事。その間は完全に無防備となる事。そして…。尋常ならざる激痛を伴うとの証言を得ている。彼は相反する力を発症した事による【後遺症】を有しており、殲滅魔法を使う度に古い記憶から一年分消去されていく事も確認されている。
三名は心に深い傷を負い、心的外傷を抱えている。
然し願わくば彼等には今後、組織化される駆逐隊への入隊を希望してならない…。彼等の様な人物が世界を平和へと導いてくれると私は信じている…。
地獄を識る者こそ…。
誰よりも強く気高く美しいのだから…。




