八月九日。午前十一時二分。
逢いに行くよ…。
僕は僕の【咎】を本能で識る。
【信仰の咎】
【十死零生神風】
身体能力の向上(特大)。自らの命を犠牲とした特別攻撃。相手への殺意、憎悪が高ければ高い程に威力が増大。命を魔力へと変え半径五メートルの全てを対象に大爆発を与える殲滅魔法を発動可能。一度でも殲滅魔法を使用すれば死に至る。(ステージⅢ)
攻撃力 S
防御力 C
精神力《攻》SSS
精神力《防》A
俊敏性 SS
器用値 C
生命力 C
運命値 SS
重罪の咎人として承認。
病状進行Ⅲの状態で発症。
『愛する人を護れなかった僕には、丁度良い…。彼奴を殺せば…。僕は…。君に逢いに行ける…。』
上空を飛行する肉塊の爆撃機はユックリと旋回し、此方に標的を定めた様だった。ソレはまた頭部を歪める。
「何で嗤うんだ?命を侮辱するなよ。」
脚に力を込める。【咎】の過剰な能力に、未だ適応していない肉体が悲鳴を上げた。ブチブチと筋肉が千切れていく…。ソレでも僕は構わずに地面を蹴った。重力を無視して肉体は空を舞う。無意識に僕は頭上で両の手を交差していた。肉塊の爆撃機の右の腕の付け根に体当たりする形となる。グジャッ…。肉塊の爆撃機の右腕は付け根から千切れ墜ち、その機体はグラリと揺れて校舎横の地面に墜落していった。
ヴッ…。僕の両の手は衝撃に耐えられず千切れかけ、薄皮一枚で繋がった状態の様であった。その後、僕は重力に捕まり、下で藻掻く肉塊の化物の上に落下したのだった。意識が薄れる。だが殺意がソレを赦さなかった…。周囲を見渡す、音と血の匂いを嗅ぎ付けた軍人の群れが此方へと向かって来るのが解った。
肉塊の化物が雄叫びを上げた。立ち上がり肋骨を観音開きに左右に拡げ、其処から爆弾を見境無く放射した。然し狙いが定まらず僕の廻りを通り過ぎていく。
「自分が死ぬのは怖いのか?」
千切れかけた両の手が風圧で揺れ、痛みが肉体を貫いた。
「命を奪われる覚悟が無いのなら…。命を奪うなよ。」
『逢いに行くよ。夏希…。』
僕は【咎】の名を呼んだ…。




